このページは、音声読み上げソフトウェアに対応するため、語句のなかで一部ひらがなを使用しています。
折り込み紙4
平成30年3月16日発行
人権課 電話番号229-3165 ファクス229-3366
津市では、一人一人の人権が尊重される明るく住みよい社会の実現を図るため、人権が尊重される津市をつくる条例を制定し、この条例に沿って策定された津市人権施策基本方針に基づき、人権施策を総合的に推進しています。
これら人権施策の推進にあたっては、これまで市民の皆さんと共に関係機関、関係団体などと連携し協力し合いながら、あらゆる人権課題の解消に向けたさまざまな取り組みを進めてきました。
新たな津市が生まれてから10年余りが経過する中で、改めて市民の皆さんが人権や差別に対して、どのように考え、どのような行動をされているかなどを把握するため、昨夏に人権に関する市民意識調査を実施しました。現在、その調査結果を集約しまとめているところですが、今後は、この調査結果を参考にしながら人権に関する啓発を中心に取り組みを進めていきます。
差別を生むのも差別をなくしていくのも、私たち自身の問題であり、相手の痛みを自分の痛みとして捉えることが大切なことではないでしょうか。
皆さんに人権意識を深めていただき、皆さんとともに差別や偏見のない一人一人の人権が尊重される津市を築いていくための取り組みを今後も進めていきます。
平成29年11月、世界経済フォーラムは各国における男女格差を測るジェンダー・ギャップ指数を発表し、日本は144カ国中114位でした。この指数は、経済、教育、政治、保健の4分野で分析し、数値化したもので、日本は昨年の111位より3つ順位を落とし、過去最低記録を更新しました。世界の国々の状況と比較して低い水準に留まっています。
平成29年10月22日に行われた衆議院議員選挙において、女性候補者の割合は戦後最高を記録しましたが、衆議院議員における女性が占める割合は465人中47人(同年11月1日現在)と10パーセント程度に留まっています。これは政治は男性のものといった固定的な性別役割分担意識や考え方が原因の一つだと思われます。
国は政治分野だけでなく社会のあらゆる分野において、2020年までに指導的地位に占める女性の割合を少なくとも30パーセント程度とする目標(202030運動)を掲げています。津市においても、各種計画の策定や市政運営などの政策方針決定の場である審議会や委員会の女性委員比率について、目標値を30パーセント以上と設定し取り組みを進めていますが、23.5パーセント(平成29年6月1日現在)と目標値に達していません。このような重要な政策方針決定の場に女性が参画することで、多様な意見が反映されるのではないでしょうか。
さらに、平成28年9月に津市が実施した男女共同参画に関する市民意識調査によると、男は仕事、女は家庭という固定的な性別役割分担意識が依然として残っており、あらゆる場において男女の格差や壁を生み出しているという結果になっています。皆さんも性別を理由に何かを我慢したり、諦めたりした経験はないでしょうか。性別に関わらず自己実現できる社会をつくっていくには、従来の慣習にとらわれず、一人一人の意識を変革していくことが必要です。
津市では、男女共同参画について身近に感じてもらえるよう、男女共同参画フォーラムや講演会、三重県内男女共同参画連携映画祭などを通して啓発活動を実施しています。皆さんもこのような場に参加し、改めて男女共同参画について考えてみる機会にしてみませんか。
世界経済フォーラムとは、政治、経済、学術などの各分野における指導者の交流促進を通して世界情勢の改善に取り組むために設立された国際機関。スイスのジュネーブに本部を置き、ダボスで開催される年次総会(ダボス会議)においてさまざまな指標を発表している。
昨年11月、サンデルタ香良洲で市民人権講座が開催され、フルハウス在宅介護支援センターの近藤良子さんによる次のターゲットはあなたかも?と題した講演がありました。
