「広報津」第426号(音声読み上げ)表紙、第51回市長対談 市街地の浸水センサ、津市ごみ出しサポート収集事業

登録日:2023年11月1日


このページは、音声読み上げソフトウェアに対応するため、語句のなかで一部ひらがなを使用しています。


表紙から5ページ目まで

表紙

広報津 令和5年11月1日 第426号

伝統の踊りが紡ぐ津のまつり

津まつりのスタートを飾る伝統芸能の披露。その一つである唐人踊りが観客を魅了していました。(10月7日 藤方)

第51回市長対談 市街地の浸水センサ 流域治水の先進事例

気候変動の影響から、排水能力を超える豪雨により市街地が浸水する内水氾濫が全国的に深刻になっています。従来の治水対策に加え、流域治水という考え方の下で被害を抑える対策が求められています。今回の市長対談では中央大学研究開発機構の山田正教授と、国土交通省三重河川国道事務所の時岡利和所長に流域治水の現状や最新のアイデアを取り入れた浸水の把握についてお話を伺いました。

対談メンバー

国土交通省 三重河川国道事務所長 ときおか としかず

未来の変化を正確に予測し気候変動への対策を講じる。

中央大学 研究開発機構教授 やまだ ただし

流域治水は総合学問。各分野が集結し、災害に強い地域に。

津市長 まえば やすゆき

津市で日本初のプロジェクトが始動。地域を守る取り組みを進めていく。

対談内容

市長の発言。近年は気候変動により線状降水帯が発生するなど、浸水被害発生の頻度が高くなってきています。山田教授は学術的観点から災害の現場をご覧になって、「流域治水」を強く提言されていますよね。

やまださんの発言。この20年くらいの水害は内水で街が浸水した後、堤防が決壊してさらに氾濫がひどくなるというパターンが多いことに気付きました。従来型の河川管理者が行う治水だけでなく、地域レベルで洪水に対する守り方を考えていく流域治水が必要だと感じるようになりました。

市長の発言。河川の流域全体を見ていかなければいけないということですね。国土交通省での取り組みはいかがでしょうか。

ときおかさんの発言。堤防整備や河道改修などの従来の取り組みに加え、流域の関係者で協力しながら総合的かつ多層的な対策を行っていくことを流域治水と呼び、国の政策として進めています。

市長の発言。雲出川では、平成26年度に「河川整備計画」が作られました。下流部から堤防整備や河道掘削などが国土強靱化予算により飛躍的に進み、中流部整備に差し掛かったタイミングで流域治水関連法が改正されました。令和5年3月には雲出川中流部を流れる波瀬川、赤川などを「特定都市河川」に指定していただき、河川の整備を進めながら、流域全体で治水を図っていこうという考え方が進みつつあります。

ときおかさんの発言。雲出川中流部の特徴的なところとして、いわゆる無堤箇所と呼ばれる箇所があります。歴史的に、一旦洪水を田畑の方へ逃がして市街地を守るという先人の知恵という側面もあるのです。このような場所では、ハード整備だけでなく既存の遊水機能の確保と堤防整備などをバランスをとって組み合わせ、合理的に被害軽減を実現していくことが重要です。このような流域全体での取り組みを進めて行きたいと考えています。

市長の発言。そのためには、流域全体の住民の理解が必要なわけですね。

やまださんの発言。流域治水は利益と利益がぶつかり合う世界でもあります。田んぼダムがいいんじゃないかと はやり言葉のように言いますが、農家の方にとって貴重な生産の場が荒らされるわけです。それをどう過大な負担にならないように調整し合うか、調整役のような方が地域にいてくださらないとうまくいきません。

ときおかさんの発言。例えば計画遊水地は、地域の皆さまに相談し、一定の金額をお支払いをしながら、営農を続けていただくといった対策も考えています。

やまださんの発言。洪水からの守り方には3通りあると思います。堤防等で抑え込んでしまう考え方と、危険な場所には住まない考え方、そしてもう一つは居住地や生産拠点でない所に一時的に流す「いなす」という考え方です。これらのベストミックスをうまく探し出すのが地域の知恵かと思います。

市長の発言。内水の浸水については、津市では「津市雨水管理総合計画」を作成し、河川の事業だけでなく、雨水全体の総合管理を進めています。同時に内水浸水想定区域図と内水ハザードマップを作っていますが、こういう取り組みの中で課題となるのが浸水状況をリアルタイムで把握をしないといけないというところですね。

ときおかさんの発言。国土交通省では川の水位については全国的に水位計やカメラを細かく設置しリアルタイムで水位を把握できますが、住居や農地がある川の外側についてはリアルタイムで把握するのは難しく、そこがまさに課題となる部分です。

やまださんの発言。流域治水となると流域内でどこが氾濫していて、どこが氾濫していないかをきちんと把握しないといけません。そのために国土交通省はワンコイン浸水センサという安価な水位計を、市街地の中にたくさん設置して、その情報を集約し、市役所や関係者、市民が見えるようにしようと提案しました。そこで私は街の中にいくつもある自動販売機に浸水センサを付ければ、比較的安価にデータが手に入るのではないかと提案したんです。自動販売機なら、電源はあるし、商品補充の際に動作確認もできます。

