令和8年2月 教育方針

ページ番号1002832  更新日 2026年2月27日

 令和8年度に重点的に取り組む教育施策の方針について、御説明申し上げます。
 私たちがめざす「誰一人取り残さない教育」を実現するためには、多様な一人一人の子どもたちが持てる力を最大限に発揮できるような学びの環境を保障することが必要です。その重要な取組の一つが授業改善であり、「津市内のどの学校も取り残さない」よう、全ての学校に積極的に関わり、「教師が教える」から「子どもが主体的に学ぶ」授業への転換を図っています。「津市架け橋プログラム」及び「授業改善」を進めるためには、管理職を始めとする教員の資質向上を図りながら、学校間の取組状況の差を埋めていくことが令和8年度の大きな課題です。
 また、ICTの活用や地域との連携強化など、様々なアプローチも必要です。そのため、津市教育振興ビジョン後期計画の重点施策である「津市GIGAスクール構想の実現」、「学校と地域が一体となって進める教育」を更に推進していきます。とりわけ、地域コーディネーターや社会教育委員等、様々な御意見を伺いながら、子どもと社会をつなぎ、子どもが地域貢献できていることを実感できるような取組を展開する学校、地域を増やすべく尽力いたします。
 不登校児童生徒については、全国的に増加傾向にある中、本市の中学校、義務教育学校(後期課程)の不登校生徒数は減少傾向にあり、校内教育支援センター等が学びを保障する環境となっています。このように、多様な子どもたち一人一人の学びが保障されるよう、関係機関等との連携の下、適切な支援につなげてまいります。
 さらに、これまで保護者や地域の皆様と協議・検討を進めてきた白山地域の小学校の統合については、小学校5校を1校に統合することが決定し、令和11年4月の開校に向けて具体的に動き始めます。また、整備手法などの検討を行ってきた小中学校屋内運動場への空調設備の設置を早期に取り掛かり、子どもたちにとって安全・安心で快適な教育環境を確保してまいります。
 令和8年度も、教育委員会は、総合教育会議等の議論を踏まえながら、学校教育及び社会教育の様々な教育課題に対し、前向きかつ着実にその役割を果たしてまいります。

