施政方針(令和8年2月/令和8年第1回津市議会定例会)

ページ番号1012309  更新日 2026年2月27日


令和8年第1回市議会定例会の開催に当たり、令和8年度の市政運営に臨む私の方針を申し述べ、皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

津市は、本年1月1日に、合併20周年を迎えました。
この20年は、異なる地域が一つの市として歩み始め、地域の課題に向き合いながら、市民の皆様との信頼関係を育み、まちの礎を築き上げた期間でした。
合併後のまちづくりを支える財源となった合併特例事業債710億円を最大限まで活用し、大規模プロジェクトである産業・スポーツセンター、一般廃棄物最終処分場、斎場いつくしみの杜の整備を始め、学校・保育関連では小中学校の大規模改修・長寿命化改修や、中央学校給食センター、津みどりの森こども園などの認定こども園や放課後児童クラブ、コミュニティ施設では津南防災コミュニティセンターや新町会館、インフラでは上浜元町線や半田久居線・雲出野田線といった道路、防災・消防施設では防災物流施設や北消防署、さらに、文化・芸術の拠点である久居アルスプラザや、観光交流施設の道の駅津かわげなど、市民の皆様の暮らしや地域経済を支える多くの整備事業に取り組んでまいりました。
そして、合併特例事業債が今年度末で発行期限を迎え、合併時に託された事業がおおむね形となった今、津市は次の時代に続く扉を開き、新たなまちづくりへと歩み始めます。
津市と同じく平成17年度に生まれた二十歳の若者たちは、津市の未来をどのように思い描いているのでしょうか。今年1月に開催された「令和8年津市二十歳のつどい」において実行委員を務めてくださった二十歳の皆様に、「20年後、どんな津市になってほしいか」を聞いたところ、「こどもが元気に過ごせるまち」、「にぎやかなまち」、「にぎやかな駅と綺麗な街並みがあるまち」、「みんなの“こうなったらいいな”が反映されるまち」といった声が挙がりました。
津市に生まれ育ち、自由な発想で未来を語る若者たちが望む、20年先の津市の姿。そのイメージは、今の津市が目指している方向と大いに重なるものです。
津市を愛する若者、そして多くの市民の皆様の想いを形にして、希望あふれるまちを築いてまいります。
その第一歩を刻む令和8年度の津市政の主な施策を、3つのテーマで申し上げます。

