令和3年度課税の改正点

登録日:2020年12月17日

令和3年度課税の改正点

令和3年度の個人住民税から適用される主な改正点をお知らせします。

 

給与所得控除・公的年金等控除から基礎控除への振り替え

 働き方の多様化を踏まえ、特定の収入にのみ適用される給与所得控除・公的年金等控除の控除額を一律10万円引き下げ、どのような所得にでも適用される基礎控除の控除額が10万円引き上げられました。

注:給与所得と年金所得の双方を有する人はいずれかの控除のみが減額されます。

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出典:パンフレット「平成30年度税制改正」(財務省)を加工して作成

 

給与所得控除の改正

(1)給与所得控除額が一律10万円引き下げられました。

(2)給与所得控除の上限額が引き下げられました。給与等の収入金額が850万円を超える場合、給与所得控除額は195万円が上限とされました。

 

【改正後】給与所得の計算表

注:給与等の収入額が660万円未満の場合は、給与所得は上記の表にかかわらず所得税法別表第5により求めます。

給与等の収入金額(A) 給与所得の金額
~550,999円 0円
551,000~1,618,999円 A-550,000円
1,619,000~1,619,999円 A-1,069,000円
1,620,000~1,621,999円 A-1,070,000円
1,622,000~1,623,999円 A-1,072,000円
1,624,000~1,627,999円 A-1,074,000円
1,628,000~1,799,999円

A÷4=B

(1,000円未満を切り捨て)

B×2.4+100,000円
1,800,000~3,599,999円 B×2.8-80,000円
3,600,000~6,599,999円 B×3.2-440,000円
6,600,000~8,499,999円 A×0.9-1,100,000円
8,500,000円~

A-1,950,000円

  

【改正前】給与所得の計算表

注:給与等の収入額が660万円未満の場合は、給与所得は上記の表にかかわらず所得税法別表第5により求めます。

 給与等の収入金額(A)  給与所得の金額 
 ~650,999円  0円
 651,000~1,618,999円  A-650,000円
 1,619,000~1,619,999円  A-969,000円
 1,620,000~1,621,999円  A-970,000円
 1,622,000~1,623,999円  A-972,000円
 1,624,000~1,627,999円  A-974,000円
 1,628,000~1,799,999円

 A÷4=B

(1,000円未満を切り捨て)
 

 B×2.4円
 1,800,000~3,599,999円  B×2.8-180,000円
 3,600,000~6,599,999円  B×3.2-540,000円
 6,600,000~9,999,999円   A×0.9-1,200,000円
 10,000,000円~   A-2,200,000円

 

 公的年金等控除の改正

(1)公的年金等控除額が一律10万円引き下げられました。

(2)公的年金等の収入金額が1,000万円を超える場合、公的年金等控除は195万5,000円が上限とされました。

(3)公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額が1,000万円を超え2,000万円以下である場合には一律10万円が、2,000万円を超える場合には一律20万円が、それぞれ(1)および(2)の見直し後の公的年金等の控除額から引き下げられました。

 

 【改正後】公的年金等に係る雑所得の計算表

65歳未満の場合

公的年金等の収入金額A 公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額
1,000万円以下 1,000万円超2,000万円以下 2,000万円超
130万円以下 A-60万円 A-50万円 A-40万円
130万円超410万円以下 A×0.75-27万5千円 A×0.75-17万5千円 A×0.75-7万5千円
410万円超770万円以下 A×0.85-68万5千円 A×0.85-58万5千円 A×0.85-48万5千円
770万円超1,000万円以下 A×0.95-145万5千円 A×0.95-135万5千円 A×0.95-125万5千円
1,000万円超 A-195万5千円 A-185万5千円 A-175万5千円

  

65歳以上の場合

公的年金等の収入金額A 公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額
1,000万円以下 1,000万円超2,000万円以下 2,000万円超
330万円以下 A-110万円 A-100万円 A-90万円
330万円超410万円以下 A×0.75-27万5千円 A×0.75-17万5千円 A×0.75-7万5千円
410万円超770万円以下 A×0.85-68万5千円 A×0.85-58万5千円 A×0.85-48万5千円
770万円超1,000万円以下 A×0.95-145万5千円 A×0.95-135万5千円 A×0.95-125万5千円
1,000万円超 A-195万5千円 A-185万5千円 A-175万5千円

 

【改正前】公的年金等に係る雑所得の計算表

65歳未満の場合

公的年金等の収入金額A 公的年金等の所得金額
130万円以下 A-70万円
130万円超410万円以下 A×0.75-37万5千円
410万円超770万円以下 A×0.85-78万5千円
770万円超 A×0.95-155万5千円

65歳以上の場合

公的年金等の収入金額A 公的年金等の所得金額
330万円以下 A-120万円
330万円超410万円以下 A×0.75-37万5千円
410万円超770万円以下 A×0.85-78万5千円
770万円超 A×0.95-155万5千円

 

基礎控除の改正

(1)基礎控除額が10万円引き上げられました。

(2)合計所得金額が2,400万円を超えると、その金額に応じて控除額が段階的に減少し、2,500万円を超えると、基礎控除は適用されなくなりました。

(3)(1)および(2)の見直しに伴い、基礎控除が適用されない合計所得金額2,500万円超の納税義務者は、調整控除(注)が適用されなくなりました。

注:調整控除:税源譲渡に伴い生じる所得税と個人住民税の人的控除(基礎控除、扶養控除等)の差額に基づく負担増を調整するため、所得割額から一定の金額を控除するもの

合計所得金額 基礎控除額(改正後) 基礎控除額(改正前)
2,400万円以下 43万円 33万円
2,400万円超2,450万円以下 29万円
2,450万円超2,500万円以下 15万円
2,500万円超 適用なし

