人権だより 平成23年3月16日発行(音声読み上げ) 人権だより

登録日:2016年2月25日

このページは、音声読み上げソフトウェアに対応するため、語句のなかで一部ひらがなを使用しています。

 1ページ目

人権だより

 市では、さまざまな人権に関する条例や方針を定めてきました。しかしそれだけでは、一人一人の人権が尊重される明るく住みよいまちを実現するためにはまだまだ十分ではありませんでした。そのため、この方針などに基づいて、津市に住み、学び、働く皆さんと行政が連携を図り、互いに協力しながら、具体的にどのような取り組みを進めていくかが課題となっていました。
 現在、市ではさまざまな事業を展開していますが、いかに人権尊重の視点で皆さんとともに事業を実施できるかが重要となってきます。そこで、市が取り組むべき具体的な事業を系統立ててまとめた「津市人権施策推進計画(平成21年度から平成25年度)」を作成しました。
 本年度は、その推進計画に基づいて、平成21年度に実施した事業が十分に人権尊重の視点に立ったものであったかを評価しました。市が実施した事業を内部で検証するだけでは不十分であるため、新たな試みとして、外部から選ばれた津市人権施策審議会委員の皆さんが評価し、「平成21年度津市人権施策推進計画進捗状況評価書」を作成しました。津市ホームページに掲載していますので、ぜひご覧ください。
 今後は、津市人権施策審議会からの評価と提言を、市全体で誠実に受け止め、それぞれの事業に生かしていきます。一人一人の人権が尊重される津市を目指し、すべての人が安心して暮らすことができるまちづくりを一緒に進めていきませんか。

コラム 子どもに失敗もさせようっと-うまくできないのは「あかん」こと?-

  「失敗から学ぶことって、大事なことなんだよ」って言いながら、自分自身「うまくできないこと」をまるで「悪いこと」のように捉えてしまっているところってありませんか?
 たとえば、私なんか、子どもが本当に困ったり、迷ったり、悩んだりする前に、失敗させないようにしようと横からすぐ口を出してしまったり。自分が、自らの経験からわかっているだけに、ついつい言ってしまうんですよね。それも、アドバイスではなく「こうしなさい」「それじゃあ駄目」といった指示や命令に近い言い方で。何でも他人 任せではなく、自分で考えて決められるような主体性のある人になってほしいと思っているのに、これじゃあ子どもの主体性は、育たないなと後悔します。じれったくても、「こうすれば、もっとうまくいくのに」って思っても、すぐに口出しせずに子どもたちを温かく見守ることって大事なんですよね。
 やはり、自分で決めずに他人から指示される通りの事をやっていて、結果がうまくいかなかった時に「失敗から学ぶ」ことは難しいように思います。「だって、こうしなって言うたやんか」って、指示した人の責任にしてしまって、失敗に対して責任を取らなくなりそうな気がするんです。
 子どもが自分で考えて決めること、そしてその結果に責任を持たせること。このことを、大切にしたいなって思っています。そのためには、「失敗することは決して悪い事じゃないんだよ」ということを、きちんと子どもたちに伝えていきたい。うまくできない自分や失敗してしまう自分のことをありのままに受け止められることも、大事かなって思うのです。
 皆さんは、どうお考えですか?

記事の先頭へ 目次へ

 

特集 津市人権施策基本方針ってどんなもの?(その2)

 初回の「人権啓発の推進」はいかがでしたでしょうか。今回は「人権教育の推進」です。子どもにとっての教育というだけではなく、全ての人にとっての教育を考えてみたいと思います。

人権教育の現状 -いまはどうなってるの?-

 子どもたちの間や地域の中など、身近なところに人権問題は潜んでいます。例えば、学校でのいじめ、職場でのパワーハラスメント、地域で暮らす日本人と外国人の関係、近所の人同士のトラブルなどです。

基本方針 -いちばん大事なことってなに?-

 誰もが暮らしやすいまちをつくるために、地域や学校で生活するみんなが人権について勉強し、差別することはいけないことだと言える力、みんなが一緒になって差別を解決していく力を育んでいくことが、大切だと考えます。
 そのために、保育所や幼稚園から小・中学校、職場、そして家庭、地域へとそれぞれの段階に応じた学習の場所を設けます。授業や研修で学ぶだけでなく、学校や職場、日々の生活、地域のイベントなどの中に自分や他人の人権を実感できる場面を織り込んでいきます。このように地域でいろいろな活動をおこなっている人や事業を営んでいる皆さんの人権意識を高めることで、まちに住む全ての人の意識を高めていきます。

本市の課題 -やらなければならないことは?-

 先ほども書きましたが、社会のいろいろな所に人権問題は潜んでいます。もし人権について勉強していなかったとしたら、近所の人との何気ない会話の中で、気付かないうちに他人を否定する言葉を使っているかもしれません。仲間がいじめられている時に、自分は同じ目に遭いたくないからと知らないふりをするかもしれません。いじめに関してもそうですが、される側に責任はありません。いじめや差別をする人の自己責任とするのではなく、まちの人みんなで防止していく環境を作り出すことが大切だと思います。
 差別を見抜き、それを許さない姿勢は、一朝一夕に身に付くものではありません。したがって、小さい頃から大人になっても常に自分の人権、他人の人権を実感できるような環境をつくること、学びの場をつくることが、行政や学校、職場、地域が担っていく役目であると思います。

推進計画 -これからどうするの?-

 具体的な取り組みとして、保育所、幼稚園、小・中学校が一緒になって各中学校区の中で先生たちの研修会などを行います。まずは教える側が勉強しなければなりません。子どもたちは、自分が大切な一人の人だということを感じることで、自分を好きになり、周りの人も自分と同じ大切な存在なんだということに気付きます。地域では、隣保かんなどで行われている人権教育の輪を広げ、ネットワーク作りやさまざまな地域の交流を促します。自治会や老人会など、まちで活躍する人たちや会社を経営する皆さんに人権を学んでもらう機会を設けます。このような取り組みを行うことで、町中に差別はいけないことだという雰囲気をつくっていきます。

まとめ

 想像してみてください。人権が空気のように当たり前に感じられるまちって素敵だと思いませんか。地域に住む全ての皆さんが、自分の人権や生命を大切にすることはもちろん、同時に他人にも同じことができるまちは、きっとみんなが安心して暮らせるまちなのではないでしょうか。そんな理想のまちを実現していくために、この記事を読まれた皆さんが、地域で力を発揮して、趣味の勉強をするのと同じように、人権の勉強をしてもらえるとうれしいです。街角で天気の話をするように、気軽に人権について話せるようになるといいですね。

記事の先頭へ 目次へ

  2ページ目へ

 

このページに対するアンケートにお答えください

このページは見つけやすかったですか?
このページの内容はわかりやすかったですか?
このページの内容は参考になりましたか?

このページに関するお問い合わせ先

政策財務部 広報課
電話番号:059-229-3111
ファクス:059-229-3339