あけぼの 平成24年2月16日発行(音声読み上げ) シリーズ 学校・学園では今(9)

登録日:2016年2月25日

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シリーズ 学校・学園では今(9)

発展する中学校区子ども人権フォーラム

 今回は従来の小・中学校の枠組みを超えて保育園や幼稚園、ブラジル人学校や地域と連携するなど、参加者の広がりを企画している校区として、東橋内中学校区と南郊中学校区を取り上げました。
 

東橋内中学校区子ども人権フォーラム

 東橋内中学校区では、「敬和地区保幼小中合同文化祭」を柱に取り組まれています。この文化祭は、人と人との関わり合いの中で自尊感情を育む取り組みとして、10年前から開催されてきました。文化祭では、中学校生徒会役員・小学校児童会役員・保育園、幼稚園、小・中学校の職員代表・みえ大学の学生で実行委員会が組織され、ステージ発表の部と展示・体験コーナーの部の2部構成で行われています。
 回を重ねるにつれ、文化祭が「出会い・かかわり合いの場」「思いを伝える場」となり、今年の文化祭でも、生き生きと発表する子どもたちの姿が見られました。発表までの取り組みも大事にされていて、自分や友達の新しい面を発見したり、友達や家族の思いに触れたりする機会になっています。当日の発表では、この地域にはいろいろな国につながる友達がいて、だからこそ楽しいのだという思いが、歌やダンスにあふれていました。

 東橋内中学校区人権フォーラムは、11月10日木曜日に開催されました。
 まず、保幼小中合同文化祭の感想が話し合われました。それぞれの立場で力一杯やり遂げたことへの満足感を共感し合ったり、文化祭がさまざまな人とのつながりを実感できる場になっていることを確かめ合ったりする意見が交わされました。 次に、中学生が演じた劇の感想が出し合われました。登場人物の気持ちを考えながら、「学ぶ」ということや「自分にとっての学校」について話し合われました。
 子どもたちは、相談に乗ってくれたり共に喜んでくれたりする仲間の存在の大きさを、学校生活や部活動を振り返りながら、自分の体験談で話をしていきました。その中で、外国につながる子どもが話し始めました。「県外に住んでいた時、日本語が分からずいじめられたのが悔しくて、はじめは文句を言うために日本語の勉強をがんばった。でも、今はたくさんの仲間がいて、支えられて楽しくがんばっている。」
 この話は、それぞれが自分自身を振り返る機会となり、参加者の心に強く残りました。

 最後に、敬和地区の良さについても話し合われました。昔からの行事がたくさん残っていることや、何かあったときには多くの人が力を貸してくれることなど、敬和地区の持つ人の温かさやつながりの深さが確かめ合われました。そして、「地域の人に感謝しながら、自分たちの町を大事にするために、あいさつなど、まずは自分たちにできることからやっていきたい。」という決意も聞かれました。
 話し合ったことを学級へ持ち帰って、さらに深めることを確認し合い、人権フォーラムは終わりました。終わった後、「すごく緊張した。でも、チャンスがあったら、また来年も参加したい。」という声が聞かれました。参加者は、話し合いの中で、人と人がつながることの良さや大切さを再認識し、話し合うことで芽生えた、参加者同士の新たなつながりを喜んでいました。
 

南郊中学校区子ども人権フォーラム

 本年度、南郊中学校区では、これまで別々に行われてきた、子ども人権フォーラムと人権フェスティバルを同日(11月12日)に開催することになりました。このことによって、学校関係者だけではなく、地域の人たちや、幼稚園や保育園の先生にも参加してもらうことができました。また、この中学校区にあるブラジル人学校「アポーヨ・ミエ」の子どもたちも参加し、参加者に広がりがでてきています。

 今年の子ども人権フォーラムは、南郊中学校の人権サークル「黒ひげメンバーズ」の生徒たちによる基調提案から始まりました。以下のような、しょうがい者に対する差別や偏見に関わる話や仲間に係る話が語られました。

  • しょうがいのある祖母を持つ生徒が、しょうがい者をばかにするような言葉を使った仲間に怒りをぶつけて、その考え方が変わっていった。
  • 盲学校を訪問して、しょうがい者はできないことが多いと思い込んでいた自分の偏見に気付き、本当のことを知って、その事実を伝えていくことの大切さを実感した。
  • 小学校の卒業式の時、しょうがいのある友達が自分の力で卒業証書をもらえるようにみんなで支えて実現していった。
  • しょうがいのある大切な友達がいたにもかかわらず、しょうがい者をばかにするような言葉を使ってしまい、これではいけないと考え、人権サークルに入って一生懸命勉強している。
  • 友達にばかにされたりいじめられたりしたこともあったが、みんなで一度本音で話し合ってからは、そういうことが無くなった。

 この基調提案を受けて参加者からは、「僕のクラスにもしょうがいのある友達がいる。できることはいっぱいある。今日の中学生の話と一緒だと思った。」「僕のクラスにもしょうがいのある友達がいる。みんなと同じようには遊べないが、特別ルールを作って一緒に楽しく遊んでいる。」といったような意見が多く出されました。
 そんな中で、一人の外国につながる子から学校生活に関する不安が訴えられました。多くの子どもたちから、その子の思いに寄り添うような意見がたくさん語られました。
 司会の「黒ひげメンバーズ」の生徒からは、「あなたの気持ちは、100パーセントは分からないけど、とても嫌なのはよく分かる。先生や友達に相談してみるといいと思う。」 「話せばきっと分かってくれる子がいるから周りを信じて自分の気持ちを話してほしい。分かってくれる子は必ずいるから大丈夫!」といったアドバイスも返してもらいました。
 参加していた大人たちからも温かい励ましの声が掛けられ、学校生活の不安を訴えた子どもの表情も少し和らぎ、温かい雰囲気の中で、フォーラムは幕を閉じました。


 

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