いま、平均寿命の大幅な伸びや少子化を背景にして、全国的に高齢化社会が急速に進展してきています。そして、寝たきりや認知症などの介護を必要とする高齢者が増え、また世帯の構成では核家族化が進み、一人暮らしの高齢者や高齢夫婦のみの世帯も増加しています。
講演会では、地域在宅介護支援というご自身のお仕事の中で、近藤さんが実際に今まで関わってこられた高齢者の虐待被害や詐欺被害など、いろいろなケースを中心に、参加した市民の皆さんに実態を知ってもらおうと話をされました。
誰であれ、年齢を重ねれば身体的にも衰えが生じることは避けられません。しかし、そうしたことを理由に差別をするという行為は許されるものではありません。そして、介護をする人もまた、無理をしたり孤立してしまうことがないよう、地域として支え合える社会が望まれます。
高齢者が、自分の住み慣れた地域や家で、地域とのつながりを持って安心して生活ができるよう、また、その豊富な経験や能力を生かしながら、生きがいを持っていきいきとした生活ができる。そんな社会の実現をみんなで目指していきましょう。
外国人だから、いじめられないか心配です。10年前、担任するブラジルにつながるAさんの家に初めて家庭訪問した時の、Aさんのお母さんの言葉です。私はお母さんにこう返しました。外国人とか関係ないですよ。大丈夫ですよ。
年度が変わり、新しく担任したクラスには、ボリビアにつながるBさんがいました。私はBさんのお父さんからも、Aさんのお母さんと同じ言葉を再び聞くことになりました。
それからも、外国につながる子どもを担任するたびに、このような思いを聞くことになります。そこには、この不安な気持ちを子どもたちやおうちの人が抱えさせられている現実がありました。
日常会話は話せても、教科書の日本語が難しくて苦労している子どもがいます。日本で暮らしていくために、また、みんなと一緒に学校生活を送りたいという思いから、日本語の勉強に一生懸命取り組む姿があります。子どもたちが互いを理解し、不安なく過ごせるようにとブラジルやフィリピンなど母国のダンスや遊びを教えに来てくれるお母さんたちの姿があります。生まれた国が違っても、子どもを愛する気持ちは同じ。私は日本語があまり上手じゃない。でも、子どもにはしっかり勉強して力をつけてほしい。だから私もがんばって家で勉強をみている。そんな思いをもって日本で生きる外国につながる人たちがいます。
そのような人たちとの出会いを通して、私自身が気付かされたことがあります。私は、生まれた国が違っても、日本語が話せなくても、いじめられたり差別されたりすることはあってはいけないと思うし、そう思っている人はたくさんいると思います。しかし、日本で暮らす外国につながる人たちが不安を抱えさせられているのが現実です。そのような現実を見ようとも知ろうともせずに言った私の、外国人とか関係ないですよという言葉は、Aさんのお母さんにどのように届いたのでしょう。冷たく無責任な言葉だったと、今、振り返って思います。外国につながる人たちに、不安な気持ちを抱えさせていたのは、まさに私自身だったのです。
人は、どこに生まれようと、どこで暮らそうと、幸せに生きていく権利があり、周りの人の意識によって、その権利が奪われることがあってはならないといった言葉をよく聞きます。でも、そんな周りの意識を作っている一人が私だったのだと思います。
誰もが幸せになる社会を作っていくのは私たち一人一人です。だからこそ私は、出会った人たちのことを忘れず、自らの意識や行動を問い続ける自分でありたいと思います。
外国につながる子どもとは、外国籍の子どもや、日本国籍を持っていても外国にルーツを持つ子どものことをいいます。
同和問題とは、特定の地域出身であることや、そこに住んでいるということを理由に差別するという重大な人権問題です。この差別は、部落差別とも呼ばれます。
