令和2年2月 教育方針

登録日:2020年2月21日

 令和2年度に重点的に取り組む教育施策の方針について御説明申し上げます。

 本市では平成29年1月に策定された教育大綱を引き継ぎながら、さらに教育施策を推進していくため、本年1月に新たな教育大綱が策定されました。

 策定にあたっては、懇談会を開催して学校現場や保護者の皆様の声を把握し、その後の総合教育会議では力を入れて取り組んでいくポイントについての活発な協議が行われました。こうして策定された今回の大綱では、3つの着眼点が示されています。1つ目は「教員が子どもたちと向き合う時間の確保」、2つ目は「組織体制の構築による信頼される学校づくり」、3つ目は「未来へとつながる教育・子育て環境の整備」でございます。

 教員が子どもたちと向き合う時間的・精神的な余裕を確保し、授業等の教育指導に専念できる環境を整備することは、学力向上や安全安心な学校づくりのために重要なことであり、今後も教員の持つ力を最大限子どもたちに注いでいけるような学校への支援策を積極的に進めていかなければなりません。

 また、信頼される学校づくりのためには、校長がリーダーシップを発揮して、マネジメントを行い、全ての教職員が1つのチームとなって教育活動に取り組むことができる組織体制の構築が求められます。このため、管理職の資質向上のための研修や校長をサポートする体制を充実させるなどの取組を強化していかなければなりません。

 さらに、学校施設の整備や放課後児童クラブの充実、幼児教育の継承・発展、様々な世代のニーズに応えられる社会教育環境の整備など、教育・子育ての環境を整えることも着実に進めていかなければなりません。

 こうしたことを踏まえ、令和2年度は、新たな教育大綱及び津市教育振興ビジョンに基づき、次の教育施策の取組を進めてまいります。

 

 まず、学校教育の充実について申し上げます。

 令和2年度から3年度にかけて小中学校及び義務教育学校において新学習指導要領が完全実施されます。その中で求められている「主体的・対話的で深い学び」を実現させ、これからの子どもたちに必要とされる資質や能力の育成を図るため、デジタル教材等を効果的に活用した取組や津市英語教育カリキュラムを踏まえた授業づくりなど、特定のテーマに特化した研究プロジェクトに取り組み、モデル校から発信される先進的な取組や公開授業などを通じて、中学校区及び津市全体に成果等を浸透させてまいります。

 また、各学校への指導主事訪問をより一層充実させ、研究授業だけでなく、日常の授業を参観するなど、各学校のニーズに応じた指導・助言を行うとともに、校内研修担当者や指導教諭等、授業改善の中心的な役割を果たすミドルリーダーを育成し、全ての教員の授業力向上を図り、わかる授業の実現に向けた取組を進めてまいります。

 さらに、情報活用能力を学習の基盤となる資質・能力と位置づけて、その育成を図るため、学校のICT環境を整備し、それらを活用した学習活動の充実を図ってまいります。

 特別支援教育については、平成30年度に作成した「津市版特別支援教育ハンドブック」を活用し、特別な支援が必要な子どもたちへの指導方法等について共通理解を図るとともに、通級指導教室のより一層充実した運用につなげてまいります。また、特別支援教育を中心となって推進していく人材を育成するための連続講座を実施してまいります。人的支援としては、特別支援教育支援員や学校サポーター等を効果的に活用し、関係機関等との連携の下、適切な対応につなげることができる体制をさらに強化するとともに、特別支援教育支援員を3人、幼児ことばの教室指導者を1人増員し、特別な配慮や支援が必要な子どもたちへのきめ細かな対応を進めてまいります。

 外国につながる児童・生徒教育については、昨年、敬和幼稚園の一室に移転した初期日本語教室「きずな」と、在籍校で行う「移動きずな」の充実を図るとともに、初期日本語指導を終えた子どもたちが、日本語での一斉授業において効果的な学びを実現するため「外国につながる子どもの教育支援プロジェクト事業」を進めてまいります。また、人権教育カリキュラムに基づいた人権教育に取り組むことで、子どもたち一人一人の人権意識を高め、外国につながる子どもたちや、全ての子どもたちが安心して過ごせる学校づくりを進めてまいります。

