地震の基礎知識

登録日:2022年8月29日

地震発生のステップ

 地震発生の原因はプレートの移動によると言われています。プレートはマントルの対流により、年間数センチメートル移動しています。
 
 

地震発生のステップ

★ステップ1
 海洋プレートが大陸プレートにぶつかると、海洋プレートが大陸プレートの下にもぐり込んでいきます。
★ステップ2
 大陸プレートの先端部が引きずり込まれ、年々"ひずみ"が蓄積されてきます。
★ステップ3
 "ひずみ"が限界に達すると、大陸プレートが急に元に戻ろうとして跳ね上がり、地震や津波が発生します。

【用語】
プレート:地球の表層を形づくる、厚さ100キロメートル内外の岩盤。現在の地球の表面は、大小十数個のプレートで覆われている。
マントル:プレートの下から深さ約2900キロメートルまでの部分。岩石でできた固体と推定されるが、地球中心部の熱で温められて年に数cmずつ上昇し、地表近くに達すると冷えて下降するため、きわめて長い時間でみれば対流していると考えることもできる。

地震の種類と特徴

 前述の「地震発生のステップ」で紹介したのは厳密に言うと『海溝型地震』です。その他にプレートの移動が原因なのは同じですが『内陸地震(正式にはプレート内地震)』と呼ばれている地震があります。『内陸地震』はプレートの移動により割れた地殻が、縦や横にズレる時に発生する地震です。
 それぞれの特徴は次の通りです。

海溝型地震

  • 海洋プレートの沈み込みにより大陸プレートに歪みが蓄積し、それが解放される時のはね上がりが原因
  • 大津波を伴うことが多い
  • 一定の周期で繰り返し発生することがわかっている
  • 被害が大きかった例:関東大地震(1923年)
  • <現在発生が懸念されている東海、東南海・南海地震がこれにあたる/li>

内陸地震(プレート内地震) 

  • 活断層の活動が原因
  • 直下型(都市の地下が震源)で震源が浅いと震度が強い
  • いつ起こるか予測が困難
  • 被害が大きかった例:阪神・淡路大震災(1995年)

【用語】
断層:岩や地層が断たれて、ズレを生ずる現象。また、それによってできた割れ目。
活断層:最新の地質時代である新生代第四紀に変動したことがあり、今後も活動が予想される断層。 

マグニチュードと震度

 地震が発生するとよく耳にする「マグニチュード」と「震度」の数値。混同しがちですがそれぞれは何を表しているのでしょうか。

マグニチュード

  • 地震そのものの大小を示す数値
  • 1つの地震では1つの数値
  • 数値は地震波の最大振幅・震央距離・震源の深さなどを公式に当てはめて算出する マグニチュードと地震の呼称
    マグニチュードと地震の呼称

    マグニチュード 1 2 3 4 5 6 7 8 8以上
    地震の呼称 微小地震 小地震 中地震 大地震 巨大地震
    マグニチュード1~3までを微小地震、3~5までを小地震、5~7までを中地震、7~8までを大地震、8以上を巨大地震と呼ぶ

震度 

  • 特定の場所における揺れの強さを表す数値 
  • 1つの地震でも場所によって数値が異なる 
  • 地震情報で発表される「震度」は厳密には「震度階級」と言い、観測点にある計測震度計で測定された「計測震度」から換算される(かつては周囲の状況や体感で推測していた) 
  • 気象庁震度階級関連解説表
     震度は、地震動の強さの程度を表すもので、震度計を用いて観測します。この「気象庁震度階級関連解説表」は、ある震度が観測された場合、その周辺で実際にどのような現象や被害が発生するかを示すものです。この表を使用される際は、以下の点にご注意下さい。 
  1. 気象庁が発表する震度は、震度計による観測値であり、この表に記述される現象から決定するものではありません。 
  2. 震度が同じであっても、対象となる建物、構造物の状態や地震動の性質によって、被害が異なる場合があります。この表では、ある震度が観測された際に通常発生する現象を記述していますので、これより大きな被害が発生したり、逆に小さな被害にとどまる場合もあります。 
  3. 地震動は、地盤や地形に大きく影響されます。震度は、震度計が置かれている地点での観測値ですが、同じ市町村であっても場所によっては震度が異なることがあります。また、震度は通常地表で観測していますが、中高層建物の上層階では一般にこれより揺れが大きくなります。 
  4. 大規模な地震では長周期の地震波が発生するため、遠方において比較的低い震度であっても、エレベーターの障害、石油タンクのスロッシングなどの長周期の揺れに特有な現象が発生することがあります。 
  5. この表は、主に近年発生した被害地震の事例から作成したものです。今後、新しい事例が得られたり、構造物の耐震性の向上などで実状と合わなくなった場合には、内容を変更することがあります。

気象庁震度階級関連解説表

震度階級 人間 屋内の状況 屋外の状況

0

 

 

人は揺れを感じない。

1

 

 

屋内にいる人の一部が、わずかな揺れを感じる。

2

 

 

