「広報津」第309号(音声読み上げ)下水道局だより

登録日:2018年11月1日

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折り込み紙3

下水道局だより

未来に引き継ぐ下水道 ボリューム2
平成30年11月1日発行
下水道局 電話番号239-1030 ファクス239-1037

市民の皆さんに津市の下水道事業をもっと知っていただくため、課題や経営状況についてシリーズでお話ししていきます。広報津9月16日号折り込み紙の第1回目では、公共下水道事業で汚れた水をきれいにする仕事と雨水を排水する仕事をしていることや、汚れた水をきれいにするために必要な使用料が不足していることをお伝えしました。
第2回目は下水道使用料や決算の状況などについてお話しします。

59円も足りない使用料単価

子どものコメント
前回は、平成28年度は下水道使用料が29億円必要なのに、14億円も足りないってことだったけど、今の使用料ってどうやって決まったのかな。

先生のコメント
平成18年1月の市町村合併のときに話し合って決めたんだ。それから12年間変わっていないんだよ。

子どものコメント
値上げしてないのはうれしいよね。

先生のコメント
できるだけ皆さんの負担が少なくなるように努力してきたんだけど、平成29年度も下水道使用料が31億円必要なのに、16億円も足りなかったんだ。

子どものコメント
使用料が安いのかな。

先生のコメント
そうなんだ。平成29年度は汚れた水をきれいにするための原価が1立方メートル当たり177円なんだけど、津市の使用料単価は118円だったんだ。

子どものコメント
きれいにするには177円必要なのに、もらうお金が118円だと59円も足りないね。

先生のコメント
そうなんだ。この不足分を税金で賄っているんだよ。

汚水処理原価と使用料単価の比較(平成29年度決算値)

  • 汚水処理原価 1立方メートル当たり 177円
  • 使用料単価 1立方メートル当たり 118円

汚水処理原価に対し使用料単価が不足する額は、177円から118円を引いて、1立方メートル当たり59円となります。

三重県内の市で一番安い使用料単価 平成28年度決算で比較

子どものコメント
他の市の使用料ってどれくらいなのかな。

先生のコメント
県内の市で使用料の単価を比べてみたから次のグラフを見てみて。国は適正な使用料単価を1立方メートル当たり150円以上と考えているから、150円を超えているところが多いよね。
津市は下水道を使っている人の負担を少なくできるよう努力してきたから使用料が安いんだ。

(ここからグラフ)

県内各市の使用料単価(1立方メートル当たりの金額)の比較

  • 津市 121円
  • いなべ市 122円
  • 鈴鹿市 140円
  • 伊賀市 145円
  • 総務省 基準単価 150円
  • 亀山市 152円
  • 四日市市 152円
  • 伊勢市 154円
  • 県内平均 163円
  • 桑名市 164円
  • 松阪市 175円
  • 鳥羽市 182円
  • 名張市 191円
  • 志摩市 255円

出典 総務省 平成28年度末 地方公営企業決算状況調査
使用料単価は毎年度変動します

(グラフここまで)

子どものコメント
でも、このままでは下水道の整備や維持管理をするのに下水道を使ってない人たちの税金をずっと使い続けることになるよね。

先生のコメント
そうならないように、津市下水道事業基本計画っていう10年間の計画を作ったんだ。

津市下水道事業基本計画とは 効率的な運営のために

先生のコメント
津市下水道事業基本計画では、次のことを考えているんだよ。

  • どうすれば下水道の整備や維持管理をする費用を抑えることができるか。
  • 使用料の収入を増やすためには、どのように整備を進めれば効率的か。
  • 税金で賄っている使用料の不足分をどうしたら減らしていけるのか。

子どものコメント
いろいろ考えているんだね。

先生のコメント
皆さんの使用料で運営しているから、少しでも経費を減らせるように努力しているんだけど、今の使用料のままで運営していくのは難しいんだ。
計画は津市のホームページでも見られるよ。
ホームページは、津市下水道事業基本計画で検索してね。

苦しいやりくりが続いている平成29年度決算の状況

収益的収支と資本的収支のグラフ

収益的収支とは、その年度の下水道事業の提供に必要な費用と、収益(主に下水道使用料)のことです。
資本的収支とは、下水道を将来にわたって維持するために必要な施設の整備や拡充などに係る費用と、それを行うための財源となる収入(補助金や借入金)のことです。
金額はすべて税抜きです。

収益的収支
  • 収益的収入 103億2,466万8,708円
  • 収益的支出 84億6,674万3,644円
  • 純利益 18億5,792万5,064円
収益的収入の内訳
  • 一般会計からの繰入金50億4,453万6,418円
  • 下水道使用料15億3,676万2,273円
  • 長期前受金戻入35億7,437万6,484円
  • その他収益1億6,899万3,533円
収益的支出の内訳
  • 減価償却費等50億217万470円
  • 借入金利息12億4,311万3,048円
  • 維持管理費等18億8,266万5,017円
  • 人件費3億3,879万5,109円
不足額

使用料不足分16億円

資本的収支
  • 資本的収入 45億9,832万2,102円
  • 資本的支出 78億7,058万8,197円
  • 収支差引 マイナス32億7,226万6,095円
資本的収入の内訳
  • 企業債(借入金) 29億2,510万円
  • 負担金・補助金 16億1,288万8,182円
  • 受益者負担金および分担金 6,033万3,920円
  • 不足額 32億7,226万6,095円(損益勘定留保資金等で補てんしました)
資本的支出の内訳
  • 借入金の返済 48億5,414万6,200円
  • 流域下水道建設負担金等 4億9,401万2,040円
  • ポンプ場等整備にかかる費用 6億4,241万6,410円
  • 雨水管整備にかかる費用 2億9,430万8,774円
  • 汚水管整備にかかる費用 15億8,570万4,773円

業務量の概要

平成30年3月31日現在

  • 行政区域内人口 27万9,857人
  • 処理区域内人口 13万931人
  • 水洗化人口 11万6,173人
  • 普及率(処理区域内人口 割る 行政区域内人口) 46.78パーセント

グラフの説明

子どものコメント
収益的収支で18億円の利益が出ているけど使用料がたくさんあったのかな。

先生のコメント
使用料がたくさんあったわけじゃないんだ。
この利益は、使用料の不足分として税金で賄った16億円や、現金収入にならないんだけど過去にもらった補助金などを毎年少しずつ収益化している長期前受金戻入36億円が含まれているから、実際に18億円の利益が出たわけじゃないんだよ。

子どものコメント
使用料で賄わなければいけないのに税金を使っているんだね。それに資本的収支は、不足額が33億円もあるけど大丈夫なのかな。

先生のコメント
実は下水道事業などを運営している企業会計では、翌年度に繰り越される工事の費用などに充当される費用も考えないといけないから、実際の不足額は37億円になるんだ。

子どものコメント
不足額がもっと増えるのかな。

先生のコメント
そうなんだ。37億円の不足額は、将来の更新に備えた貯金である損益勘定留保資金34億円や平成29年度に借り入れが確定し平成30年度に借り入れる3億円から支払ったんだよ。

子どものコメント
使用料だけでは足りない分の税金16億円もここで使っているんだね。でもこれってよくないよね。

先生のコメント
その通り。本来使用料で賄わなければいけないんだけど、税金を使わないと下水道事業は経営ができない苦しい状態なんだよ。

子どものコメント
いつもお金が足りないみたいだけど、何にお金がかかっているのかな。

先生のコメント
それじゃあ次回は、汚れた水をきれいにするためにどのような費用がかかっているのかとその費用をどれくらい賄えているかについてお話しするね。


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