「広報津」平成26年8月16日／第208号（音声読み上げ）　シリーズ人権（59）

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シリーズ人権（59） 

しょうがい者ゴルフ

　私は以前「身体しょうがい者ゴルフ大会」にボランティアとして参加したり、一緒にプレーしたりしたことがあります。そのときは、「ハンディキャップがあるのにすごいな」というのが私の率直な気持ちでしたが、心の奥底には「ちゃんと打てるのかな」とか「いいスコアを出すのは無理だろう」などの先入観が少なからずあったのも事実でした。
　それまでしょうがい者との関わりが少なく、どうコミュニケーションを取ればいいのか分からなかったので、取りあえず「何か私にできることはありませんか」と声を掛けました。そうすることで相手の意思表示を受けて、お手伝いできるのではないかと考えたからです。しかし実際には、健常者とプレーするときと何ら変わらず、できたことはカート運転やピン持ちなどのお手伝いくらいでした。結局、最初の心配は取り越し苦労に終わり、技術的にもスコア的にも大差をつけられましたが、とても楽しくラウンドさせてもらいました。
　最近、しょうがい者や高齢者を含む多くの人が生活しやすい環境づくり（バリアフリー）が進められています。しかし、施設や環境（ハード面）がいくら整備されても、人同士の関わり（ソフト面）がバリアー（障壁）になっていては意味がありません。
　今回のゴルフに関していえば、しょうがい者とのプレーだからといって、構える必要も、気を使う必要もなかったのです。ゴルフ場という空間で、同じ時間を共有してプレーする者同士、たわいもない会話をしたり、相手のプレーをたたえたり、冗談を交えながら、共に楽しむことができれば、それでいいのだということに気付かされました。
　ラウンド後に「また一緒にラウンドしましょう」と言ってもらいましたが、それはお互いに気持ちよくプレーできた結果であり、誰とでもどんな状況でも、お互い敬意を払い、接することが大事だと感じさせられた出来事でした。 

その他の情報

市民人権講座　受講生募集

対象　市内に在住・在勤の人
定員　抽選各30人

注：1講座だけの受講も可能です。