「広報津」第406号(音声読み上げ)表紙、新年のごあいさつ、第50回新春市長対談 若者のニーズに呼応する男女共同参画

登録日:2023年1月1日


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表紙

広報津 令和5年1月1日 第406号

天高く舞い上がれ

養正小学校創立150周年記念事業の一環で行われたたこ揚げの様子。児童は元気いっぱいに校庭を駆け回っていました。(11月9日)

新年のごあいさつ

令和5年の新春を迎えて

津市長 前葉泰幸

謹んで新年のごあいさつを申し上げます。

昨年は、新型コロナワクチンの接種などによる感染拡大防止策とともに、訪日外国人受け入れ拡大や全国旅行支援が行われるなど、ウィズコロナが新しい段階へと進展した一方、ロシアによるウクライナ侵略、円安などを要因とする原油価格・物価高騰の長期化が私たちの生活に深刻な影響を与えた一年となりました。

津市はこの状況に即応し、0歳から18歳までの児童1人当たり1万2,000円の子育て家庭物価高騰対策支援金の給付、地域経済の活性化と地域DXの推進に寄与するプレミアム付デジタル商品券の発行、小規模企業者や障害者支援・介護保険施設等に対する事業継続支援、肥料等の価格高騰に直面する農業者への支援など、津市独自の施策をきめ細かく丁寧に展開してまいりました。

その一方で、津興橋の架け替えや大谷踏切の拡幅、香良洲高台防災公園の整備など市民生活や地域経済を支える基盤整備とともに、大門・丸之内地区の未来ビジョンづくりや津駅周辺を発展させるための道路空間検討の取り組み、河芸町島崎町線第3工区早期事業化に向けた県との連携など将来のインフラ整備の取り組みを進めました。大きな変革を遂げようとするこの社会の先を見据えた未来の都市づくりも進め、8月には津市地域脱炭素宣言を行い、2050年までの温室効果ガス排出実質ゼロの達成に向かって、プラスチック資源循環推進に関するパートナーシップ協定を企業と締結するなど、地域の未来に責任を果たす脱炭素行動を開始するとともに、自治体DXの推進やリニア中央新幹線三重県駅につながる広域的な都市づくりにも新たな一歩を踏み出しました。

そして、迎えた令和5年は、長期化するコロナ禍や物価高騰などにより先行きが不透明な社会情勢の中で、適時的確な行政が求められる年となります。市民の皆さま、事業者の皆さまの支援に全力で取り組むと同時に、長期にわたり整備が進められてきた中勢バイパスの全線開通が間近となるほか、大門・丸之内地区の将来像の実現への取り組みや津駅周辺整備の検討が次なる段階に進むなど、新たな展開に向けて動き出す年となります。

コロナによって停滞を余儀なくされていた人の流れや経済などが新たな段階へと力強く進み、市民の皆さまが前向きに明るく過ごせるよう市役所一丸となって取り組んでまいります。

皆さまにとって、本年が笑顔と希望にあふれる1年となりますことを心よりお祈り申し上げ、新年のごあいさつといたします。

開かれた議会を目指して

津市議会

新年あけましておめでとうございます。

市民の皆さまにおかれましては、希望に満ちた新春をお迎えのことと心よりお慶び申し上げます。

新型コロナウイルス感染症については、いまだ終息の目途は立っていないものの感染症対策を行い、徐々にではありますがイベント等も開催されるようになりました。

津市においても、昨年はさまざまな感染症対策を行った上で、ウィズコロナ時代のプロローグとして津花火大会をはじめ、ビーチバレー イン 御殿場、津まつりなど、実に3年ぶりに開催となりました。

また、榊原温泉湯の瀬のリニューアルオープンや河芸こども園の開園、津西ふれあい会館の新築など、市民の皆さまが待ち望んでいらっしゃった事業も進められました。津市議会におきましては、市民生活を守り、地域経済を支援するために、また、今後のより良い地域社会の実現に向けて、市議会の権能を十分に発揮しながら安定的な議会運営に努め、必要な事業や施策を円滑に実施できるよう取り組んでまいります。

津市議会では、昨年1月に市議会議員選挙が実施され、34人の議員を選出していただきました。新しい体制におきましても、二元代表制の一翼を担う議会として、市民の皆さまの負託と信頼に応え、皆さまの意見を市政にしっかりと反映できるよう、全力で取り組んでまいります。

昨年は、本会議におきまして約220件の議案審議を行うとともに、310件を超える一般質問を行いました。本会議や委員会の内容については、広く市民の皆さまに知っていただけるようインターネットを活用し、ライブ映像や録画映像の配信を行っており、オンラインで視聴いただくことができます。スマートフォンでもご視聴いただけますので、ぜひ多くの皆さまにご覧いただければと思います。

また、昨年においては、開かれた議会を目指すべく、定例会ごとに発行しておりますつ市議会だよりのフルカラー化を行いレイアウトも変更し、より見やすい紙面づくりに努めました。今後も市議会の活動を分かりやすく、身近に感じていただけるよう、さまざまな改革に取り組んでまいります。

本年も市民の皆さまにとって、輝かしい一年となりますことを心よりお祈り申し上げ、新年のごあいさつといたします。

第50回 新春市長対談、若者のニーズに呼応する男女共同参画

1999年に男女共同参画社会基本法が施行され、四半世紀がたとうとしています。時代とともに家族や人生の在り方が変化する中で、固定的な性別役割分担意識にとらわれず、一人一人が自分らしく生きることが求められています。今回の市長対談では、国立女性教育会館理事長の萩原なつ子さんに、男女共同参画の視点を取り入れたまちづくりについてお話を伺いました。