市長の発言。その全国第1号として、津市役所の駐車場にワンコイン浸水センサの付いた自動販売機を設置いたしました。

やまださんの発言。企業の方に無償で浸水データを情報提供することで地域に貢献したいと言っていただき、非常にありがたい話だと思いました。

市長の発言。この浸水センサ付き自動販売機は、山田教授の研究アイデアに対応し大塚ウエルネスベンディング株式会社が技術開発をされ、またこれまで実証実験を進めていた国土交通省、そして一般財団法人河川情報センターの協力もあり、産学官連携で完成したのですね。

ときおかさんの発言。どこが浸水しているかをリアルタイムで把握するということは、地域の事業所や店舗などの方々にも、営業活動の観点でニーズがあります。浸水センサ付き自動販売機のような素晴らしいアイデアを地域で実現させていくことを行政として主導していくため、今回の浸水センサ運用の実証実験を国土交通省のプロジェクトとして実施することになったものです。

市長の発言。それでは最後に、これからの流域治水、あるいは気候変動への対応を進めていく上で、重要だとお考えの点をお聞かせいただけますか。

やまださんの発言。私は50年以上、洪水や川の流れを研究してきました。流域治水とは歴史や地質地形学、気象学、水理学、河川工学、都市計画、心理学などの総合学問だと感じています。

これから勉強する方には、どこからでもいいので、自分が好きな分野から入ってきて欲しいと思います。そういう人の数が多ければ多いほど災害に強い地域になると思います。

ときおかさんの発言。今後の気候変動の影響に対応していくために、未来がどう変わるか正確に予測をすることが非常に重要だと考えています。国土交通省では、研究者の方々と協力しながら、数字で予測をされた将来の懸念に対して、これまでの流域治水プロジェクトを少しアップグレードし、さらなる対策を進めていきます。

市長の発言。これからも市民の生活を守る新しい取り組みを一つ一つ、前向きに進めてまいります。本日は誠にありがとうございました。

市長対談の全編がご覧いただけます

令和6年4月 訪問ごみ収集を開始!津市ごみ出しサポート収集事業

津市のごみ出しは、市民に負担がかからないようにごみ袋の有料化をせず、無料でごみ一時集積所に出すステーション方式を採用しています。

ステーション方式でのごみ出しが困難な身体の不自由な人等に対して、戸別収集ができないかなど多数の意見が寄せられているため、津市では来年4月から対象家庭を訪問して戸別収集する「津市ごみ出しサポート収集事業」を開始します。現在申し込みを受け付けていますので、ぜひご利用ください。

1、これまでのごみ出し支援 大型家具等ごみ出し支援事業

現在、津市では75歳以上の人や身体の不自由な人のみで構成される世帯を対象に、市職員が自宅を訪問し、家の中のタンスやマットレスなどを収集する「大型家具等ごみ出し支援事業」を実施しています。所有者と相談の上、その場で大型家具を解体するなど、個々の事情にも柔軟に対応しています。

事業の周知も進み、近年、申し込みが増加傾向にあります。

収集件数の推移

「大型家具等ごみ出し支援事業」は、市民から喜びの声と高いニーズがあるが、まだごみ出しに困っている人の声がある。

喜びの市民の声
困っている市民の声
令和2年12月「ごみ出しに関する市民アンケート調査」より

日常のごみ出しが困難な高齢者等に対してごみの戸別収集サービスは必要か

8割以上が戸別収集が必要だと回答

2、新たなごみ出し支援 津市ごみ出しサポート収集事業

来年4月から、ごみを出すことが困難な人を対象に、これまでの大型家具等に加え、燃やせるごみなどの日常的に発生するごみも戸別収集を行います。

対象となる世帯は、申請すると無料でサービスを受けられます。ぜひご利用ください。

ごみ収集の流れ

1、ポリバケツ等を2個用意する

自宅敷地内にポリバケツ等のふた付き容器を2個用意していただき「燃やせるごみ」「燃やせるごみ以外」の専用ステッカーを貼る。

2、収集日までにごみを出す

収集日までにポリバケツ内にごみを入れる。

ごみは透明または半透明の袋に入れてください。

3、津市がごみを収集する

津市職員が決まった日に各世帯を回り、ごみを収集する。

支援対象・申請方法

対象

要件1から3までの全てに当てはまる人

要件1から3までの全てに当てはまる人は支援の対象者です。

以下の書類をそろえ、環境政策課または各総合支所地域振興課に申請してください。利用決定通知書と回収日のお知らせが届きます。

申請に必要な書類

書類1から書類4までが必要です。

書類1 申請書、書類2 承諾書

申請書・承諾書は環境政策課または各総合支所で配布。

津市ホームページからもダウンロードできます。

書類3 介護認定・障害認定の内容が分かる書類

介護保険被保険者証の写しまたは身体障害者手帳の写し

書類4 ホームヘルパーの利用が分かる書類

介護保険利用契約書の写しまたは障害福祉サービス受給者証の写し

申し込み

申請書・承諾書に必要事項を記入し、必要書類を添えて環境政策課または各総合支所地域振興課へ。

問い合わせ

環境政策課 電話番号229-3258 ファクス229-3354


 

次のページへ

第426号の目次へ


このページに関するお問い合わせ先
政策財務部 広報課
電話番号:059-229-3111
ファクス:059-229-3339
メールアドレス:229-3111@city.tsu.lg.jp