 「乳幼児期から小学校への連続した学び」について、令和7年度は、全ての小学校区で「津市架け橋プログラム」の取組をスタートさせて2年目となり、接続期の取組を生活科の授業改善につなげるという方向性を示したものの、具体的な取組を推し進めることができませんでした。令和8年度は、幼児教育において大切にしてきた子ども主体、体験重視といった視点が、全ての小学校の生活科を中心とした授業づくりに生かされるよう努めてまいります。また、これらの取組を幼小接続にとどめることなく、小学校以降の授業改善につなげ、系統的・連続的な学びを保障することで小中一貫教育のより一層の充実を図ります。
 「学校と地域が一体となって進める教育」については、学校運営協議会と地域学校協働本部が連携・協働し、子どもが、主体的に参画する地域学校協働活動の充実を図ります。そのために、各学校では、総合的な学習の時間等の探究的な学びにおいて、当事者意識を持って、多様な視点から物事を考え、自分の意見を持って対話ができる、そのような力を子どもたちに育みます。また、地域コーディネーターや公民館等を中心とする協働体制の充実を図りつつ、小学校から中学校へと願いや思い、そして学びをつないでいくことを大切に、学校と地域が相互に支え合い、社会の担い手として積極的に参画、貢献しようとする子どもを中学校区で育む体制を構築してまいります。
 次期学習指導要領に向けた基本的な考え方として、変化が激しく予測困難な社会の中で、子どもたちが、学びを通じて自分の人生を舵取りし、多様な他者と共に生きる力を育むことの必要性が示されました。本市においては、多様な子どもたち一人一人が主人公となる授業づくりを進め、「自己調整する力」と「情報活用能力」の育成に努めています。このような中、「津市GIGAスクール構想の実現」において、積極的な活用を進めてきた1人1台タブレット端末は、子どもたちを誰一人取り残さず、一人一人の「好き」(興味・関心)を育み、「得意」を伸ばしながら、それらを原動力とした取組を展開させていくために重要な役割を担っております。
 令和8年度に、タブレット端末を一斉更新し、デジタル教材による授業と家庭学習の連動をより一層充実させ、子どもたちが、自己表現する手段としてICT機器等を効果的に活用するなど、個別最適な学びと協働的な学びを一体的に充実させ、多様な子どもたちの「深い学び」を確かなものにすることができるよう、引き続き授業改善に力を注いでいきます。そのためには、各学校の授業改善の実態をしっかりと把握し、必要な学校に適切な支援が届くよう、指導主事派遣による校内研修等の実施、ヘルプデスクの活用促進、ICTサポーターによる授業支援等、どの学校も取り残さない授業改善の実現をめざしてまいります。
 特別支援教育については、インクルーシブ教育システムを推進し、誰もがその能力を発揮し、互いを認め合い、誇りを持って生きることができるよう、多様な学びの場における適切な指導と支援のより一層の充実に努めます。また、全ての教員が特別支援教育の視点を持って対応することができるよう、ユニバーサルデザインの視点をいかした授業づくりやICTを効果的に活用した好事例を「津市版特別支援教育ハンドブック(別冊)」として発信するなど、一人一人の学びが保障できる環境づくりに努めるとともに、個別の指導計画及び個別の教育支援計画を作成・活用し、必要に応じて通級指導教室や幼児ことばの教室での支援を行うなど、適切な対応を図りつつ、途切れのない支援に努めます。さらに、学校サポーターや特別支援教育支援員と担任等とが連携する中で、子どもの実態に基づく指導や支援の在り方等について検証するとともに、三重大学及び県立特別支援学校等の関係機関と連携するなど、専門性が適切な支援につながる体制を整えていきます。そのため、指導者育成研修等により、子どもの教育的ニーズに適切な指導や支援を行うことができるリーダー的な人材の育成を強化してまいります。