 いじめの問題や不登校については、各種研修会や関係機関等との連携による事例検討会の開催など、課題の改善に向けた取組を進めるとともに、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等の専門的なスタッフなどの多様な職種と連携を図り、チーム学校としての対応を強化してまいります。

 

 以上のような取組が成果を上げていくためには、これまで本市で行われてきた小中一貫教育における9年間を見通した指導や支援のより一層の充実を図るとともに、管理職のマネジメント力や教員一人一人の指導力及び対応力の向上が不可欠になります。このため、研修会や指導主事の学校訪問、学校運営相談員による支援などあらゆる機会において、その内容を充実させることにより、教職員の力量向上に努めてまいります。

 教職員の人材育成とともに、教員が子どもたちと向き合う時間の確保に係る施策も引き続き進めてまいります。本市においては、平成30年4月から市単独事業として教員支援員を4人、4校に配置し取組を進めるとともに、国の施策によるスクール・サポート・スタッフや部活動指導員の配置事業が、時を同じくして制度化されたことから、当該事業も積極的に活用してまいりました。

 平成31年4月からは、教員支援員を大規模な小学校3校に各1人を配置し、新たな取組として大規模な中学校6校及び小規模な小学校2校には、1人が2校勤務の体制とすることで、計7人を11校に配置しました。配置校へのアンケート結果によると、「教員が子どもたちと向き合う時間の確保」に十分効果があったことから、令和2年度においては、教員支援員を1人増員し、1人が2校勤務の体制とすることで配置校の拡大を図るとともに、スクール・サポート・スタッフや部活動指導員の更なる増員配置を県に要望してまいります。

 また、部活動については、「津市立中学校部活動指針」に基づき、部活動の休養日の適切な設定を通じて子どもたちや教員の負担軽減を図るとともに、教員の事務的作業を一層軽減するため、統合型校務支援システムの更なる有効活用を図ってまいります。

 さらに、令和元年度から取り組んだ三重弁護士会との連携については、管理職や生徒指導担当者等を対象とした研修会において、学校の危機管理について学んだり、事例検討会等において、法律の専門家である弁護士の指導・助言を得たりすることで、学校が抱えている課題を解決につなげることができました。今後、これらの成果を受けて、成功事例等を市内の学校が情報共有し、各学校の取組に生かすとともに、教員と弁護士が連携して、新たに子どもや保護者を対象とした授業や講座を実施することにより、事案の未然防止や早期解決を図ってまいります。

 

 幼児教育については、令和元年10月から実施された幼児教育・保育の無償化により、今後はさらに教育内容の一層の充実を図り、質の高い幼児教育を実践していくことが求められます。

 一方で、少子化や保育ニーズの高まりによって、市立幼稚園の園児数は減少が顕著であり、今後は幼児教育・保育の無償化による影響が一段と大きくなることが想定されます。このことから、園運営の継続が難しいと判断される場合は、適正規模集団での教育が、子どもにとっては必要であるという観点から、各地域の実情を十分に踏まえた上で、認定こども園への再編や休園・閉園に向けた取組を行ってまいります。その上で、引き続き公的な幼児教育の機能を果たしていく施設については、必要な施設改修等を行い環境整備を進めるよう取り組むとともに、施設利用に対する保護者ニーズを踏まえた提供環境や体制について検討を行ってまいります。

 また、こうした取組に加えて、今回の無償化を教育内容向上の良い機会と捉え、保育所や認定こども園とともに「津市幼児教育・保育カリキュラム」を有効活用しながら、質の高い幼児教育を展開していくことで、幼児教育の継承・発展に努めてまいります。

 

 これまで述べてきました学校教育の充実を図っていくため、子どもたちの安全安心でより快適な教育環境を整えてまいります。

 平成23年度から取り組んできた学校施設の大規模改造事業については、西が丘小学校(第三期)、久居中学校(第三期)の2校の改修工事で完了します。

 学校施設は将来を担う児童生徒の学習・生活の場であり、災害時には地域住民の避難所としても活用される極めて重要な施設であることから、国の国土強靭化計画の見直しの趣旨を踏まえ、今後は新たな取組として、スピード感を持って老朽化した校舎棟の長寿命化を図るために、第2期津市学校施設長寿命化計画を策定し、当該計画に基づき、令和2年度は安濃小学校、修成小学校及び朝陽中学校3校の設計業務に着手してまいります。