1つ目は、「こどもの未来」です。
津市は、こどもたちを育てるための条件整備、言わば子育てをする側を支援する給付型の施策を充実させてきています。こどもに係る医療費負担を軽減するため、中学生までのこどもの医療費を全額窓口無料化し、今年の4月には、その対象を高校生年代まで拡大します。さらに、小学校の学校給食費の抜本的な負担軽減、いわゆる給食無償化も実施します。
津市独自の支援策として取り組んできた妊産婦医療費の窓口無料化に加え、出産後1年未満の母子の心身のケアや育児支援を行う「産後ケア」のサービスも拡充し、令和8年度は、平日昼間だけでなく24時間365日相談やサービス利用ができるようにし、兄姉等も受け入れられるようにします。
また、令和7年度からスタートさせた「産前・子育て応援ヘルパー派遣事業」は、妊娠・出産・子育てに対して不安や負担を抱えるご家庭にヘルパーが訪問し、家事や育児等を支援するもので、津市では対象とする児童の年齢を三重県内で最も幅広く就学前までとし、全ての妊産婦・子育て家庭を対象とするとともに、多胎児家庭については利用時間を2倍にして手厚く支援しています。令和8年1月末現在で40のご家庭が、主に食事の準備や片付け、部屋の掃除、洗濯、こどもの着替え・沐浴などの支援を利用しており、「妊娠中体調がすぐれない時に、料理を作ってもらえて助かった」、「こどもと遊んでもらっている間に家事ができるので助かっている。今後も続けて利用したい」といったお声が届いています。
このご家庭に派遣する制度に対し、こどもを預けたいご家庭を支援する仕組みが「こども誰でも通園制度」です。この制度は、保護者の就労状況などにかかわらず、全てのこどもが必要なときに保育・教育の場を利用できる、これまでにない仕組みです。この制度により、保育所を利用できなかったご家庭でも0歳6か月から3歳未満のこどもを保育所に預けることができるようになり、月10時間の上限の中で、時間単位で「少しだけ預ける」という柔軟な利用も可能となりました。津市では、今年4月からの全国一斉スタートに先立ち、昨年10月から香良洲浜っ子幼児園において試行的に実施しています。12月末までの3か月間で延べ162人の利用があり、その8割超が複数回利用、中には12回利用してくださった方もみえました。利用者アンケートでは「こどもがたくさん遊べて良かった」、「用事が片付き助かった」、「親もリフレッシュできて良かった」といったお声を頂いており、この結果を踏まえて令和8年度から、香良洲浜っ子幼児園に加えて私立の保育園3園と幼稚園2園を加えた計6園へと実施施設を拡大し、本格的に展開してまいります。
子育て家庭への提供型支援をこのように充実させてきた今、次なるステップとして展開していくのは、こどもを主語にした「こどもまんなか社会」の実現、つまり、こどもが健やかに育つ環境づくりです。
まず、こどもが元気いっぱいに遊べる大きな公園づくりを進めます。その財源として活用するのが、国の「第2世代交付金」を前身とする「地域未来交付金」です。令和7年度に採択された6つの事業の総事業費、約48億円のうち3分の1強にあたる約18億円を、4つの新しい公園づくりに充て、今年から一気に事業を進めます。
令和8年度は、久居中央スポーツ公園とお城公園で、昨年立ち上げた「こどもまんなか社会実現会議」を通じてこどもや若者の意見を聴きながらそれぞれ作り上げた整備イメージをもとに、実施設計を行います。安濃中央総合公園に関しては、トイレの洋式化と、多目的トイレへのベビーチェア設置に取り組むとともに、これまで農地区間の工事を進めてきた市道内多清水ヶ丘線の狭あい部分約410mの拡幅工事を行い、公園へのアクセス道路として整備します。津偕楽公園では、照明設備のLED化工事と、蒸気機関車のリニューアルに向けた実施設計等を行います。
教育の分野でも、こどもが楽しく心地よく学校生活を送ることができる環境づくりを進めます。
まず、中学校の部活動です。平日は従来どおり「学校中心」で行い、休日については、地域ごとに置く拠点に生徒が集まって活動する「拠点型」へと今年の夏から移行します。こどもたちが課外活動を通じて自己実現できるような新しい形を、多くの皆様に関わっていただきながら作り上げてまいります。
次に、白山地域の小学校5校を統合する新しい学校づくりです。新校舎の場所を大三小学校と定め、地域全体を一つのフィールドとする新しい学校を令和11年度に開校することを昨年決定し、今年から準備が本稼働してまいります。これまでは、「こどもの数が減ってきたから学校を適正規模にしていこう」、「教育効果を最適化するべきだ」、あるいは「自分たちの地域のこどもたちにより良い学校教育を受けさせたい」といった、大人視点で話し合いを進めてきました。ここから大切なことは、こども視点で考えることです。地域のこどもたちが楽しく充実した小学校生活を送るための舞台として、新しい形の学校づくりを目指します。
教育分野における事業の詳細については教育長の教育方針に委ねます。

