人権だより 平成25年3月16日発行(音声読み上げ) 人権だより

登録日:2016年2月25日

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人権だより

 市では、一人一人の人権が尊重される明るく住みよい社会の実現を願って、津市人権施策推進計画を策定し、各課でそれぞれ事業を展開しています。
 人権課では、毎年各課に対して前年度の事業の実績・取り組み状況や課題・問題点、今後の事業予定を調査します。調査の結果、各課から提出された報告書を基に、外部委員からなる人権施策審議会委員の皆さんに、人権に関する事業の評価をしてもらっています。この評価のまとめは、津市ホームページに「津市人権施策推進計画進捗状況評価書」として公表しています。
 人権施策審議会による評価は、単に各担当課が実施した事業を点数評価してもらうということだけではありません。各担当課が実施した事業を、市役所外部の皆さんからなる審議会委員に市民目線の評価・提言をしてもらうことで、今後の取り組みにそれらを生かし、よりよい事業へとつなげていくことができます。
 あらゆる機会を捉え、講演会や講座、研修会を開催し人権啓発をしていくことはもちろんですが、今後は、これまでに実施した人権に関する事業の取り組み経過を踏まえ、単なる事業の継続だけでなく、課題や問題点を把握し、粘り強い啓発事業を実施していくことが重要だと考えます。
 津市人権施策審議会から出された人権に関する事業の評価と提言を真摯[しんし]に受け止め、一人一人のものの見方や考え方が尊重される社会の実現を目指したいと思います。

コラム わかり合うって…

 私は縁あって外国につながる子どもたちに日本語を教えています。教室に集まってくる子どもたちは、初めて日本に来た子どもばかりで、全く日本語が話せません。授業では絵やカードを使いながら、日本語を日本語で教えています。しかし、コミュニケーションの部分で、伝えたいけど伝わらないことがよくあります。私自身、日本語以外の言語を話せないので、専ら子どもたちとのコミュニケーションは絵を描いたり、動作で表現したり、実物を見せたり、辞書を引いたりしています。
 それでもなかなか伝わらないこともある中、自分が伝えたいことが相手に伝わったり、相手が伝えたいと思っていることが理解できたりしたとき、お互いが何とも言えない満足感に包まれます。同時に、その子が何を伝えようとしているのかを一緒に考えてくれていた子どもたちや指導者の中に、言葉で言い表せない一体感や達成感が生まれます。
 「自分の思いを伝えたい、相手の思いを知りたい」というのは、相手が日本人であっても外国人であっても、何の変わりもありません。相手のことを大切に思う気持ちがあるから、知りたい、知ってほしいという気持ちになるのだと思います。
 外国につながる子どもたちの中には、いろんな思いを抱えて日本に来た子どもたちがいます。親の仕事の関係で来日した子どもたちも多く、その子どもたちは母国の友だちと別れて日本に来ています。また親の再婚で母国から呼び寄せられ、新しい家族のもとで生活を始めた子もいます。
 新しい環境や言葉が通じない中で、子どもたちは一生懸命友だちをつくるために日本語を覚え、日本の文化に適応しようとしています。私自身、知っている言葉で自分のことを懸命に伝えようとする子どもの姿から、自分自身の人との向き合い方を問い直すこともあります。「わかり合うって、言葉だけじゃないよな」というのが、今の一番の感想です。
 また、日本語が話せなかった子どもたちが日に日に日本語を覚え、日本語でつぶやく姿を見ながら、ある種の力強さを感じます。
 今、目の前にいる子どもたちに何ができるのかを考え、子どもたちが自分自身でしっかりとした目標が持てるようにサポートしていきたいです。


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