 また、桃園小学校では、「プレハブ教室解消」「図工室及び会議室の確保」「狭あいな職員室への対応」などの課題解決を図るため、バリアフリー対応も併せた増築工事を進めてまいります。

 トイレの洋式化については、屋内運動場のトイレの洋式化を進めているところですが、今後も校舎の改修工事やトイレの修繕の際、また個々の学校の実情に対応した整備に努めてまいります。その他の維持補修についても、適切に修繕等を行い、施設の適正な維持管理を行ってまいります。

 さらに、衛生管理の徹底した給食の提供、調理業務及び財政の効率化を図るため、令和2年度は、藤水小学校と雲出小学校間、戸木小学校と桃園小学校間で給食提供の共同化を開始するため、雲出小学校及び桃園小学校の配膳室を整備してまいります。

 

 次に、児童の放課後等の安全安心な居場所づくりについては、利用児童が増加している放課後児童クラブへのニーズに今後も的確に応えていくため、引き続き狭あい化している施設を中心とした施設整備を着実に進める必要があります。

 このため、芸濃こども園の整備に合わせ、椋本地区放課後児童クラブの2つ目の施設を芸濃保育園跡地に整備するとともに、学校法人が、豊が丘地区に新たに設置する放課後児童クラブの建設に係る補助を行うことで、狭あい化している放課後児童クラブ施設の解消を図ってまいります。

 また、成美放課後児童クラブ及び栗葉放課後児童クラブについて、それぞれ2つ目の施設を整備するための実施設計を行い、適正な児童の放課後等の居場所を確保してまいります。

 さらに、放課後児童クラブに対する運営補助金を増額するとともに、平成30年度から始めた臨時職員の放課後児童クラブへの従事について、これまで実施してきた夏季休業中だけでなく、春季及び冬季休業中も従事する取組を進めることで、放課後児童クラブの更なる運営支援を行ってまいります。

 

 公民館については、橋南公民館の移転に伴う旧修成幼稚園舎改修工事を進めるほか、施設の老朽化に伴った修繕等による適正な維持管理に努めるなど、学びやすい環境づくりを進めてまいります。

 また、公民館活動としては、ボランティア養成等の講座をはじめ、地域の人材育成を目的とした講座や、幅広い世代に対応した講座の充実を図るとともに、公民館の受講生等の仲間づくりを支援するなど、地域の人をつなぐ地域活動の拠点としての機能を推進してまいります。

 

 図書館については、読書から遠ざかりやすい時期である中高校生が興味や関心を持つような資料の提供や参加型イベントを実施し、地域や学校と連携しながら読書活動を推進してまいります。

 また、久居ふるさと文学館の利用者用駐車場については、久居アルスプラザでの事業との連携や展示ギャラリーの機能向上を図ることにより同文学館への来館者の増加が見込まれることから、三重中央農業協同組合営農センター久居の用地の取得について引き続き協議を進めてまいります。

 

 文化財の保護・活用事業については、市内の重要な文化財の指定を進めるとともに、地域に数多く所在する文化財を適切に保存してまいります。

 また、新たに久居ふるさと文学館の展示ギャラリーを利用して、2年目となる久居誕生350年事業と連携しながら、久居城下町遺跡など久居地域の歴史をより身近に感じられる資料を中心として、津市の主要な歴史資料に関する展示を行い、市民にわかりやすく郷土の歴史について学ぶ機会を提供してまいります。

 さらに、新たな新町会館において、谷川士清や新町地区に関する資料の展示、白山公民館内では白山地域の郷土資料の展示を行ってまいります。いずれの展示についても、ボランティアガイド会との連携を通じて、津市の魅力ある歴史・文化を発信してまいります。

 

 以上、令和2年度の教育方針について御説明申し上げました。

 今後も総合教育会議での議論を大切にしながら、その時点における教育課題を的確に把握し、教育委員会として、市民に開かれた教育行政の下、津市の子どもたちの幸せな将来を見据え、教育施策を具現化していく必要があります。

 そのため教育委員会は、教育施策について責任を持ち検証と改善を進め、庁内外の様々な機関と連携して、御協力をいただきながら、着実に教育行政に取り組んでまいります。

 市民の皆様、議員の皆様の御支援と御協力を賜りますようお願い申し上げます。

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