平成26年度「新規採用職員研修【1】」における市長講話

登録日:2016年4月3日

 平成26年4月1日付けで採用された新規採用職員を対象に、「即答・即応し実現する市役所」となるために、直接、私が日頃の組織運営に対する考えや職員に求める姿勢等について講話を行いました。

日時

 平成26年4月2日(水曜日)11時から11時30分まで

場所

 市本庁舎8階大会議室A

参加者

 平成26年4月1日付け採用の事務職、技術職、保育士、保健師、言語聴覚士、技能員(調理員)、消防職及び幼稚園教諭(合計106人)

市長講話の内容

テーマ「市民と市役所」

研修の様子1   研修の様子2

  • 市職員と市長(選挙と任免)

     まず、市長と市職員の共通点として、本日の受講生の皆さんから「津市民のために働く」、「給料は市民の税金である」、「津市を良くするために働く」、「津市のために働く」などを挙げてもらいました。一方、市長と市職員が異なる点として、「仕事の性質が異なる」、「職位が異なる」、「選挙か試験かなど選ばれ方が異なる」、「人数が異なる」、「特別職か一般職である」などが挙げられました。 
     この中で異なる点に着目すると、民間の会社と比較して市役所の場合は、「選挙か試験かで選ばれ方が異なること」と「特別職か一般職であること」の2点が特徴的であると言えます。
     民間会社の社長(代表取締役)は、取締役の中から取締役会で選ぶが、市長は市役所の職員がその代表を選ぶわけではなく、直接市民が市民の中から選ぶことになります。市民が選挙で直接選ぶのが市長であり、地方自治法では、首長である市長には、この津市を統括し代表する権限(統括代表権)と、津市役所という事務をしっかりと管理し執行していく権限(事務の管理執行権)、そして、職員を指揮して監督する権限(職員の指揮監督権)があると規定されています。
     一方、職員は、市長が任免するということで、地方自治法の規定に市長の補助機関であるとされているので、市役所という組織は市長を補助する機関であり、私は、職員の皆さんに補助されているということになります。

     
  • 市職員と市長(市職員の論理)

     なぜ、職員は市長の補助機関であると規定されているかというと、市長は直接、選挙で市民が選びます。一方、職員は市長が採用し、任命するわけですから、市長を補助するということは、イコール市民のために働きなさいということになります。市長は選挙で選ばれた唯一の政治家で市民に最も近い存在であり、だから市民から負託を受けた市長は、市民の意向を踏まえた政策を実行し、それを実現するために改革を進めなければならない立場にあります。
     一方、職員は地方公務員としての身分が保障されており、その身分保障により陥りやすい「現状維持」「前例踏襲」「過剰防衛」という独特の流儀を持っています。例えば、ある社会福祉施設に補助金を出そうとするときに、社会福祉施設はたくさんあるので、もらえる施設ともらえない施設があり、もらえない施設から批判が出てくるかもしれない。だから補助金を出さないという判断をしようとする。これが過剰防衛です。他の人たちからの批判を受けないために何もやらない。市役所の仕事の中で、どうしても自分を守りたくなることがありますが、私はそうしてほしくないと思っています。皆さんは、身分保障を受けながら、市民のために働くという社会的な価値の高いことをやれるわけだから、ぜひこれから、思いきって仕事をしてほしいと思います。

     
  • 市職員と市長(市長の過去の経験を市政の付加価値に)

     私自身は選挙で選ばれているので、皆さんとは違う経験の持ち主として、私がもう少しこうしてほしい、あるいはこういうふうにしようといった提案をすることがあります。市長はそれができる存在です。ですから、市長は、皆さんの中から1人の代表者を選ぶのではなくて、市民から直接選ばれることによって、違うキャリアを持っている人が社長に置かれているという状態です。
     私は国にも勤務していたので市町村という基礎自治体とは違うものの見方や違いが分かり、他の地方自治体にも勤務していたので津市とは違う仕事の仕方も分かっています。また、民間企業の勤務経験もあるので税金でコストがカバーされている行政と民間の違い、民間では通用しない仕事の仕方も分かるので、市職員と私は感じ方が違うところがあります。私のこういう皆さんとは違う経験、いわば付加価値を、津市という組織が有効に使えばいいと考えています。