 人権教育については、子どもたち一人一人の人権意識を高め、園や学校が、全ての子どもたちにとって安心して学べる場となるよう、人権教育カリキュラムに基づいた取組を進めていきます。外国につながる児童生徒への教育については、初期日本語教室「きずな」と「移動きずな」の更なる充実を図るとともに、初期の日本語学習を終えた子どもたちが、在籍クラスにおいて効果的に学ぶことができる指導方法について、関係機関とも連携を図りながら引き続き実践研究を進めていきます。また、就学前日本語教室「つむぎ」を引き続き実施し、就学前の外国につながる幼児が、入学した小学校で戸惑うことなく、小学校生活に早期に適応し、保護者の不安が少しでも軽減されるよう、取組のより一層の充実を図ります。さらに、高校進学ガイダンスや大学見学ツアーを通して、進学への関心を高め、将来への選択肢につながるよう取組を推進してまいります。
 不登校児童生徒は、年々増加傾向にあり、その要因・背景は、より複雑化・多様化しています。このような中、学校に行くことはできても、在籍学級に入りにくい児童生徒にとっては、校内教育支援センターが学びの環境の保障となっており、一定の成果がうかがえることから、今後も津市小中学校等非常勤講師等の継続的な配置に努めるとともに、ICTを効果的に活用した取組等、好事例を情報共有するなど、児童生徒が将来に希望を持ち、安心して学ぶことができるよう組織的な支援の一層の充実を図ってまいります。また、児童生徒が自らの進路を主体的に捉え、自立することをめざしていけるよう、教育支援センター(ほほえみ教室及びふれあい教室)を中心に、三重大学・津市子ども教育センターを始めとする関係機関等との連携を密にするとともに、外出が難しい場合は、アウトリーチ型の支援を行うなど、状況に応じたきめ細かな支援を一層進めていきます。
 いじめ等の問題行動への対応については、いじめ防止対策推進法、津市いじめ防止基本方針、生徒指導提要等に基づき、いじめを積極的に認知し、見逃さないという姿勢を教職員で共有するとともに、全ての教育活動を通じて、未然防止、早期発見・対応に向けての指導及び支援を行い、いじめを生まない環境づくりに努めます。また、学校だけでは解決が困難な事案については、警察や弁護士会等と連携し、より良い方向に導いていけるよう支援してまいります。
 さらに、虐待、ヤングケアラー等への対応については、児童相談所や福祉部局等の関係機関と連携するとともに、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等の多様な専門的職種と連携したチームによる組織的な支援のより一層の充実を図ります。一方、個々のセルフケアを高めることを目的としたオンラインメンタルヘルスケアシステム「KOKOROBO-Junior」等を関係機関との連携の下、継続的に活用し、児童生徒が自分らしく生活できる意欲的なこころの状態(メンタルウェルビーイング)を育むことができるよう取組を進めてまいります。
 部活動については、認定地域クラブ活動等への地域展開等を見据え、令和8年夏以降、休日の運動部活動について、期限を定め、活動人数等に応じて種目ごとに拠点を置き、生徒が集まって活動する拠点型部活動とします。平日の部活動及び拠点型部活動については、部活動指導員や外部指導者を継続配置することで、子どもたちが専門的な指導を受けられる環境を維持していきます。また、拠点型部活動を実施しつつ、関係部局や地域のスポーツ・文化芸術団体等と連携を図りながら、部活動地域展開コーディネーターを配置し、地域の実情に応じて、認定地域クラブ活動の立ち上げに向けて取り組み、子どもたちが地域の中で、スポーツや文化芸術活動を行う機会が確保される環境づくりに努めてまいります。
 これらの取組を進めるに当たっては、教職員の負担軽減を図りつつ、子どもの成長に関わることができる時間を確保するため、統合型校務支援システムの導入等による業務のICT化を始め、スクール・サポート・スタッフ等の外部人材の支援を行ってまいりました。さらには、小学校等における短縮日課の期間設定や、中学校等における定期テスト最終日の部活動休止など、各校の実態に応じた取組により教職員一人当たりの時間外在校時間は減少傾向にあるため、今後も継続して実施してまいります。
 教員不足の課題については、教員という職業が選択されるよう、引き続き近隣の教員養成系大学と連携し、学校現場で教員をサポートする体験をしたり、学生と教育委員会職員が語り合ったりする取組を充実させるなど、子どもたちを育むことの尊さや教員という仕事の魅力を感じることができる機会を積極的に設け、粘り強く取組を進めてまいります。