対談メンバー

はぎわら なつこさんのプロフィール

1956年、山梨県生まれ。大学等において、ジェンダー、環境社会学、非営利活動論に関する研究などに従事し、立教大学を2022年3月に退職。高度な専門性を生かし内閣府をはじめとした政府諸会議にも参加したほか、宮城県環境生活部次長を務めた。2022年4月より独立行政法人国立女性教育会館理事長に就任。

対談内容

男女平等の取り組みは参加ではなく参画に意味がある

市長の発言。萩原さんはジェンダー研究や環境社会学、NPOといった分野に大変造詣が深い方です。今日は津市の男女共同参画施策や、男女が一緒にどのようにこの社会を作っていくのか、お話を伺いたいと思います。

実は萩原さんと私は、行政職として宮城県庁で一緒に勤務していた時期があります。

はぎわらさんの発言。ちょうど1999年に男女共同参画社会基本法が施行され、各県が条例を作っている頃でした。

市長の発言。当時、男女共同参画という言葉が出てきたこと自体が非常に新しいという感覚がありました。男女平等という概念が出てきて、それを推進するために男女が共同して参画しようという時代が到来したということですが、これは参加じゃなくて参画なのですね。

はぎわらさんの発言。おっしゃる通り参画という言葉に意味があります。参加はすでにあるものに対して入っていくイメージですが、参画は物事をゼロから一緒に企画し、責任を持って遂行していく覚悟のようなものが必要なんですね。だからこそ男女共同参画には、女性が意思決定過程に参画することが重視されています。

ジェンダー・ギャップ指数という世界各国の男女間の不均衡を示す指数があり、日本は146カ国中116位(2022年)と非常に低い。このギャップの背景にあるのがアンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)です。特に女性に対する半人前扱いや、男性上位の慣習などが根強く、結果として女性が活躍しづらい社会になってしまう。そこにメスを入れていくという感じです。

市長の発言。同じ頃、津市でも男女平等を先導してきた方が集まり、日本女性会議2000津が開催されました。当時のメンバーが津市の男女共同参画をリードしてきたという歴史があるのですが、そのメンバーとお話しする時にしばしば取り上げられるのがダイバーシティ(多様性)とインクルージョン(一体性)。個々の違いを受け入れ、認め合うということですが、それらはポジティブ・アクション(女性の積極採用や管理職登用など、男女間に生じている差を解消するための取り組み)なしには機能しないという議論になります。

はぎわらさんの発言。そうですね。多様な人たちが一緒に生活し、新しい価値を見いだそうという中で、そもそもギャップがあることを忘れがちなんですね。このギャップを埋めておかないとスタートラインが一緒にならないんです。

性別を問わずバイアスはありますが、家事・育児・介護というケア労働は女性が担うべきであるという意識もまだまだ根強く残っています。

市長の発言。ようやく最近、男性の育児休業が推進されるようになりました。育児も参加ではなく参画ですよね。

はぎわらさんの発言。男性の育児休業に対しては、それこそまだ社会や組織内にバイアスがあると思います。

男女共同参画白書2022に、もはや昭和ではない、という衝撃的な一文があります。家族や人生の在り方は変わってきているのに、仕組みや考えが昭和のままではいけないということが明文化された今、さまざまな面を見直す好機だと思います。

特にコロナ禍で働き方が見直され、在宅勤務で家事・育児が増えたなどの影響が起きていますが、だからこそ大きく変えるチャンスだと思っています。このタイミングで国立女性教育会館の理事長に就任したことで、その一端を担うことが私の役割だと感じています。

男女共同参画の視点が全ての人にとって住みよいまちをつくる

市長の発言。時代に合わせて男女の姿が変わりつつありますが、男女共同参画における地域の取り組み事例をご紹介いただけますか。

はぎわらさんの発言。2014年に開催された日本創生会議で全国896の消滅可能性都市が発表されました。全国の自治体の半数が消滅するというショッキングな内容で、東京23区では唯一、豊島区が指定されました。20代・30代の女性を指すエフワン世代がまちを去ると、子どもの自然増がなくなり自治体が消滅するとされているためです。

そこで豊島区は、としまエフワン会議を立ち上げ、20代・30代の女性で構成する、としま100人女子会での声をはじめ、女性の視点を取り入れた政策を作りました。

私は座長を務めたわけですが、素案を行政が作成するのではなく、会議のメンバーが自分事として考え、作成することにこだわりました。テーマの選定、政策提言も全て、としまエフワン会議のメンバーに描いてもらいました。

例えば公園整備や子育て支援のワンストップサービスを作るなど、11事業で事業費は8,800万円。男女共同参画は男性が、女性がというものではありません。障がい者にも子どもにも男女はいるし、全てに繋がることなので、女性が生きやすい社会は誰にとっても生きやすいですよというユニバーサルなまちづくりを提案しました。

市長の発言。人口減少問題とリンクすることが興味深いですね。少子高齢化が進むと、行政はどうしても高齢者や子育て政策に意識を向けますが、としまエフワン会議のように、20代・30代の若い人たちのニーズや希望に応えられているのかも考え、一緒に参画していこうというところまでいけば行政も政治も変わるのではないかと思います。

はぎわらさんの発言。豊島区での大きな変化は、行政内部の縦軸が横軸になったこと。例えば公園づくりも公園課だけの話ではなく、そこに子どもたちや高齢者、障がい者など、全ての関係部局が関わり、私たちの提案と合わせながら政策を作り上げました。

ジェンダーの視点は、今や豊島区の政策の中核を担っています。

市長の発言。男女共同参画が、全ての方が住みやすい社会、そして最終的には一人一人が尊重される社会づくりにつながる。そして人口減少の中でどのように津市も未来に向かって歩んでいくかということについて、非常に大きな視点をいただきました。ありがとうございました。

市長対談の全編がご覧いただけます


 

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