あけぼの 平成24年6月16日発行(音声読み上げ) 特集 子ども人権フォーラム

登録日:2016年2月25日

 このページは、音声読み上げソフトウェアに対応するため、語句のなかで一部ひらがなを使用しています。
 広報津(PDF版)は広報津(PDF/7.3MB)からご覧いただけます。

1ページ目から3ページ目

特集 子ども人権フォーラム

 平成23年度の子ども人権フォーラムでは、これまでのスタイルとは違った特色ある取り組みが、いくつかの地域で登場しています。
 フォーラムは、大きく分けると次のような4つの形で行われました。

(1)その校区の「地域行事」と「子ども人権フォーラム」を関連付け、地域の人たちや園・学校の先生を交えての話し合い
(2)「子ども人権フォーラム」に参加する該当の学年全員が一堂に会して、自分たちがおこなってきた人権学習を交流
(3)人権劇や講演会などをおこなった後、感想や意見交流を中心とした話し合い
(4)分科会・分散会形式をとり、テーマ別に小グループに分かれての話し合い

 内容としては、子どもたちが、出会い学習で出会った人の生き方や、さまざまな人権課題を自分の生活と重ね、思いを話し合っている地域が多いです。
 また、地域の人権課題を取り上げたり、東日本大震災後に出てきた問題を取り上げたりして、以前よりもその中身は多様化してきているように思われます。

 今回は、多様化する「子ども人権フォーラム」の中で、出会う学年の子どもたち全員が参加し、同じ事実や思いを共有しようとしている校区として、久居中学校区・香海中学校区の取り組みを紹介します。
 子どもたちが、さまざまな学習や出会いを通して自分の生き方を振り返り、仲間と深い絆を築いていった様子を、保護者や地域の方たちもうなずきながら真剣に聞き入っていました。参加した大人も共に学ぶ機会となりました。
 

久居中学校区 子ども人権フォーラム「明日を拓[ひら]く小中高生の集い」

とき 平成23年12月13日
参加者 戸木小学校・成美小学校・せいし小学校の6年生全員、久居中学校の2年生全員、校区内の高校の人権サークル、保護者

オープニングは、久居高校の人権サークル「ピース久居」と文化部有志が昨年演じた人権劇「Beyond the Border」の一部がDVDで上映されました。この人権劇は、日本に住んでいる外国の人たちが直面しているさまざまな問題を取り上げ、ミュージカル風に仕上げた、中身の濃い劇でした。上映後、劇の主人公を演じた高校生が、高校の人権サークルの紹介をし、高校生になっても一緒に人権について考えていこうと訴えました。

久居中学校の2年生は、「わたしの生き方宣言」として「差別は僕の心の中にもある。差別は間違った物差しをあてるところから始まる。そんな物差しを心の中から取り除き、差別を許さない生き方をしたい」などこれまで出会ってきたたくさんの人たちから学んだことをもとに、自分の生き方を見つめ直したことを発表しました。

戸木小学校の6年生は、東日本大震災の募金活動をきっかけに、学習を始めました。震災後の救援活動を体験された消防士さんや救急救命士さんから、震災直後の大変な状態や「命を守り」「命をつなぐ」ことの意味など学んだことを発表しました。
 また、部落問題に関しては、「差別は人の命を奪うことがあることを知った。こんな差別はなくしていきたい」と語りました。

成美小学校の6年生は、長崎で被爆された人から、原爆の被害の悲惨さについて聞いたことを発表しました。「助けを求める友達を助けることもできず、置き去りにして必死で逃げた」「被爆して辛かったのは、周りの人々の心ない言葉や態度で、差別によって受けた心の傷は消えることはない」という言葉が心に深く残ったことや、人を大事にして生きることが大切であることを訴えました。

せいし小学校の6年生は、「自分の思っていることを伝えなければ、相手と分かり合えない」「人は変われる。うまくいったこともいかなかったことも、いろんな経験をしたからこそ、人は強くなれる」「仲間とつながるためには、ありのままの自分の姿を伝えていくことが大切だ」と「よさこい」の指導者との出会いから学んだ大切なことを発表しました。そして最後は、これまで学んできたいろいろな思いを込めて、全員で「よさこい」を力強く踊りました。
 

香海中学校区 子ども人権フォーラム「ひとりじゃないさ」

とき 平成23年12月2日
参加者 浜っ子幼児園・香良洲小学校・香海中学校全ての子どもたち、保護者、地域の皆さん
 

第1部 園児から小学4年生までの子どもたち

「思いやりと優しさを大切にして、仲間になっていきましょう」(司会の小学生のあいさつより)

浜っ子幼児園 日頃の友達関係について絵を使って表現しました。「悲しいとき、それは、返事をしてもらえないとき」という声に対しては、保護者からも「なるほど」と共感する声が上がりました。

1年生 「みんなだいすきわたしのかぞく」というテーマで、家族への感謝の気持ちを語りました。そして、「家族のために、できることをしたい」と家族の一人として頑張る決意も語りました。 

2年生 「大好きわたしたちの町」という取り組みで、香良洲の町に住む素敵な人たちとの出会いを語りました。そして、「自分たちも、出会った人たちのように、周りの人のことを考える、心温かい人になる」という決意を語りました。

3年生 「すごいぞ香良洲の先輩たち」の取り組みで出会った人と触れ合う中で、「香良洲には、人との絆を大切にする人がたくさん住んでいる」ということを学びました。子どもたちは、そのことを胸を張って語りました。

4年生 特別養護老人ホーム「フルハウス」との交流で学んだことをもとに、いろいろな状況の中で、自分がどう行動すればいいのかを自分たちで考えて、寸劇という形で表現しました。
 

第2部 小学5年生から中学3年生までの子どもたち

「人と人とをつなぐ絆の大切さを考えよう」(司会の中学生のあいさつより)

5年生 「ウサギとカメその後」という朗読劇を行いました。勝ったのに、仲間に信用されないカメ。負けて仲間に責められるウサギ。途中見つけた薬草を家族に届けて負けたという真実を語るウサギ。それを聞いて考え込む仲間たち。「私ならどうするか」考えさせられる劇でした。
 
6年生 災害ボランティアの人のお話を聞いて、考えたことを発表しました。最後に、「自分を守るという意志」「地震に対する知識」「地域の絆」が大切だということを訴えました。
 
中学1年生 外国につながる3人からお話を聞いて、考えたことを発表しました。生活習慣や文化の違いが豊かさにつながることや外国人差別は思い込みや決め付けによって起こるので、もっと話して分かり合っていく必要があることを訴えました。

中学2年生 ハンセン病回復者と支援者から学んだことを発表しました。特効薬が開発され、ハンセン病は治る病気になったのに、今も根強く差別が残っていることを訴えました。「無知は罪だ」という子どもたちの声が聞かれました。

中学3年生 修学旅行で訪れた広島で聞いた語り部の人のお話をもとに、かつて屍[しかばね]の街になってしまった広島の様子を語り、原爆の恐ろしさや、平和や命の大切さを訴えていきました。大きくうなずきながら聞く大人の姿もありました。



記事の先頭へ 目次へ


  4ページ目へ

このページに対するアンケートにお答えください

このページは見つけやすかったですか?
このページの内容はわかりやすかったですか?
このページの内容は参考になりましたか?

このページに関するお問い合わせ先

政策財務部 広報課
電話番号:059-229-3111
ファクス:059-229-3339