屋内にいる人の多くが、揺れを感じる。眠っている人の一部が、目を覚ます。 電灯などのつり下げ物が、わずかに揺れる。

3

 

 

屋内にいる人のほとんどが、揺れを感じる。恐怖感を覚える人もいる。 棚にある食器類が、音を立てることがある。 電線が少し揺れる。

4

 

 

かなりの恐怖感があり、一部の人は、身の安全を図ろうとする。眠っている人のほとんどが、目を覚ます。 つり下げ物は大きく揺れ、棚にある食器類は音を立てる。座りの悪い置物が、倒れることがある。 電線が大きく揺れる。歩いている人も揺れを感じる。自動車を運転していて、揺れに気付く人がいる。

5弱

 

 

多くの人が、身の安全を図ろうとする。一部の人は、行動に支障を感じる。 つり下げ物は激しく揺れ、棚にある食器類、書棚の本が落ちることがある。座りの悪い置物の多くが倒れ、家具が移動することがある。 窓ガラスが割れて落ちることがある。電柱が揺れるのがわかる。補強されていないブロック塀が崩れることがある。道路に被害が生じることがある。

5強

 

 

非常な恐怖を感じる。多くの人が、行動に支障を感じる。 棚にある食器類、書棚の本の多くが落ちる。テレビが台から落ちることがある。タンスなど重い家具が倒れることがある。変形によりドアが開かなくなることがある。一部の戸が外れる。 補強されていないブロック塀の多くが崩れる。据え付けが不十分な自動販売機が倒れることがある。多くの墓石が倒れる。自動車の運転が困難となり、停止する車が多い。

6弱

 

 

立っていることが困難になる。 固定していない重い家具の多くが移動、転倒する。 開かなくなるドアが多い。 かなりの建物で、壁のタイルや窓ガラスが破損、落下する。

6強

 

 

立っていることができず、はわないと動くことができない。 固定していない重い家具のほとんどが移動、転倒する。戸が外れて飛ぶことがある。 多くの建物で、壁のタイルや窓ガラスが破損、落下する。補強されていないブロック塀のほとんどが崩れる。

7

 

 

揺れにほんろうされ、自分の意志で行動できない。 ほとんどの家具が大きく移動し、飛ぶものもある。 ほとんどの建物で、壁のタイルや窓ガラスが破損、落下する。補強されているブロック塀も破損するものがある。

 

気象庁震度階級関連解説表

震度階級 木造建物 鉄筋コンクリート造建物 ライフライン 地盤・斜面

5弱

耐震性の低い住宅では、壁や柱が破損するものがある。 耐震性の低い建物では、壁などに亀裂が生じるものがある。 安全装置が作動し、ガスが遮断される家庭がある。まれに水道管の被害が発生し、断水することがある。

[停電する家庭もある。]
軟弱な地盤で、亀裂が生じることがある。山地で落石、小さな崩壊が生じることがある。
5強 耐震性の低い住宅では、壁や柱がかなり破損したり、傾くものがある。 耐震性の低い建物では、壁、梁(はり)、柱などに大きな亀裂が生じるものがある。耐震性の高い建物でも、壁などに亀裂が生じるものがある。 家庭などにガスを供給するための導管、主要な水道管に被害が発生することがある。

[一部の地域でガス、水道の供給が停止することがある。]
6弱 耐震性の低い住宅では、倒壊するものがある。耐震性の高い住宅でも、壁や柱が破損するものがある。 耐震性の低い建物では、壁や柱が破壊するものがある。耐震性の高い建物でも壁、梁(はり)、柱などに大きな亀裂が生じるものがある。 家庭などにガスを供給するための導管、主要な水道管に被害が発生する。

[一部の地域でガス、水道の供給が停止し、停電することもある。]
地割れや山崩れなどが発生することがある。
6強 耐震性の低い住宅では、倒壊するものが多い。耐震性の高い住宅でも、壁や柱がかなり破損するものがある。 耐震性の低い建物では、倒壊するものがある。耐震性の高い建物でも、壁、柱が破壊するものがかなりある。 ガスを地域に送るための導管、水道の配水施設に被害が発生することがある。

[一部の地域で停電する。広い地域でガス、水道の供給が停止することがある。]
7 耐震性の高い住宅でも、傾いたり、大きく破壊するものがある。 耐震性の高い建物でも、傾いたり、大きく破壊するものがある。 [広い地域で電気、ガス、水道の供給が停止する。] 大きな地割れ、地すべりや山崩れが発生し、地形が変わることもある。
注:ライフラインの[]内の事項は、電気、ガス、水道の供給状況を参考として記載したものである。
(「気象庁震度階級関連解説表」は気象庁ホームページより引用)
 
【用語】
地震波:地震から発生する振動。地球内部を伝わる実体波と地球表面を伝わる表面波がある。実体波にはP波(縦波)と S波(横波)があり、伝わる速度はP波の方が速い。
震央距離:震央から地球表面に沿って測った最短距離。
震央:震源の真上の地図上の位置。緯度・経度で示される。
震源:最初に地震波の発生した場所。緯度・経度と地表からの深さとで示される。

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