 小中学校の適正規模・適正配置につきましては、児童生徒の教育条件の改善の観点を中心に据え、子どもや保護者、地域等の意見を尊重しながら進めてまいります。
 白山地域については、現在の大三小学校を大規模改造し、新小学校の校舎として整備するための実施設計を進めており、令和9年度から10年度の2年間をかけて、校舎、屋内運動場及びプールの改修工事、また、給食室の一部増築を行い、校舎改修期間中は、仮設校舎を設置します。また、スクールバスのルート設定等の通学対策など、多くの検討課題について、保護者、地域住民及び学校関係者とともに、新たな学校の開校に向け、一丸となって取り組んでいきます。一方、学校名、校歌、校章、校旗の決定、学校行事、教育課程、生活のきまり等の学校運営に関することについては、白山地域の子どもたちの思いや願いを可能な限り反映させていきたいと考えております。

 学校施設は将来を担う子どもたちの学習・生活の場です。
 近年の気温上昇に伴い、児童生徒の熱中症対策は喫緊の課題と捉えており、かねてより検討してきた学校屋内運動場への空調設備については、令和9年夏頃までに全校配置をめざします。
 また、子どもたちが安全で快適に学ぶための施設整備として、バリアフリーへの対応等、長寿命化改修事業に継続的に取り組みます。令和8年度は、南立誠小学校と立成小学校の2校の工事を実施するとともに、一身田小学校と芸濃小学校の2校の実施設計を行います。さらに、ボートレース事業の収益金の一部を積み立てた学校施設整備基金を活用し、防水改修工事、屋内運動場床改修工事、放送設備及び給水設備改修工事に係る実施設計を行うなど、引き続き子どもたちの安全で快適な学習環境の充実を図ってまいります。

 学校給食については、令和8年4月から公立小学校において「学校給食費の抜本的な負担軽減(いわゆる給食費の無償化)」による子育て支援に取り組むとともに、食材費の高騰による給食費の値上げを保護者に求めることのないよう、国の物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金を活用した支援を継続することで安定的な給食を実施し、学校給食を「生きた教材」として食育の推進を図ってまいります。
 また、これまで各学校で担ってきた給食会計を、同年9月から公会計に移行し、給食費の徴収管理や食材の支払業務等を教育委員会において一元管理することで、教職員の負担軽減につなげていきます。

 放課後児童クラブについては、引き続き運営に係る保護者等の負担の軽減や支援員確保のための支援を行うなど、クラブの充実に向けた取組を進めていきます。また、民設民営クラブの開設状況等も考慮しながら、狭あい化している施設の整備を計画的に進めていくなど、令和8年度は、安濃放課後児童クラブの施設を同小学校校舎内へ移転・改修整備し、児童の放課後等の安全・安心な居場所を確保してまいります。

 公民館については、幅広い世代の学習ニーズに応えていけるよう地域社会の担い手や自主講座等の育成支援に取り組むとともに、地域と中学生をつなぐ役割として、多様な世代と交流できる場の提供や地域活動への参加を促すことにより、子どもたちの地域貢献への意欲を高め、社会性を育む活動を支援していきます。
 また、南郊公民館等複合施設の整備工事を推進するとともに、施設修繕等による適正な維持管理に努め、利用者が安全で快適に学べる環境を整えてまいります。

 図書館については、居場所として小型テントを児童コーナーに設置したり、書架のない場所でも過ごせるソファーを置いたりするなど、居心地のよい空間となるよう、引き続き努めていくとともに、乳幼児から大人まで様々な年代に読書の大切さや魅力を伝えていきます。また、AIなど新しい技術の進展により様々な情報があふれる中で、読書活動を通して子どもたちの考える力を培う役割を果たせるよう、学校との連携を密にしてまいります。
 令和8年10月から電子図書サービスを開始します。まずは、児童書について、いつでもどこでも本が読めるサービスを開始し、新たな読書機会の確保を図り、更なる利便性の向上を図ってまいります。

 文化財については、県指定史跡である津城跡内の旧社会福祉センターが解体され、令和10年度にかけて地域未来交付金を活用したお城公園でのこどもの遊び場づくり事業を推進するとともに、中心市街地に位置する貴重な歴史的資産として史跡の保全に努めていきます。また、指定文化財や登録文化財として保護を進めるとともに、その修理や伝統文化継承への支援を行います。地域の歴史と文化に触れる場として、市内の資料館や市の公共施設を活用した展示公開を行うとともに、収蔵する歴史民俗資料の活用等の取組を通じて、地域の皆様が身近に郷土の歴史を知っていただくための情報提供に努めてまいります。

 以上、令和8年度の教育方針について申し述べました。
 生活環境や社会環境が、多様化、複雑化する中で、子どもたち一人一人が輝くための力を身に付けることができるよう「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実を図り、全ての子どもたちの主体的な学びを保障するとともに、学校の指導体制や運営体制を強化し教育の質の向上を図るなど、今後も、学校現場や保護者、地域の皆様のお声をしっかりとお聞きし、教育行政を着実に推進してまいります。
 市民の皆様、議員の皆様の御支援と御協力を賜りますよう、心からお願い申し上げます。

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