「広報津」第318号(音声読み上げ)人権だより

登録日:2019年3月16日


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折り込み紙4

人権だより 第13号

平成31年3月16日発行
人権課 電話番号229-3165 ファクス229-3366

人権は、全ての人が社会において幸福な生活を営むために欠かすことができない固有の権利であり、人権が尊重され、真に豊かで平和な社会が実現されることは私たちみんなの願いです。

しかしながら、私たちの身の回りには、同和問題をはじめ、さまざまな人権問題が依然として存在しています。最近ではインターネットを悪用した人権侵害やLGBT(性的少数者)への偏見やヘイトスピーチなど、人権問題はより複雑化し多様化しています。

このような中、平成28年には障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)をはじめ、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律(ヘイトスピーチ解消法)、部落差別の解消の推進に関する法律(部落差別解消推進法)といった差別を解消するための法律が施行されました。

津市では、これらの法律の趣旨に基づき、人権問題の解決に向けて取り組んでおり、平成29年8月には、市内にお住まいの3,000人を対象に人権問題に関する市民意識調査を実施し、1,258人から回答をいただきました。

今回の調査結果を今後の取り組みに生かしながら、人権に対する正しい理解と知識を深めていただくため、さらなる人権啓発などの取り組みを進めていくとともに、今後もこの調査結果をさまざまな機会を通して紹介していきます。

コラム 子どもたちの姿から気付かされたこと

私たちが住んでいるところを差別する人がいる。でも、あなたは何も悪くない。だから、そんな差別に下を向かされる必要はないんだよ

これは、私が出会ったある子どもの母親が、わが子に伝えた言葉です。このような母の思いに触れたこの子は、学校や地域での学習や活動に積極的に取り組むようになりました。そしてみんなと一緒に部落差別のことを話し合って、差別をなくす仲間を増やしていきたいという思いを持つようになりました。

差別をなくしていこうと周りの友だちに語っていく姿。自分や家族、地域に誇りを持ち、胸を張って生きていこうとするこの子の姿を通して、私は今までどのように生きようとしてきたかを振り返るようになりました。

病気で体が不自由になった父のことを恥ずかしく思っていた自分。自らの体にコンプレックスを感じていた自分。周囲からどう見られているのかということにビクビクしながら生きてきた自分。そんな自分の姿が思い浮かび、私自身、社会の中にある思い込みや偏見にとらわれて生きてきたことに気付いたのです。その後、その子どもたちと共に、人権学習や地域の学習会での話し合いを重ねる中で、自分は自分でいいのだ、と思うことができるようになり、今までよりも生きやすい感覚を持つようになりました。

それからは、このような私自身の変化や気付きを子どもたちに話すようになり、子どもたちはそれぞれが抱えている不安や悩みを私に話してくれました。それらの多くは、自分にはどうすることもできないことで、不安に思わされていたり自分に自信を持てなくさせられていたりするものでした。そんな不安や悩みを共に語り合うことを通して、そう思わせる周りが考えなければいけないのではないか。自分もそう思わせている一人ではないか、と自分自身を問い直し、変わっていこうとする子どもたちの姿がありました。

子どもたちが自分らしく生きることを阻害するような偏った見方や固定化された価値観が社会の中にはあります。私はこれからも、子どもたちと共に生き方を学び合いながら、社会を構成する一人として、自分の中にある固定した見方や考え方を問い直し続けていきたいと思います。

人権問題に関する市民意識調査から

平成29年に実施した人権問題に関する市民意識調査の結果を紹介します。また、今後も広報津のシリーズ人権の中で、紹介していきます。

市民の人権意識は10年前に比べて高くなっていると思いますかという質問に対し、回答者の約3割が高くなっていると回答しています。

しかし、最近5年間で差別や人権侵害を受けたことの有無についての質問では、約1割の人が、ある、と回答しています。

また、あると答えた人に、その内容について質問したところ、あらぬうわさ、悪口で名誉・信用を傷つけられた、と答えた人が37.7パーセントと最も高く、次いで、差別待遇を受けた、が26.3パーセントでした。

そして、ある、と答えた人に、そのときどのような対応をしましたか、と質問したところ、何もせず、がまんした、と答えた人が37.7パーセントと最も高く、次いで、家族や友人など身近な人に相談した、が35.1パーセントでした。一方、国や県・市など行政の相談窓口に相談した、は、わずか2.6パーセントにとどまり、どこに相談して良いか分からなかった、は8.8パーセントでした。

次の構成比率は、小数点第2位以下を四捨五入しています。

設問 市民の人権意識は10年前に比べて高くなっていると思いますか

設問 最近5年間で差別や人権侵害を受けたことがありますか

設問 差別や人権侵害を受けたときどのような対応をしましたか(複数回答可)

設問 最近5年間で、市等が主催する人権に関する講演会等に参加したことがありますか

次に最近5年間で、市等が主催する人権に関する講演会等に参加したことがありますか、との問いに、一度も参加したことがない、と答えた人が81.8パーセントと大半を占め、次いで、1・2回参加した、が11.3パーセント、3回以上参加した、が5.5パーセントでした。

全体
18歳・19歳
20歳代
30歳代
40歳代
50歳代
60歳代
70歳代
80歳以上
無回答

ここまでのところで、いくつかの重要な課題が見えてきました。

3割程度の人が人権意識の高まりを感じている一方で、最近5年間で、市等が主催する人権に関する講演会等に参加したことがありますかとの設問に対して、一度も参加したことがないと答えた人が大半を占めています。さらに、掲載はしていませんが、人権に関する講演会等に参加する回数が多い人ほど人権に関する意識が高いことも分かってきました。

そこで津市としては、市民の皆さんに人権問題について考えていただく機会を作るため、市内各地域における人権講演会、市民人権講座の開催や広報津、津市ホームページを利用したさらなる人権啓発を進めていきます。

また、差別や人権侵害を受けたことがあると答えた人の中には、どこに相談して良いか分からなかったと答えた人もおり、行政の相談窓口に相談したと答えた人はわずかでした。そこで、人権相談について、これまで以上に市民の皆さんに寄り添った相談体制に努めていきたいと考えています。

今後も、一人一人の人権が尊重される津市をめざして、引き続き人権尊重の取り組みを積極的に進めていきます。

人権相談窓口

その他

人を差別し、人の心を傷つける落書きを見たら、津市人権課へ通報・連絡してください。

人権標語・人権ポスター入選者一覧

人権標語

人権ポスター

最優秀賞
優秀賞 (順不同)

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