2つ目は、「都市の未来」です。
津市の都市環境づくりも、新たなフェーズに進みます。
津駅は、昭和40年代後半に今の姿になってから約50年が経ちました。長らく大きな変化のなかった津駅周辺が、県都津市の玄関口にふさわしい拠点へと動き出します。国のバスタ構想の調査が進む中、西口駅前広場の姿を変える工事を始めます。昨年多くの市民の皆様から頂いたご意見を踏まえ、駅を利用する方々がより安全に利用しやすい広場になるよう整備します。
東口は、バスタの上部空間をどう活用するか、官民による具体的な検討を更に進めます。駅前がどういう姿になれば良いのか、どういう姿になり得るのか。販売店や飲食店、オフィスやホテル等、関係する皆様にご意見を伺いながら、交通結節点として、にぎわい創出を目指します。
大門・丸之内地区では、昨年末に、本市が独自に構築した「津市大門・丸之内土地・建物活用意向登録システム」による1件目のマッチングが生まれました。この事例は、新しい大門・丸之内地区が動き出す、始まりの第一歩です。土地の使い方を変え、新しい価値を生み出し、地区に対する意識が変化することで、まち全体の姿を変えていくことになります。
新しい津駅の象徴がバスタであるとすれば、大門・丸之内地区が新しい姿になっていくことの象徴は、道路です。道路が変わると、周辺の土地利用も変わります。大門通り、立町通りの再整備は喫緊の課題です。既に一部で下水道工事が進んでおり、それに続く道路の再整備について、地域の皆様と協議しながら検討を始めます。
また今年は、NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」に、藤堂高虎公が主要な人物として登場します。さらに、11月には、「津市合併20周年記念 第14回高虎サミットin津」を開催します。高虎公は、この地に城と城下町を築き、400年の時を超えて続く津のまちの原点となる都市基盤を整えた戦国の名将です。本年、高虎公への関心が高まる好機を生かし、高虎公の功績とゆかりの歴史資源をPRして、中心市街地の活気づくりや交流人口の拡大につなげてまいります。
文化・芸術は、私たちの生活に潤いをもたらし、市民の誇りの醸成や、地域全体の活気にもつながっていくものです。市内の8つの文化ホール施設の機能を再生し、その効果的な活用を地域住民の皆さんと一緒に考えていくプロジェクトを今年度から始動させました。まず令和8年度は、芸濃及び美里の文化センターにおいて、舞台の照明設備のLED化や音響設備のデジタル化を行います。
津市が誇る文化人、川喜田半泥子ゆかりの地である千歳山を、岩田池公園と合わせて魅力発信していく事業も進めます。令和8年度は、千歳山へのアプローチを改善するため、岩田池公園の園路の整備と市道垂水半田線の改良・舗装を行います。
心豊かな生活に資するものとして、快適なスポーツ環境も欠かせません。海浜公園内陸上競技場は、陸上競技会や記録会が開催可能な第3種公認陸上競技場とするため、令和8年度は、芝生観覧席の撤去やナイター照明の建柱工事等を行います。また、河芸体育館の長寿命化のための大規模改修等や、その他スポーツ施設の修繕等を進めるため、「津市スポーツ振興基金」を3億円積み増します。
道路ネットワークについても、未来の都市環境の片鱗が徐々に姿を現し始めています。中勢バイパスは約40年の工事期間を経て令和5年度に全線開通し、次の段階として、大里窪田町出口交差点の立体交差化、長岡宮ノ前の交差点改良が進んでいます。市道では、昨年末に、岩田川河口に架かる津興橋の新橋が開通しました。今年は新相川橋が新しくなります。県道では、南北軸を強化する河芸町島崎町線の整備も着実に進められており、長らく夢物語として語られてきた「第3の江戸橋」、志登茂川河口架橋は昨年11月に都市計画決定され、いよいよ今年度内に事業化される見込みとなりました。令和8年度は、橋梁の詳細設計が始まります。橋の南詰と桜橋三丁目交差点(旧イオン津前交差点)をつなぐ津海岸御殿場線は、用地買収と工作物移転補償が進められます。
三重県唯一の、中部国際空港へアクセスできる海路として重要な役割を持つ津航路は、開港から20年間にわたり多くの方に利用され、昨年は累計利用者数が500万人を突破しました。そして今、高速船フェニックスの引退に伴い、新造船の検討を始めました。今後の津航路をどうしていくか。今年は、津航路をより良い形で未来へつなげていくための新しいビジョンを描く年になります。
地域公共交通については、これまでは全ての地域で定時定路線型を基本としてきましたが、令和8年度からは、各地域のご意見を踏まえ、「定時定路線型」、「リクエスト型」、「定時定路線型とリクエスト型との組合せ」という3つの形態で運行を始めます。
交通は、まちの活力を支える暮らしの土台です。買い物も通院も、地域の活動も、人と人がつながる時間も、移動があってこそ成り立ちます。「必要なときに、必要な場所へ移動できる」、全ての世代にやさしい交通手段を構築し、津市の交通ネットワークを次の時代にふさわしい形にしてまいります。

