「広報津」平成26年10月16日/第212号(音声読み上げ) シリーズ人権(60)

登録日:2016年2月25日

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シリーズ人権(60)

「私にできること」

 私は両親が共働きということもあり、幼いころから祖父母によく面倒を見てもらっていました。祖父母が毎日一緒に居てくれるのは私にとって当たり前でしたが、私が遠くに引っ越してからは、会える機会も減り、電話も月に一回程度になってしまいました。久しぶりに電話をすると、祖父が寂しがっていることを祖母から知らされました。申し訳ない気持ちでいっぱいになった私は、久しぶりに祖父母の家に行ったときに、「何か私にできることないかな」と尋ねましたが、祖父母は「今のままでいいんだよ」と言ってくれました。しかし、私はどうすればいいのか分からなくなってしまいました。
 それからしばらくして、久しぶりに祖父母の家を訪れると、小学5年生ぐらいの男の子が遊びに来ていました。聞いたところ、その子は自分の祖父母が近所に住んでいないので、私の祖父母の家によく遊びに来ているらしいのです。一緒に遊んだり、おしゃべりをしたり、おいしいものを食べたりと男の子も祖父母もとても楽しそうで、お互い元気をもらっているように見えました。
 その時、祖父母が言ってくれた「今のままでいいんだよ」という意味が分かった気がしました。たとえ忙しくても、今まで通り時間ができた時には会いに行ったり、電話をしたりすることが大切なのだと。何より、日々祖父母のことを思いやり、感謝の気持ちを忘れないこと、私自身毎日を精いっぱい頑張り、笑顔で楽しく過ごすことで祖父母は喜んでくれるのだと気付かされました。私も昔は、この男の子のように、祖父母だけでなく、近所のおじいさんおばあさんにおやつをもらったり、一緒に遊んでもらったり、時には叱られたりと、とてもお世話になったことを思い出しました。その時とても楽しく過ごせたのは、おじいさんやおばあさんに元気をもらっていたからだと思いました。
 私は今まで、人に何かしてあげることばかり考えていましたが、一緒にいるだけでお互いに元気をもらっているのだと気付きました。そして、元気をあげようと頑張るのではなく、逆に元気をもらうつもりでいると、気持ちも楽になりました。今まで声を掛けたくても掛けられなかったおじいさんやおばあさんにも楽な気持ちで声を掛けられるようになり、少しですが自分に自信が持てるようになりました。
 人は誰かと関わることでお互いに元気をもらっています。それがお互いの励みになり、生き生きとした毎日が送れるのだと思います。そのことに気付いて、私は人との出会いやつながりを今まで以上に大切にしていきたいと思いました。

その他の情報

作品展示 津市てづくり絵本コンクール

問い合わせ 津図書館 電話番号229-3321 ファクス229-1458

 第5回てづくり絵本コンクールの応募作品を全て展示します。

とき 11月1日土曜日から3日月曜日・祝日、9時から16時(3日は15時まで)
ところ  津リージョンプラザ2階健康教室


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