平成28年12月16日に部落差別の解消の推進に関する法律(部落差別解消推進法)が公布・施行されました。この法律は、部落差別が現実に今でも存在していることを明記した上で、情報化社会の進む中で部落差別に関する状況の変化が生じていることを踏まえ、部落差別のない社会を実現することを目的としています。
津市では、これまでも人権教育及び人権啓発の推進に関する法律(平成12年12月公布・施行)を踏まえ、津市人権施策基本方針(平成19年7月策定)の中で同和問題を重大な人権課題の一つとして掲げて、その解決に向けて取り組んできました。
これまでの啓発や教育によって、人権尊重について一定の理解が進んでいる今日の社会では、同和問題に関する差別的な行為は見えにくくなっています。そのため部落差別はなくなったと思っている人もいます。また、同和問題を知らない人に同和問題を教えるから、差別はなくならない。そっとしておけば自然になくなると考える人もいます。
近年、インターネットが急速に普及し、その中でもスマートフォンからのインターネット利用率が大幅に増加していることが総務省の調査により報告されています。誰もがスマートフォン端末などを利用すれば、いつでもどこでも情報にアクセスできる社会となってきました。
インターネットは、情報を簡単に得ることができる手段として非常に便利である一方、インターネット上の情報は全てが正しいとは限りません。その中には、差別や偏見に満ちた書き込みも少なくありません。またインターネットの掲示板などを利用して、部落差別を助長する目的で、具体的な地名の書き込みや、同和問題の解決に向けて取り組んでいる個人・団体や関係機関を誹謗・中傷する書き込みがなされるといった事象も発生しています。このことをこんなことを書き込む人の問題として放置すれば、傷つけられる人も放置されてしまうことになります。そして、いったんインターネット上で公開されたものは、削除してもそのコピーがすでに拡散し、取り消すことが非常に困難です。このように、今なお、部落差別はなくなったといえる状況にはなっていません。
部落差別のない社会を実現するためには、私たち一人一人が同和問題について正しく理解し、部落差別をしない、から、部落差別を許さない、差別的な行為を放置しない、と、さらに人権意識を高めていくことが必要です。
東京2020オリンピック・パラリンピックの開催まで、あと2年数カ月になりました。
大会ホームページでは、スポーツには世界と未来を変える力がある。と掲げ、すべての人が自己ベストを目指し(全員が自己ベスト)、一人ひとりが互いを認め合い(多様性と調和)、そして、未来につなげよう(未来への継承)の3つを基本コンセプトとし、世界中の人が多様性と調和の重要性を改めて認識し、共生社会を育む契機となるような大会とするとしています。
オリンピック憲章では、スポーツすることは人権の一つであるとされ、オリンピックは、スポーツの祭典としてだけではなく、スポーツを通して平和でよりよい世界の実現に貢献するために開催されているともいえるのです。
いわないで 自分がいわれて 嫌なこと
明小学校4年生の嶸山日鞠さん
誰かが止める 誰かじゃなくて僕私
一志中学校1年生の鎌倉和奏さん
認め合う違いは人との壁じゃない
美杉中学校1年生の亀本帆美さん
久居東中学校2年生の牛ノ濵悠生さん
一身田小学校5年生の真川四葉さん
豊津小学校6年生の山野華蓮さん
みさとの丘学園6年生の木下遥さん
香良洲小学校5年生の米川ひなさん
一志西小学校5年生の宇野水晶さん
倭小学校6年生の谷彩衣さん
榊原小学校6年生の竹田愛音さん
明小学校5年生の平井祐実さん
草生小学校6年生の佐南杏さん
美杉小学校5年生の樋口瑠斗さん
一身田中学校1年生の島田朔良さん
朝陽中学校2年生の入山秋穂さん
みさとの丘学園8年生の東山野乃花さん
美杉中学校2年生の嶋田佳純さん
芸濃中学校1年生の木内理央さん
東観中学校3年生の片田実采希さん
香海中学校1年生の福島知樹さん
一志中学校3年生の川本華加さん
白山中学校3年生の鏡由衣さん