平成29年度「新規採用職員研修【1】」における市長講話

登録日:2017年6月2日

 平成29年度に入庁した新規採用職員に、津市の合併後の取組みと成果、そして津市の未来を担う職員に期待することについて、講話を行いました。 

とき

 平成29年4月4日(火曜日)13時~13時40分

 

ところ

 津市役所 本庁舎 8階 大会議室A

 

参加者

 平成29年4月1日付け採用の事務職、技術職、保育士、保健師、看護師、技能員(調理員)、技能員(清掃員等)、消防職、幼稚園教諭及び養護教諭(合計124人)

 

市長講話の内容

 テーマ:『2017年は「自立の年」』

 研修の様子  研修の様子

●    合併後10年を超えて

 平成18年に10の市町村が合併し、新津市が誕生しました。公共団体はもちろん民間企業でも10もの組織が一つになるのは珍しく、非常に大きな合併でした。
 
10カ所でやっていたことを1カ所でやることになり、職員数は当然3,119人から2,499人まで減らしましたが、保育士は逆に増やす、消防職員は減らさないなど、メリハリのきいた削減を実施しました。
 
職員数は削減しましたが、合併の際にそれぞれの市議会、町村議会が新しい津市において、やってほしいと持ち込み、合併協定書にまとめてやろうと決めた課題を、これまで一つひとつ着実に進めてきました。また、それだけに留まらずその後の状況の変化に応じた対応、例えば平成23年の東日本大震災を受け、津波から逃げる場所の確保のための津波避難ビルの指定や、平成21年に台風で被災した名松線の全線復旧事業なども併せて進めてきました。

 

●    自立の年、2017年

 これらの事業は、合併数、面積などにより算定される合併特例事業債という特別な財源が有効利用できたことで実現できました。また、地方交付税についても、10の市町村が1つに合併した後も国の財政措置として10の組織と3,119人の職員がいるものとして10年間は分配され、これを貯金してきた結果、合併時に104億円だった財政調整基金は200億円まで増えました。このように津市は合併による構造改革で行財政の効率化を図ることができた上、この財政支援措置により財政状況が改善されました。しかし、この効果は一度限りのものです。財政支援措置は、東日本大震災が起こった影響で、10年であった措置期間が15年に延長され、平成33年までとなりました。平成33年はちょうど国体が開催される年になります。平成33年の三重とこわか国体に向けて、今、津市では様々な整備を進めています。この国体を始めとして、これからの事業は、色々なことを皆さんを含め私たちが考え、私たちが決めていく時期を迎えた、ということです。ここからまさに津市は自立しなければなりません。
 
合併後に入庁した職員も皆さんを含め全職員の約3分の1にまでになりました。
 
皆さんは津市を代表する者として、それぞれの分野におけるプロフェッショナルとして物事を考え判断すること、また皆さんの仕事は公務であって財源は税金であるということを自覚し、常に自分の軸をしっかり持ち、ぶれないできちんとものを言うことが大事です。なぜなら、市民からは正しい公正公平な間違いのない、ミスのない判断をしてほしいと期待されているからです。

 

●    「地域愛」地域のために、津市のために

 地域のために、この津市という場所でこれから皆さんは仕事をしていきます。津市に住んでいる方々が幸せになるように、満足できるように、これからもここで住み続けたいと思えるように、そんな都市にすること、それは皆さんがこの場所を好きになってくれているからこそ実現できることではないかと思います。
 
それぞれの職場で目の前のことを一つずつ一生懸命にやれば、市民の皆さんは必ず見て、感じてくれています。市民意識アンケートの結果を4年前と比較すると「津市に愛着を感じているか」の問いに「はい」と回答した人は、4年前では73.6%であったのに対し、昨年は79.5%に増えています。「今後も住み続けたいか」の問いに「はい」と回答した人も同様に、79.0%から87.0%に増えています。市政への満足度は「地域愛」を持ってコツコツと一生懸命、目の前のことをきちっとやっていくことで必ず結果は出るということです。

 

●    柔軟な発想でダイナミックに

 津市では東日本大震災後の防災対策の強化として津波避難ビルを指定しましたが、周辺には多額の投資をして津波避難タワーを作った自治体、消防車を増やした自治体、防災無線を新しくした自治体もありました。そんな中、高齢化率60%のある町では健康教室をやっています。もちろん、健康教室は高齢者の健康増進、医療費や介護に係る経費の削減などにつながるものですが、実は防災の一環として、お年寄りが自力で裏山に逃げ上がれる体力を持つことが町民の目指す方向であり「津波対策」なのです。このように、市町村は色々なことを決められるところです。頭を柔らかくして、何をやるのかという目的を持って、その目的にどう進んでいくかを自分たちで決められるところなのです。
 
例えば、学校の話をしますと、学校を安全で快適なものにするために、津市では平成23年まで耐震改修を順次実施し完了しました。次は何をするかとなり、大規模改修を順次実施することになりました。またトイレの洋式化という課題もあって、大規模改修の時に同時に進めていこうと考えていました。ところが大規模改修は1校で9億円くらいかかるもので、69もの学校で実施するとなると相当の期間がかかり、トイレの洋式化はそこまでは待っていられない。そこでトイレの洋式化を先行して実施しようということにしました。このほか、一時的に児童・生徒の数が増える学校では、これまではプレハブ教室を建てて対応してきましたが、児童・生徒数が減少する見込みがないことから、正規の校舎を増やすことにしました。このように学校関係でも、従来のことにとらわれずに、柔軟に決めてきました。
 
また、今年9月から65歳以上の高齢者の方に毎年2,000円分のポイントを付与するバスカードを配ります。これは高齢者の方の外出支援や、運転免許返上を応援することなどを目的とするもので、総務省がこのシステムを構築してくれます。全国1,800ほどの自治体がある中で、津市だけが今、やろうとしています。
 
これらのとおり、私たちの仕事はとてもダイナミックな仕事ができる、自分たちで色々なことが決められるものです。考えようによっては、民間企業よりも裁量権が大きい組織なのかもしれません。
 
財政上も法律上も色々な問題があって、そう簡単ではないかもしれませんが、我々は市民の幸せのために何をやるのか、頭を柔らかくして新しいことを考えられるのです。
 
公務というと堅苦しいとか、色々なことに縛られると思っていたかもしれません。しかし、色々なことが決められる仕事ですので、最前線で仕事をする皆さんは、何か気付いたり、こんな風にしたらどうかと考えたり、市民の要望を聞いて感じたりしたことをどんどん職場の上司に伝えてください。その積み重ねがこの津市という組織の大きな力になります。
 
そういう職場に来たと思って、いい仕事をしてほしいと思います。

市長の部屋

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