松尾芭蕉、松浦武四郎、大黒屋光太夫といった人物は、江戸時代、諸国を見聞して活躍した三重県の人たちですが、久居西鷹跡町出身の医学者、橘南谿(本名:春暉、1753~1805)もその一人です。 天明3(1783)年、南谿は京都で人体解剖を行いましたが、このことが歴史に残る事実となっているのは、自らが執刀したことにあります。それ以前にも解剖例はいくつかありましたが、医者はただ傍観していただけでした。というのもその当時、解剖は残忍で無益な行為と、想像を絶する非難を受けていたのです。しかし南谿は、一人の解剖が数千人の命を救うという信念のもとに、自ら主催者としてこれを実施したのでした。 |
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