「広報津」平成25年4月16日/第176号(音声読み上げ) シリーズ人権(53)

登録日:2016年2月25日

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シリーズ人権(53)

高齢者の人権

 ここ数年、高齢者に対する虐待・介護放棄・財産剥奪・振り込め詐欺など高齢者の尊厳が脅かされるような事件が多発している。その背景には、高齢者に対する尊敬や感謝の念がなくなったことが原因ではないだろうか。また、核家族化や高齢化、都市化による近隣関係の希薄化など生活環境の問題も要因であると考えられている。
 高齢者がこれまで果たしてきた社会的役割の重要さや長い人生経験からくる優しさと厳しさ、肉体的な衰えからくる不安などを理解して、一人一人の人権が尊重される社会を築かなくてはならない。とはいっても、私がこのような意識を持っていたかというと、答えは、…である。高齢者に対して自分から働き掛けることもなく、理解しようとも思っていなかった。
 しかし、私にとってふと立ち止まる出来事があった。ある日、小学生の娘と散歩していると、畑で独りたたずむおばあさんに向けて「こんにちは!」と娘が元気な声を掛けた。その時、おばあさんのほどけた笑顔とリスの足跡のようなえくぼが私の視界に飛び込んできた。そして、おばあさんが手招きして娘の小さな手に小玉スイカを載せてくれた。二人の間には、まるく温かな空気ができていた。
 家でスイカを割ると、中身は赤色ではなく黄色であった。昔、祖母が私に食べさせてくれたスイカにそっくりであった。大好きだった祖母の笑顔が目の前によみがえってきた。
 聞くと、娘は学校帰りにおばあさんにあいさつをしてもらったのがきっかけで友達になったらしい。そして、おばあさんが独り暮らしであることや飼い犬の名前が「ルルちゃん」ということまで知っていた。私の知っている娘は、人に会うとすぐに私の後ろに隠れてしまい、あいさつもなかなかできない恥ずかしがり屋である。おばあさんの優しい気持ちで娘はいつしか成長していったのであろう。
 これまで関心の無かった高齢者への意識が変わった。見えていなかったものが見えてきた。私は二人に教わった。人の優しさが、温かい社会を築いていく礎になることを。

まちを緑でいっぱいに 緑化活動を行う団体に花苗などを支給

 公園などの公共公益施設等で緑化活動を行う団体に、花苗、花木、種子などを支給します。
対象団体 自治会、ボランティア団体など
対象場所 公園、道路、公共公益施設など誰でも利用できる場所 注:管理者の承諾があること
回数 1団体につき年間2回まで
申し込み 都市政策課または各総合支所地域振興課にある申請書に実施場所の地図を添えて提出
締め切り 支給希望日の20日前まで
注:詳しくは、都市政策課または各総合支所地域振興課へお問い合わせください。
問い合わせ 都市政策課 電話番号229-3290 ファクス229-3336

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