「広報津」平成26年11月1日/第213号(音声読み上げ) 第17回 市長対談-地域社会の結い直し-

登録日:2016年2月25日

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第17回 市長対談-地域社会の結い直し-

 8月20日、津市たるみ老人福祉センターに三重県社会福祉協議会会長の井村正勝さんをお迎えし、地域福祉の活性化について、前葉泰幸[まえばやすゆき]市長がお話をお伺いしました。

市長 井村さんは、井村屋製菓で長く社長を務められ、その後、三重県教育委員会委員長などの公職を経て、このたび三重県社会福祉協議会の会長に就任されました。就任のあいさつで、「地域社会の結い直し」という言葉をお使いになりましたね。

井村 少子高齢化社会が進む中で、重要となるのが地域社会の再構築だと思います。さまざまな人々のつながりをそれぞれの地域に合った形にするため、既成事実にとらわれることなく、新しく地域社会をどう描いていくか、それを「地域社会の結い直し」という言葉で表現しました。

市長 福祉に関していえば、来年4月から介護保険制度が見直され、子ども子育て支援新制度が始まります。それを受けて、津市でも介護予防事業を実施し、子育て支援計画を策定するなど、市町村の役割はどんどん強化されていきます。それに先立ち、今年度津市では「地域福祉活動補助金の創設」「津市地域福祉政策会議の設置」「敬老事業の見直し」「津市地区社協連絡協議会の設置」という4つの地域福祉推進体制の強化に取り組みました。

井村 津市が地域と連携し、地域福祉活動をしっかり支えることで、地域の独自性が生かされると思います。数ある課題の中で、なぜ、この4つの強化に取り組まれたのですか。

市長 1つ目の地域福祉活動補助金の創設は、津市社会福祉協議会の事業や運営のための補助金です。社会福祉協議会とは社会福祉法第109条および110条に規定された地域福祉活動や地域福祉を推進する地域密着型のきめ細かな福祉サービスを提供する組織です。この組織を運営するためには費用が掛かるため、津市では補助金を交付しています。これまでは運営事業補助金として約3億9,000万円を一括して交付していましたが、これを各種事業に対する補助金約2億5,000万円と、運営に対する補助金約1億4,000万円とに分けて交付することにしました。事業部分と運営部分をきちんと区分することで、津市社会福祉協議会が地域福祉活動の推進主体であることを明らかにしました。

井村 これまで一括で交付していた補助金を目的ごとに二分化し、津市社会福祉協議会は地域福祉活動をしっかり行い、津市はその運営を責任を持って支えることを明確にしたということですね。地域福祉活動補助金の創設と2つ目の津市地域福祉政策会議の設置はどのように関連しているのですか。

市長 地域福祉活動を議論する上で必要なことは、地域や市民の皆さんのニーズがどこにあるのかを見極めることです。そのため社会福祉協議会会長と私が協議できる場として、津市地域福祉政策会議を設置しました。この会議で地域福祉政策をしっかりと積み上げ、その方向性を決めていきたいと考えています。

井村 津市社会福祉協議会と津市の緊密な連携は、地域福祉の推進に欠かせないものだと思います。地域住民に寄り添う津市社会福祉協議会の視点からも、この会議が実のある場になればと思います。次に3つ目の敬老事業の在り方の見直しとはどのような内容ですか。

市長 現在、津市には43の地区社会福祉協議会があります。ここでは、地域の皆さん自らが地域福祉を推進するため、さまざまな活動が行われており、その一つに敬老事業があります。この事業はそれぞれの地区ごとに企画されているのですが、そのやり方や内容を見直そうという声が出てきました。そこで昨年度、敬老事業の在り方検討会を設置し、事業の内容についてゼロベースで議論をいただきました。

井村 敬老事業の在り方検討会を踏まえ、具体的にはどのような見直しが行われたのですか。

市長 敬老事業を行うためにはやはり費用が必要となります。地区社会福祉協議会がより自由に使えるスタイルが良いのではという議論になり、これまで補助金だったものを交付金に変更し、さらに敬老事業の対象者1人当たりの金額を800円から1,000円に増額しました。これにより津市の予算は平成25年度の4,842万円から平成26年度は6,174万円に増額しました。今年度から各地区社会福祉協議会の創意工夫の下、新しい敬老事業を実施いただけるようになりました。

井村 補助金から交付金になったことで、より地域に合った事業が展開できますし、権限を地域へ移譲しようという国の方向性とも合致していますね。今後の地区社会福祉協議会にどのようなことを期待していますか。

市長 例えば地域の高齢者やしょうがいをお持ちの人など、手助けを必要とする皆さんを対象としたサロンのようなものの開催は、その方々の元気のもとにもなりますし、介護予防にもなると思います。もう一つは各地区社会福祉協議会の間でそれぞれの活動事例の情報交換を行うことも良いでのはと考えています。そういった場として活用いただくために今回43の地区社会福祉協議会において、津市地区社協連絡協議会を設立していただきました。

井村 それぞれの地区社会福祉協議会が他の協議会の取り組みを知るきっかけとなり、各地区の活動に新しい風を吹き込むことになりますね。

市長 今後も三重県社会福祉協議会の協力の下、地域福祉の充実を目指していきたいと考えておりますので、よろしくお願いします。

井村 我々もそれぞれの地域の課題を解決すべく、汗をかく存在でありたいと思っていますので、よろしくお願いします。

市長 本日はありがとうございました。

 

 

三重県社会福祉協議会会長 井村正勝さん

津市在住。昭和43年井村屋製菓株式会社入社。平成3年同社代表取締役社長、平成9年同社取締役会長に就任。平成22年から井村屋グループ株式会社シニアフェロー。三重県教育委員会委員長、三重県共同募金会会長などを歴任。平成26年4月から三重県社会福祉協議会会長。

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