     
  • 市職員と市長(市長は民意と市役所の論理の橋渡し役)

     私は、政治家としては市民が求めることをきちっと実現したいと思うし、皆さんとは少し違う付加価値の持ち主としては、市役所が、前例踏襲なり現状維持、過剰防衛といった行動をしたくなるのを、直さなくてはいけないと思うし、社長としては、皆さんの力を最大限に発揮するということが必要です。そのことをやることによって市民の気持ちに合った市役所をつくっていきたいと思っています。

     
  • 市民と市役所(市民との対話)

     皆さんは、この研修が終わると、すぐに窓口に立って市民の皆さんと直接向き合う人がいるわけです。ということは、皆さんが一番前にいる。市民との接点というのは、選挙で選ばれているから市長は市民と一番近いところにいるわけですが、実際の仕事の現場は、担当職員が一番前にいるわけで、つまり最前線にいるわけです。だから皆さんの力が市民と直接向き合う力になるわけですから、皆さんの力が市役所の力です。
     皆さんは、これから市民のために働きたいと言ってくれましたので、皆さん一人一人が市民に向かって本当に心を込めて仕事をしてほしいと思います。市民からありがとうと言ってもらうことは、職員一人一人にとって必要なことですが、それは市役所にとっても必要なことです。市民のために働くということは、結果として津市のために働いていることになります。それが市役所の力ということです。

     
  • 市民と市役所(「即答・即応し実現する市役所づくり」)

     私たち津市が今考えていることは、「即答・即応し実現する市役所」です。市民の皆さんは税金を払って皆さんの人件費を賄ってくれており、その対価としてサービスを受けるので、皆さんの働きが自分たちにとって満足いくかどうかと市民は思っているわけです。
     津市民は、昔から自分たちのことは自分たちで決めていくというという考えを持つ自治意識がとても高い人たちです。そういう人たちは、地方自治の仕組みの中で市役所がいい仕事をしてくれる、そして本当にきちんとした間違いのない仕事をしてくれるということをとても期待しています。我々は、そういう市役所になりたい。そのためには、市民のために頑張ろうという気持ちを職員の皆さんに持ってもらっていることが必要です。
     どういうふうにすれば我々が、普段から無意識のうちに自分たちがこういうふうに行動すればいい市役所になれる、市民の皆さんに喜んでいただける、満足していただける市役所になれるか、それを言語化、言葉にしましょうということで、今年は全庁的な行動規範としていくことをミッションとして取り組んでいきます。だから、今年度採用された皆さんも市民に満足していただくということは何を持って実現するかということを、これから常に考えていってほしいと思います。
     市民満足度というのは、できれば税金が安くて行政サービスがたくさんあるのが満足なのですが、今の地方自治制度の中で税金を下げるということは、なかなか難しい。それではどういう市役所であれば満足してもらえるかというと、サービスがいい市役所です。きちんと仕事をしてくれる、間違いなく仕事をしてくれる。当たり前のことを当たり前にきちんとやってくれる市役所。それをやれば市民の満足度が上がります。

     
  • 最後に

     皆さんがどんどん力を付けてくれれば、市役所の力になります。皆さんが市民のためにやりたいなと思っていること、こういうふうに働きたいなと思ったことをまっすぐにやれば、それが直接市民の満足につながっていきます。津市は市民満足度の高い行政をめざします。それは誰によってどういうふうにできるかというと、一人一人の職員が最初に志を立てたこと、市民のために働きたい、いい仕事をしたい、お役に立ちたいと思ったこと、それを素直にやれば実現します。皆さんが一生懸命働いてくだされば、市民の皆さんに喜んでいただけますから、そういう津市を一緒になって作っていきましょう。ぜひ、よろしくお願いします。

 研修資料

 研修資料は、下記リンクをご参照ください。

  研修資料「市民と市役所」(PDF/680KB)

 

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