人権だより 平成24年3月16日発行(音声読み上げ) 市民人権講座(河芸)

登録日:2016年2月25日

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市民人権講座(河芸)

 昨年11月12日、河芸庁舎で津市臨時嘱託員(外国人通訳等担当員)の本多フローラさんを講師に迎え「外国人の気持ちを知ってほしい」と題して市民人権講座を開催しました。
 本多さんは、ブラジル生まれの日系人で、20年前に来日されて以来日本に在住しています。来日当初は、本多さん自身、言葉の問題、文化や生活習慣の違いなどの大きな壁にぶつかったそうですが、現在は千里ヶ丘出張所で主に河芸地域の外国人に係る通訳・相談業務に携わってみえます。
 本多さんが出張所で働き始めた10年前は、「ゴミのぶん別ができていない」「夜遅くまで外で大声で話したり、音楽を鳴らしたりする」などの外国人に関するさまざまな苦情が寄せられたそうです。本多さんによると、ブラジルの人たちは、生きている限り毎日幸せでありたいという価値観をもっているので、パーティなど人を集めてにぎやかにするのが大好きです。しかし、日本人から見れば、少し行き過ぎた行為と感じる人も多く、このことが日本人との間でトラブルを起こす原因の一つになっていたのではないかということです。しかし、最近はそういった苦情もほとんど聞かれないとのことです。それは、お互いの文化や習慣を理解して、外国の人たちがコミュニケーションを取りながら、地域の活動に参加するようになってからだと本多さんは考えています。
 そのきっかけは、地域住民の外国人に対する見方が以前と比べて変わったことだと本多さんは言います。以前は、何か悪い事が起きれば、すぐに「どうせ外国人だろう」と言われたこともありましたが、今では、そのような偏見はずいぶん少なくなったそうです。さらに、地域の人たちが主体になって、外国の人たちが地域社会で安心して暮らせるようにさまざまな取り組みを行うようになりました。その一つに毎年開催される「千里夏祭り」があります。回を重ねるにつれ参加者数も年々増え、地域で楽しく生活を送る上で、欠かせない国際交流イベントになっていると話されました。
 最後に、「外国人だから、言葉が分からないから、ということで自治会などの活動にも参加しなくていいというのではなく、一緒に活動し、住民同士つながりを深めることが大切です。」という本多さんの言葉を日本人としてかみしめたいと思います。

コラム サーカスの象の話

 皆さんは、地上最大の哺乳類は何だか分かりますか。それは、動物園でもおなじみの象です。象はとても力持ちで、あの長い鼻を使って1トンもある重い物でも軽々と持ち上げてしまいます。
 しかし、皆さんはサーカスを見に行った時やテレビで、巨大な象が、小さな木のくいと足を鎖でつながれている姿を見たことはありませんか。象の力なら、簡単にくいを引き抜くこともできるし、鎖を引きちぎって逃げ出すこともできるはずなのに、動かない、動こうとしない。どうしてでしょうか。
 サーカスの象は、小さいころから鎖でつながれています。最初は何度も何度もくいを引き抜こう、鎖を切ろうと頑張りますが、幼くて非力なために逃げることができません。そのうちに、象は逃げようとすることを諦めてしまいます。やがて、大人になり、力持ちになっても、その象は逃げ出そうとしません。子どものころに「やっても無理だ」と思い込んでしまった象は、簡単に逃げ出せるはずなのに、逃げ出そうとすらしないのです。
 今回は、有名な象のお話ですが、同じようなことが私たち人間にも当てはまるのではないでしょうか。「どうせ自分には無理だ」とか、「自分の能力を超えている」などと自分で自分の可能性を制約していませんか。また、思い込みや刷り込みで勝手なイメージを持っていませんか。
 いつまでも見えない鎖につながれていないで、植え付けられてしまった意識を拭い去ってみませんか。そうすれば、あなたを縛り付けているものから解き放たれて、無限の可能性が広がってくるのではないでしょうか。

人権ポスター展優秀作品

村上有加さん(白山中学校2年生)

人権標語優秀作品

人権を 守る心の あたたかさ

「ありがとう」
今度は私が 届ける番

みんなの えがお
ぼくは何だか うれしい気もち

人権問題講演会(安濃)

 昨年11月26日、広瀬久美子さんをお招きし、「やさしさの時代」と題して人権問題講演会を開催しました。
 広瀬さんは、目の不自由な人や車いすの人の手助けをする時は、必ず2度声を掛けて、その人の反応を見ることが大切であると話されました。1度目は遠慮があり本当の気持ちは出てこないが、2度目にはその人の気持ちが出てくる。この時に、お互いの立場やルール、生き方が分かるといいます。このようなことの積み重ねによりお互いの世界が理解し合え、心がつながっていくのだと話されました。
 同じように、介護の問題についても、相手の気持ちを思いやり行動することが大切であり、何気ないおむつの交換にしても、ただ作業的に行うのではなく、常に相手の立場に立ち、相手の気持ちを考えておこなっていくことが大切であると広瀬さんは話されました。相手の気持ちをくみ取りながら行動していくことでお互いの気持ちがつながり、より良い関係が生まれていくのだと感じました。
 また、身近なことですが、家族や夫婦の間であっても、日頃あまり気持ちを言葉に出すことが少なくなってきているのではないでしょうか。広瀬さんは、分かっていても言葉に出して会話を行わないと、相手の気持ちは分からない。できるだけ言葉に出すことで、より良い心のつながりが出来上がっていくと話されました。分かっているつもりでも、やはり言葉に出して相手に自分の気持ちを正確に伝えていくことが大切であるということを感じました。
 「言葉」は人と人との心をつなげる大切なものであり、心を込めて相手に言葉を伝えることにより、「こころつながるやさしい時代」が築きあげられると感じました。

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