令和3年2月 教育方針

登録日:2021年2月18日

  令和3年度に重点的に取り組む教育施策の方針について、御説明申し上げます。

 令和2年度は、コロナ禍という困難な状況の中、当たり前のことが当たり前にできることの素晴らしさを実感するとともに、様々な大切なことに改めて気づくことができた1年でもありました。命を守ることの大切さ、修学旅行を含む学習保障の大切さ、子どもの居場所を保障することの大切さ、社会教育における場の提供の大切さ、平素から継続して行われている人権教育の大切さ等、これらは、コロナ禍だからこそ、改めて実感できたことでした。また、5回開催された総合教育会議も新型コロナウイルス感染症への対応が協議の中心となりました。

  令和3年度も、コロナ禍の中、新しい生活様式を踏まえた取組の継続が想定されますが、これまでの様々な気づきを生かしながら、持続可能な体制づくりに努め、将来の社会を担っていく子どもたちが、夢や希望を持ち続けながら、未来をしっかりと生き抜いていく力を身につけていくため、教育委員会はその役割をしっかり果たしてまいります。その際、学校や保護者、地域の方々の思いにしっかり耳を傾け、その思いを大切にしてまいります。そして、教育大綱や教育振興ビジョンを踏まえ、柔軟かつ着実に教育施策の取組を進めてまいります。

 

 まず、学校教育の充実について、具体的な取組を御説明申し上げます。

 Society5.0に対応できる人材を育成するため、これまでの様々な教育実践の蓄積を大切にしながら、津市GIGAスクール構想の実現に向けた取組を展開します。教育のあらゆる場面において、情報活用能力を学習の基盤となる資質・能力として位置づけ、その育成を図るため、ICTを活用した様々な取組を進めてまいります。

 とりわけ、特化研究プロジェクトとして、新学習指導要領の中で求められている「主体的・対話的で深い学び」を実現させ、これからの子どもたちに必要とされる資質・能力の育成を図ることを目的に、モデル校において、デジタル教材等の効果的な活用に関する実証研究を行います。その先進的な取組を中学校区等で共有し、市内全体に成果を広げてまいります。

 さらに、「津市e‐Learningポータル」等を活用した取組を推進し、学校での授業と家庭学習との連動を図ってまいります。こうした取組により、臨時休業の際の家庭学習も効果的に行えるようにし、コロナ禍においても、子どもたちの学びを保障してまいります。

 端末活用研修や英語教育推進研修等、教員のニーズに応じた研修会を実施したり、指導主事が、日常の授業を参観し、指導・助言を行ったりすることにより、授業改善の中心的な役割を果たすミドルリーダーを育成するとともに、全ての教員の授業力や対応力の向上を目指し、子どもたちにとってわかる授業の実現に向けた取組を進めてまいります。

 特別支援教育については、「津市版特別支援教育ハンドブック」を活用し、指導方法等についての共通理解を図り、学校サポーター及び特別支援教育支援員等の活用や医療関係機関等との連携のもと、支援体制の強化を図ってまいります。また、大学等と連携し、通級指導教室や幼児ことばの教室における指導や支援のより一層の充実を図ってまいります。さらに、引き続き、特別支援教育の中心を担う人材を育成するための連続講座を実施し、教員の資質向上を図るなど、特別な配慮や支援が必要な子どもたちへのきめ細かな対応に努めてまいります。

 外国につながる児童生徒への教育については、初期日本語教室「きずな」と、在籍校で行う「移動きずな」の充実を図るとともに、「外国につながる子どもの教育支援プロジェクト事業」として初期日本語学習を終えた子どもたちが、日本語での一斉授業において効果的に学べるよう取組を進めてまいります。就学前の外国につながる幼児に対しては、令和2年度より開始したプレスクール「つむぎ」の充実を図り、小学校生活に早期に対応できるよう取組を進めてまいります。

 人権教育については、人権教育カリキュラムに基づいて子どもたち一人一人の人権意識を高め、外国につながる子どもたちを含め、全ての子どもたちが安心して過ごせる学校づくりを進めてまいります。新型コロナウイルス感染症に伴う差別的行為や誹謗中傷を防止するために、教材等を作成して園・学校での取組を支援するとともに、外国につながる保護者の不安を軽減できるよう、通訳者の派遣等を継続してまいります。