 

 所得金額調整控除の創設

子ども・特別障害者等を有する人等の所得金額調整控除

 給与所得控除の上限額が220万円から195万円に引き下げられたことにより、給与等の収入金額が850万円を超える人は税負担が増えることになります。これらの人の子育てや介護に対して配慮する観点から措置が取られました。

・給与等の収入金額が850万円を超え、次のいずれかに該当する場合には、給与等の収入金額(1,000万円を限度)から850万円を控除した金額の10%に相当する金額が、給与所得の金額から控除されます。

 (1)本人が特別障害者に該当する

 (2)年齢23歳未満の扶養親族(注)を有する

 (3)特別障害者である同一生計配偶者または扶養親族(注)を有する

注:16歳未満の扶養親族については扶養控除対象外ですが、所得金額調整控除の対象となります。

 

控除額=(給与等の収入金額(1,000万円を限度)-850万円)×10%

 

給与所得と年金所得の双方を有する人に対する所得金額調整控除

 給与所得、公的年金等に係る雑所得の両方を有する人については、給与所得控除額・公的年金等控除額の両方が10万円引き下げられていることから、基礎控除の額が10万円引き上げられたとしても、給与所得、公的年金等に係る雑所得の金額によっては、給与所得控除額・公的年金等控除額の合計額が10万円を超えて減額となり、負担増が生じるケースがあります。このような場合の負担増が生じないようにするために、措置が取られました。

・給与所得・公的年金等に係る雑所得の金額の合計額が10万円を超える場合、給与所得(10万円を限度)・公的年金等に係る雑所得(10万円を限度)の金額の合計額から10万円を控除した残額が、給与所得の金額(子ども・特別障害者等を有する人等の所得金額調整控除の適用がある場合にはその適用後の金額)から控除されます。

 

控除額=(給与所得(10万円を限度)+公的年金等に係る雑所得(10万円を限度))-10万円

 

非課税基準と所得控除等の合計所得金額の要件などの改正

要件など 改正後 改正前
同一生計配偶者および扶養親族の合計所得金額要件 48万円以下 38万円以下
配偶者特別控除の対象となる配偶者の合計所得金額要件

48万円超

133万円以下

38万円超

123万円以下

勤労学生の合計所得金額要件 75万円以下 65万円以下
家内労働者等の事業所得等の所得計算の特例(必要経費に算入する金額の最低保証額) 55万円 65万円
雑損控除に係る親族の総所得金額等要件 48万円以下 38万円以下
ひとり親控除(改正前:寡婦(寡夫)控除)に係る生計を一にする子の総所得金額等要件 48万円以下 38万円以下
障害者、未成年、ひとり親または寡婦(改正前:寡婦または寡夫)に対する非課税措置の合計所得金額要件 135万円以下 125万円以下
均等割の非課税限度額の合計所得金額(非課税となる人) 同一生計配偶者および扶養親族がない人 31万5,000円+10万円 31万5,000円
同一生計配偶者および扶養親族がある人 31万5,000円×(同一生計配偶者+扶養親族数+1)+10万円+18万9,000円 31万5,000円×(同一生計配偶者+扶養親族数+1)+18万9,000円
所得割の非課税限度額の総所得金額等(均等割のみ課税される人) 同一生計配偶者および扶養親族がない人 35万円+10万円 35万円
同一生計配偶者および扶養親族がある人 35万円×(同一生計配偶者+扶養親族数+1)+10万円+32万円

35万円×(同一生計配偶者+扶養親族数+1)+32万円

 

未婚のひとり親に対する税制上の措置と寡婦(寡夫)控除の見直し

 全てのひとり親家庭の子どもに対して公平な税制を実現する観点から、「婚姻歴の有無による不公平」と「男性のひとり親と女性のひとり親の間の不公平」を同時に解消するために、以下の措置が講じられました。

(1)ひとり親控除

 婚姻歴の有無や性別にかかわらず、生計を一にする子(総所得金額等が48万円以下)を有する単身者に「ひとり親控除」(控除額30万円)が適用されます。(注:本人の合計所得金額が500万円以下の場合に限る)

(2)寡婦控除

 (1)以外の寡婦については、引き続き、寡婦控除として控除額26万円が適用され、子以外の扶養親族を有する寡婦も所得制限(合計所得金額が500万円以下)が設けられました。

(3)非課税措置

 (1)または(2)に該当し、合計所得金額が135万円以下の人は、非課税とされました。

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出典:パンフレット「令和2年度税制改正」(財務省)を加工して作成

 

チケット代金等払戻請求権の放棄に係る寄附金税額控除の特例

 新型コロナウイルス感染症の影響により、中止・延期・規模縮小となった文化芸術・スポーツイベントについてチケットなどの払戻請求権を放棄した場合で、地方公共団体が条例で指定したときは、20万円を上限に個人住民税(市民税・県民税)の寄附金税額控除の対象となりました。

対象のイベント要件

 令和2年2月1日から令和3年1月31日までに日本国内で開催される予定であった文化芸術またはスポーツに関するもので、不特定かつ多数の者を対象とするもの

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