津市(このまち)で輝く vol.112

ページ番号1012727  更新日 2026年4月30日

伐り出された丸太を材木として出荷するための準備をする結城さん

林業者 結城 大智さん

1995年美杉町上多気生まれ。近畿大学工業高等専門学校を経て、2016年家業である森守へ入社。郷土愛に溢れ、5月の連休に100を超えるこいのぼりを揚げる町おこし“多気こいのぼり”の仕掛け人としても活躍

 

託された森で生き 次世代へ引き継ぐ山を育てる

 「大智、伐ってみるか」。伐採現場で圧倒的な存在感を放つ、幹周り2mの巨木を見上げ、結城さんは息をのんだ。山仕事の師匠である父から伐倒を任された興奮の裏で、逃げ場のない重圧がじわりと迫る。失敗は許されない。百年以上生きた木の生命力に思わず気おされた。「木の迫力にのまれるな」と父の声がこだました。これが初めて大径木と対峙した時の記憶。
 結城さんが林業を志した原点は、幼少期にさかのぼる。仕事から帰った父は、大鋸屑にまみれ、チェーンオイルで黒く汚れていた。その姿を、山や木と懸命に戦ってくれている証だと感じていた。木を扱うだけでなく、山の姿を整え、災害を防ぎ、地域の暮らしを支える そんな仕事が林業だと、父の背中から学んだ。常に危険と隣り合わせ。それでも「いつか父のように山の仕事をしたい」と、尊敬と憧れの中で芽生えた思いは、やがて揺るがぬ決意へと変わっていった。
 「山は一代では育ちません。祖父の世代が育てた山で自分たちは仕事をしている。だから自分も、次世代へ引き継ぐ山を育てているんです」
 木を伐り、使い、育てる。この循環を守ることが、自分の役目だという。そのまなざしの先には、次の世代へと連なる、壮大な山の時間が続いている。

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