 いじめの問題や不登校については、関係機関等と連携して事例検討会を開催するなど、課題の改善に向けた取組を進めるとともに、学校だけでは解決が困難な事案については、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、弁護士等、多様な専門的職種とネットワークを構築し、チームで対応してまいります。

 

 以上のような取組を進めるため、引き続き、教員が子どもたちと向き合う時間の確保に努めてまいります。

 市単独事業として配置を始めた教員支援員は、3年が経過し、教員が事務作業を依頼しやすい環境が作られ、学校における活用の幅が広がってきています。令和2年度は8人を16校へ配置しましたが、教員が子どもたちと向き合う時間の確保に十分な効果が見られることから、令和3年度は、さらに1人増員いたします。

 国の施策であるスクール・サポート・スタッフは、令和2年度当初、24校に25人を配置しました。年度途中からは、新型コロナウイルス感染症対策として、さらに44校に47人を追加配置し、児童生徒の検温や教室の消毒作業等、教員の業務支援を行っています。教員支援員と同様、教員の業務軽減に十分な効果が見られることから、令和3年度も更なる増員配置を三重県へ要望してまいります。

 部活動については、「津市立中学校部活動指針」を遵守するよう学校へ働きかけるとともに、三重県に対し、部活動指導員の増員配置を要望して、教員の負担軽減を図ってまいります。

 加えて、子どもたち一人一人の実態や各学校の課題に応じ、きめ細かな指導ができるようにするための取組も進めてまいります。

 これまで、国や三重県に対しては、感染症対策という視点も加えながら、少人数学級編制の推進を強く要望してまいりましたが、国において、義務標準法を改正し、小学校について学級編制の標準を5年かけて35人に計画的に引き下げることが示されました。これにより、令和3年度以降、小学2年生から順次35人学級が導入されます。さらに、中学校についても学級編制基準が引き下げられるよう、国に対して要望するとともに、県独自の少人数教育推進事業については、更なる充実と柔軟な対応を三重県に求めてまいります。

 また、全ての中学校区において構築してきた小中一貫教育における9年間を見通した指導や支援のより一層の充実を図るとともに、令和3年度中に全ての学校へ学校運営協議会を設置し、コミュニティ・スクールとして、独自性や地域の特色を生かしつつ、学校が地域と連携・協働して子どもたちを育む体制づくりを進めてまいります。

 学校教育の充実を図っていくためには、子どもたちが安全で快適に学ぶための施設整備を進めていく必要があります。

 学校施設は将来を担う子どもたちの学習・生活の場であり、災害時には地域住民の避難所としても活用される極めて重要な施設であることから、国の防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策の趣旨も踏まえ、普通教室を含む校舎棟のうち、外装、内装ともに劣化が進んでいる棟を選定して、外壁塗装、屋上防水等による機能維持やバリアフリーへの対応等を図るための長寿命化改修事業に取り組んでまいります。

 令和3年度は修成小学校、安濃小学校及び朝陽中学校の工事を実施するとともに、上野小学校、西橋内中学校及び橋南中学校の設計に着手してまいります。

 また、プレハブ教室の解消等のため、令和2年度から着手した桃園小学校は、普通教室棟の増築工事を実施してまいります。

 さらに、新型コロナウイルス感染症対策として、新しい生活様式に対応して換気を行いながら、子どもたちが静養できるように、引き続き、小・中学校保健室のエアコン整備を進めるとともに、屋内運動場及び校舎のトイレについて、より感染リスクの低い洋式トイレへ改修を進めてまいります。

 長期間にわたって、この新たな感染症とともに生活していかなければならないという認識を持ちながら、子どもたちの健やかな学びを保障するため、学校における感染及びその拡大のリスクを可能な限り低減しつつ、「学校の新しい生活様式」による学校運営と感染対策の徹底を図り、子どもたちが安心して学べる環境づくりを推進してまいります。

 