そして3つ目は、「安心の未来」です。
安心なくして豊かで心地よい暮らしは実現しません。自然災害の不安から市民を守る、より高いレベルの安心を確保するため、新しい取組を始めます。
防災面では、昨年3月に海抜10mの香良洲高台防災公園が完成し、津波災害時の一時避難場所として、地域住民の新たなよりどころとなりました。さらに、今年度内に災害用トイレトレーラーの運用を開始する予定で、津市内での活躍にとどまらず全国にも出かけ、そして全国から災害用トイレトレーラーが応援に来ていただく環境が整います。
避難所については、これまでは施設数や収容人数の確保などに注力してきました。これからは、避難されてきた方々が、よりストレスの少ない避難生活を送ることができる環境づくりに取り組みます。避難所としても活用できる小中学校屋内運動場に空調設備を設置し、折り畳みベッドやワンタッチパーティション、女性用プライベートルームなどを追加配備して避難生活の質を向上させるとともに、1人当たり最低3.5平方メートルの居住スペースの確保を図り、誰もが安心して避難できる環境を整えてまいります。
消防面では、津市・鈴鹿市・亀山市の3市で消防通信指令業務を共同運用する「三重中央消防指令センター」を、今年の4月から本格的に稼働させます。連携の検討を開始してから約8年、令和6年度からは施設の整備工事と併行して3市で研修や訓練を重ねるなど綿密な準備を行い、満を持しての新体制スタートとなります。
内水浸水対策としては、半田川田・藤方第二排水区の雨水処理施設整備が令和8年度に完成します。次は、大新田排水区の雨水貯留施設の建設のため用地買収を進めます。また、雲出川流域については、国による下流部の整備がおおむね終わり、これから津市は、雲出川中流部と波瀬川に挟まれた区域の内水防除のため、波瀬川第六排水区のポンプ場の建設に着手します。
食の安心を支える農業においては、昨年、地域農業の10年後の姿を描く「地域計画」の策定が、目標の100地区全てで完了しました。この地域計画を実現するため、津市独自の営農継続支援事業を引き続き実施することに加え、新たに農業機械等の修繕費用に対する補助を行い、小規模農業者の経営支援及び離農抑制を図ります。
一般廃棄物最終処分場では、リサイクルセンターから排出される不燃残渣(さ)を埋立処分しており、その期間を令和12年度までとする協定を下之川自治会連合会と結んでおりましたが、下之川の皆様のご理解を得まして、埋立期間を令和38年度まで延長していただく覚書を昨年12月に締結いたしました。引き続き、安全で安心な埋立処分を行ってまいります。
高齢者福祉の面では、2025年に向けて進めてきた「地域包括ケアシステム」が整い、介護保険料については抑制に努めてきた結果、合併当初は県内25保険者の中で最も高かった保険料が現在では安い方から9番目となり、相対的に軽い負担水準を実現しました。
今後も、介護保険料をできる限り抑えながら、医療・介護・福祉・生活支援の連携を更に深めるとともに、住民主体の活動を通じた高齢者の社会参加や介護予防の取組の更なる充実など、地域の実情に即した支援体制の質的向上を図り、高齢者の皆様が住み慣れた地域で安心して暮らせる地域づくりを推進してまいります。

以上、大きく3つのテーマに沿って、令和8年度当初予算に計上した事業等について申し述べました。
これらに加え、物価高騰対策を始め市民の暮らしや地域を支える他の施策、市政に係る喫緊の諸課題についても鋭意、取り組んでまいります。各分野の施策の詳細は、令和8年度当初予算の提案理由説明においてご説明申し上げることといたします。

令和8年度、今ここから目指すのは、津市と同じく二十歳を迎えた若者たちが思い描く未来のまちの姿です。
こどもが元気に育ち、にぎやかで、美しく、みんなの“こうなったらいいな”が叶うまち。ここに描く「こどもの未来」、「都市の未来」、「安心の未来」を実現し、市民の皆様が希望をもって暮らし続けていける津市を、市役所一丸となって創造してまいります。
市民の皆様、議員の皆様の、温かいご支援とご協力をお願い申し上げます。

令和8年2月

津市長 前葉 泰幸


 

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