「広報津」第249号(音声読み上げ)市長コラム

登録日:2016年5月1日

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市長コラム セットバック費用を助成します。狭い生活道路を広げましょう

津市長 前葉 泰幸

建築基準法は、都市計画区域内における建築物の敷地が幅4メートル以上の道路に接していることを求めています。しかし、法律が施行された昭和25年当時、古くからの市街地には既に4メートル未満の道路がそこかしこに存在していました。建築基準法の前身にあたる市街地建築物法ができた大正8年の時点では道幅9尺(約2.7メートル)以上が最低条件だったことも理由の一つです。

そこで、幅が4メートル未満の道路に接する敷地に、既に建築されていた建物は適法とし、建て替えの際などに順次道路から敷地を後退させるセットバックを求めていくことになりました。土地所有者のご協力により、いずれは4メートルの道路幅が確保されることを想定した措置です。言い換えると、道路の中心より2メートルに満たない部分の個人の敷地は道路と見なされ、そこに門や塀などを含めた建築物を築造することは認められないことになったのです。

しかしながら、法律の施行から66年が経過する今でも、セットバックが完了しない狭あい道路は数多く残ったままです。そればかりか、いったんセットバックして完了検査を受けた後、塀だけ元の位置に設置するといった違法事例も後を絶ちません。

このことについては、合併前の旧津市議会においても平成14年ごろから厳しく指摘する声が上がっておりました。建築確認の厳正化を求める意見や、セットバック費用の一部助成により長期的な視野で問題解決を図る提案が出ていました。それに対し市当局は、違法事案に対する是正指導を行うにとどまり、助成金についても財政負担などを理由に消極姿勢を貫いていました。「これでは狭あい道路はいつまでたってもなくならない」との指摘に対しては、研究会を立ち上げて検討中との答弁に終始していました。

何よりもどかしいのは、きっちりと敷地後退に応じてくださった市民からのご要望にも応じることができていなかったことです。後退した道路部分の整備などを求められても、市に用地を寄付していただかない限り、そこはあくまで個人の土地だからです。

市民の善意に応えられない市政であってはいけません。敷地を削って道路としてご提供くださる所有者だけにどこまでも負担を要求するばかりでは血の通った行政とは言えません。狭あい道路解消のために新たな財政負担が将来にわたって継続的に発生するとしても、重要な施策に優先的に財源を確保するのは当然のことです。津市の将来のまちづくりにかかわるこの重大な問題は、市民のご理解とご協力なしに解決することは不可能なのです。

そこで、新たに助成制度の創設を決意し、建築確認を所管する部局と道路整備に責任を持つ部局に対して、連携し一致協力して迅速に制度を構築するよう働き掛けました。懸案の事業費は国からの交付金を活用することで確保します。

新しい助成事業は今年の秋から始まります。道路後退線の確定のための測量や道路用地を市にご寄付くださる際の分筆登記手続き、後退用地内の塀や樹木などの撤去に要する費用の一部を助成します。敷地が対象道路などに挟まれていたり、敷地角部分を削って見通しを確保し安全に通行できるようにしたりする場合には報償金もご用意します。寄付を受けた道路用地は迅速な整備を心掛けます。

対象となる敷地にお住まいの市民の皆さま、どうかこの助成事業をご活用ください。住みやすい津のまちを目指して、まずは敷地単位でコツコツと身近な生活道路を広げていきましょう。

市長の活動日記から

JR名松線全線復旧記念式典(伊勢奥津駅ほか) 3月26日

被災から6年半、日本一長い時を乗り越え、名松線が全線運行を再開し、一番列車の出発をお祝いしました。この奇跡の原動力は復旧を願う地域住民の熱意と努力に他なりません。

防衛省との用地交換契約調印式 3月30日

陸上自衛隊久居駐屯地と市有地との用地交換契約を締結しました。久居駅東口の市道をまっすぐに延伸し、駅前広場には防災設備を配置します。駐車場・駐輪場も整備します。
 


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