 幼児教育については、「津市幼児教育・保育カリキュラム」を有効に活用し、教育内容を充実させるとともに、令和2年度に設置した幼児教育アドバイザーを効果的に活用し、本市全体の幼児教育の質の向上を図ってまいります。さらに、保護者ニーズに沿った園運営を行うとともに、ICTを活用した研修を充実させるなど、職員の資質向上にも努め、質の高い幼児教育を展開させていくことで、幼児教育の継承発展に努めてまいります。

 また、地域における公的な幼児教育へのニーズに応えるための取組を進め、幼児教育を充実させていくとともに、関係課と連携し、令和4年4月の(仮称)河芸こども園開園に向けた準備を進めてまいります。

 

 児童の放課後等の安全安心な居場所づくりについては、利用児童が増加している放課後児童クラブへのニーズに的確に応えるため、引き続き、狭あい化している施設を中心とし、施設整備を計画的に進めてまいります。令和3年度は、成美放課後児童クラブの2つ目の施設を成美小学校内の多目的ルームに、栗葉放課後児童クラブの2つ目の施設を栗葉小学校の体育館ミーティングルームに、それぞれ改修整備を進めてまいります。さらに、南が丘地区放課後児童クラブの4つ目、誠之放課後児童クラブの2つ目の施設を整備するための実施設計を行い、適正な児童の放課後等の居場所確保につなげてまいります。

 また、放課後児童クラブの未設置校区である安東地区においては、令和2年度末で閉園する安東幼稚園の管理棟を活用して、放課後児童クラブを設置し、児童の放課後等の新たな居場所確保に取り組んでまいります。

 クラブの運営に関し、引き続き、新型コロナウイルス感染症対策や支援員確保のための支援を行うとともに、運営費補助金を増額するなど、放課後児童クラブの充実に向けた取組を進めてまいります。

 

 公民館については、市民の学習ニーズに応える各種講座を開催することで、学ぶ楽しさを実感し、学習の成果が暮らしの向上や地域課題の解決に活用できるよう支援するとともに、多世代の方が集い、つながりあう場として、地域コミュニティ活動を支援する魅力ある公民館活動を進めてまいります。

 また、公民館施設については、施設の老朽化に伴った修繕等による適正な維持管理に努めるとともに、新型コロナウイルス感染症対策として、より感染リスクの低い洋式トイレへの改修を進めるなど、利用者が安全で快適に学べる環境づくりを進めてまいります。

 

 図書館については、乳幼児から大人まで様々な年代へ読書の大切さを伝え、読書活動を推進してまいります。特に、読書から遠ざかりやすい時期である中高校生に対しては、地域や学校と連携しながら、興味や関心を持ってもらえるような資料の提供やイベントを実施してまいります。

 また、レファレンスサービスの強化のため、利用者が求める最新の資料の充実や職員の能力向上に取り組んでまいります。

 図書館を安心して御利用いただくため、おはなし会等の行事は、新型コロナウイルス感染症対策を講じた上で実施するとともに、久居ふるさと文学館及び河芸図書館については、より感染リスクの低い洋式トイレへの改修を進めてまいります。

 

 文化財については、市内の重要な文化財の指定を進めるとともに、地域の方々と協働して積極的に公開や展示を行い、郷土の歴史について、市民が学ぶ機会を創出してまいります。

 また、国指定史跡霧山城跡の斜面において発生した土砂流出箇所の復旧工事により、史跡の適切な保存や景観の保全を図るほか、埋蔵文化財センター特別収蔵庫の空調設備の改修により、所蔵する文化財の適正な保存環境を整えてまいります。 

 

 以上、令和3年度の教育方針について申し述べました。

 新型コロナウイルス感染症が社会全体に大きな影響を与え、教育現場においても先が見えない不安や様々な困難が生じています。そのようななかにあっても、子どもたちが、夢や希望を持ち、幸せな未来を迎えられるよう、教育委員会は絶えず課題と向き合い、責任を持って着実に一つ一つの施策に取り組んでまいります。

 今後も総合教育会議での議論を大切にしつつ、学校現場や保護者をはじめ、市民の皆様の声をしっかりお聞きしながら、教育行政を推進してまいります。

 市民の皆様、議員の皆様の御支援と御協力を賜りますよう、心からお願い申し上げます。

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