「広報津」平成26年8月1日/第207号(音声読み上げ) シロモチくんとゴーちゃんが語る津市政(17)

登録日:2016年2月25日

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シロモチくんとゴーちゃんが語る津市政(17) 

どうなってるの、サオリーナ? -津市産業・スポーツセンターの建設工事-

 ねえねえ、シロモチくん。昨年、工事を始める予定だった、サオリーナが入る津市産業・スポーツセンターの建設工事が進んでいないって聞いたんだけど?

 そうなんだ。建設工事を行う業者を決めるために入札をおこなったんだけど、それがまとまらなくて業者が決まらず、まだ契約ができていないんだよ。

 どうしてなの?詳しく教えてほしいな。

 まず、サオリーナが入る津市産業・スポーツセンターをどんな建物にするのか、どれくらいの大きさのものにするのかという設計をするんだけど、民間の設計会社にお願いして平成25年の春ごろに設計が出来上がったんだ。

 へえ~、そうなんだ。

 その設計をもとに津市が予定する金額(予定価格)というものを決めて、平成25年8月に1回目の入札をおこなったんだけど、そのときは入札に参加したいっていう業者があったんだ。でも結局、直前に入札を辞退しちゃったんだよ。

 なぜやめたのかな?

 たぶん、サオリーナをつくるための材料の値段が、どんどん上がっていることなどが原因だったと思っているんだ。

 それで、どうしたの?

 その後も上がり続けている材料の単価を最新のものに変更したり、一部の改修工事を切り離した上で予定価格を見直して、平成25年11月に2回目の入札をおこなったんだよ。このときも入札に参加したいっていう業者があったんだけど、結局また、直前に入札を辞退しちゃったんだ。

 今度もやめちゃったんだ。どうしてなの?

 工事の予定価格を見直している間にも、工事現場で働く人の賃金や材料の値段がどんどん上がり続けていたんだ。

 そこで、設計会社にこの時点の市場の価格をもとに設計や積算を最新のものにやり直してもらったんだ。その設計の内容を三重県建設技術センターという公共工事の発注を助けてくれる専門機関にも適正か確認してもらったんだよ。その上で、最初に決められていた予算を増やすことを議会にも認めてもらって、建物の建築工事の予定価格(税抜き)を1回目の56億円から80億円に上げて、3回目の入札を今年の5月におこなったんだ。

 どうなったの?

 今度は応札した業者があったんだけど、入札は成立しなかったんだ。驚くかもしれないけど、入札された価格は市が予定していたものを14億円も上回ったんだよ。

 そんなことが起こっているんだね。でも、津市だけのことなの?

 今、大きな建築工事では、全国で同じように契約できない話がいくつもあるんだよ。特に、工事にかかる期間が2年とか3年とか、長い期間必要になる大きな工事に起きているんだ。例えば、千葉県や富山県、熊本県の国立病院の建て替え工事のように、入札がまとまらないまま先に進んでいないものや、東京都の豊洲新市場の建設工事のように、入札がまとまらなかった後、予定価格を大幅に見直して(3つの工事で約400億円を増額)やっと落札されたものなど、たくさんの事例があるんだよ。

 津市のほかの工事でもそんなことがあるの?

 サオリーナよりも前に発注した大きな工事で、例えば4大プロジェクトでは、契約ができなかったものはなかったんだ。
 新しい斎場の整備・運営(約58億円)、新しいごみの最終処分場第一期施設の建設(約36億円)やリサイクルセンターの建設(約38億円)は、全て市が予定していた価格よりも低い価格で落札されているんだよ。そのころまでは、働く人の賃金や材料の値段はまだそれほど上がっていなかったみたいだね。

 よかった。それらは予定どおり進んでいるんだね。

 それに、今年に入ってからも、数億円の工事には多くの業者が入札に参加していて、例えば、建築工事では、かんべ小学校の大規模改造第三期工事(約2.9億円)や久居庁舎整備事業に伴うポルタひさいの改修工事(約4.4億円)、トンネルや橋の工事では、山口山本線のトンネル工事(約8.1億円)や篠ヶ広山口線の橋梁[きょうりょう]工事(約2.1億円)、下水道の工事では、町屋第2雨水幹線の工事(約2億円)や町屋放流幹線の工事(約1.9億円)など、これらは全て順調に進んでいるんだ。これくらいの大きさの工事だと、働く人は必要なだけ地元で集めることができるっていうことらしいよ。

 そうなんだ。じゃあなぜ、サオリーナだけ進まないの?

 サオリーナは大きな工事だから、たくさんの人に長い期間働いてもらわなければならないからね。今の建築市場の状況では、人手が不足していて働く人を遠いところからも集めないといけないようなんだ。だから、そのために必要な交通費や宿泊費などの経費も考えなければいけないみたいなんだよ。

 建築の材料の値段が上がってきていることや、働く人をたくさん集めることが大変だってことは分かったけど、どうしてそんなことが起こっているの?

 東日本大震災の復興に加え、全国的に行われている防災対策工事や東京オリンピック開催に向けた会場の建設など、建築工事が必要なところがすごく増えているのに、工事現場で働く人の数は限られているという状況があるみたいなんだ。

 なるほど。今はそういう時期ってことなんだね。じゃあ、それが落ち着くまで待つとか、それとも、これから予算を増やして設計の金額を見直したりするの?

 難しい選択だね。でも、現在の津市体育館は昭和41年につくられたものだし、津市民プールも昭和48年から使っているから、すごく古くなってきているんだ。

 そんなに古いと使いにくいところもあるよね。

 うん。だから、老朽化したみえ武道館も合わせて1カ所に集めて新しく整備することで、みんながもっと使いやすい施設になることが期待されているんだよ。それと、平成33年に三重県で行われる国民体育大会の会場にも内定しているし、その前の平成30年の高校総体の会場としても使ってもらいたいと考えているんだ。

 そうすると、いつまでも待っているわけにはいかないんだね。

 そうなんだ。でも、施設をつくるためのお金は、大切な税金を使うわけだから、例えば、これからもっと上がるかもしれないと先を見込んだ特別な価格ではなく、今の市場の適正な価格で良いものを少しでも安くつくることが大切だと思っているんだよ。

 それってすごく難しいことだね。これからどうするの?

 たくさんの大きな工事を発注し、全国の状況に詳しい国土交通省から、設計も含めていろいろなアドバイスをもらうことにしたんだ。その上で、対応方針を決めていくことになると思うよ。

 そうなんだ。少し安心したよ。でも、こんなに大きな工事をして市の財政は大丈夫なの?

 大丈夫だよゴーちゃん。例えば、サオリーナが入る津市産業・スポーツセンターをつくるお金は合併特例事業債といって、市に一番有利な財源を使う予定なんだ。それに、市の貯金に当たる財政調整基金が183億円あるんだけれど、これは同じくらいの規模の市と比べると、全国でもトップクラスの水準なんだよ。

 よかった。みんなが待っている施設だから、きちんとできるといいね。

 うん。がんばるよ。

 期待しているね。

 

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