「広報津」平成25年6月16日/第180号(音声読み上げ) 歴史散歩(85)

登録日:2016年2月25日

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歴史散歩(85)

新たに国指定重要文化財に 専修寺の建造物

 歴史的な町並みが残されている一身でん寺内町の中心には、専修寺の諸堂がひときわ高く甍[いらか]を並べています。特に如来堂と御影堂[みえいどう]はいずれも高さ25メートルを超える国内有数の木造建築で、それぞれ昭和36年に国の重要文化財に指定されています。
 真宗高田派の本山である専修寺には、このほか県指定や市指定文化財になっている複数の建造物がありますが、今年5月に国が開催した文化審議会で、11棟の建造物を一括して重要文化財に指定することが適当とする答申が出されました。今後、この答申のとおり指定されると、境内で重要文化財に指定されている建造物は如来堂・御影堂と合わせて13棟になります。市内では、この他に重要文化財に指定されている建造物は、美杉町たろうの国津神社十三重塔(石造物)があるのみで、いかに多くの歴史的建造物が専修寺に残されているかが分かります。
 今回の答申では、県指定文化財であった唐門・山門・御廟拝堂・御廟唐門と、市指定文化財であった鐘楼・太鼓門だけでなく、文化財としては未指定となっていた通天橋・茶所・大玄関・対面所・賜春館などが含まれています。
 専修寺の現在の伽藍[がらん]は、正保2年(1645年)の大火による再建をきっかけに順次建立されたものです。津藩からの土地の提供を受け大幅に寺領を拡大した上で、寛文6年(1666年)の御影堂落成から始まり、現在までの約350年にわたり整備されてきました。今回指定される11棟は、いずれもこの中で江戸時代から明治初期にかけて建立されたもので、専修寺の中心に位置する如来堂・御影堂とともに重厚な歴史的景観を形成しています。
 このような長い年月の中で整えられた壮大な伽藍は、指定に当たっての調査の中で「前面に構える山門や唐門のほか、殿舎や鐘楼など、いずれも規模雄大で、当代の名工による高い技量も発揮され優れた意匠となっている」点などが、文化財として高い価値があるものと評価されました。
 梅雨の日々が続く毎日ですが、このような多数の歴史的建造物が間近に見られる専修寺と、その周りに広がる一身でん寺内町の町並みを、この機会にゆっくり散策されてみてはいかがでしょうか。

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