津市では、地区住民等の合意のもと、地区の魅力向上や賑わいづくりに向け、重点的に景観形成に取り組む地区を「重点地区」として指定し、よりきめ細やかな景観誘導を図っています。
この度、奥津地区(須郷の里景観保全地区)と三多気地区(三多気の桜風景保全地区)において、地区住民等と合意形成が図られたことから、新たに重点地区に追加します。
伊勢本街道の雲出川に架かる宮城橋を渡ると、奥津宿の須郷の里です。お伊勢参りの人々がここを通り難所といわれた飼坂峠を越えて多気宿に向かいました。
このため、須郷の里の街道沿いには、峠越え前の宿となる旅籠の名残を残す立派な門構えを持つ屋敷型の建築物、また、職人街として栄えた名残の鍛冶屋、桶屋、駕籠屋、傘屋などを営んだ連子格子が美しい入母屋平入りなどの農家・町家中間型の建築物などが残るなど、風情あるまちなみがみられます。
奥津地区(須郷の里景観保全地区)のエリアや景観形成基準など詳細については、「須郷の里景観保全地区 まちなみルール&解説」(PDF/13MB)をご覧ください。
三多気の桜の伝承としては、理源大師が昌泰年間(898~901年)に桜を植えたのが始まりとされています。
また、三多気の桜が古くから景勝地であったことは、戦国時代末期の北畠国永の歌集に記されており、すでにこのころ桜の名所だったことがうかがえます。
このため、名勝指定は古く、昭和13年3月31日付で三重県指定名勝「三多気ノ桜」に指定され、その後昭和17年7月21日付で国指定の名勝として、指定されています。
このことから、今でも三多気の桜の鑑賞地点からの風景は、多くの人に親しまれており、桜を始め、棚田上の田畑、茅葺き型や入母屋型の屋根が地区の景観を特徴付ける農家型の建築物などとともに、風情ある風景がみられます。
三多気地区(三多気の桜風景保全地区)のエリアや景観形成基準など詳細については、「三多気の桜風景保全地区 まちなみルール&解説」(PDF/13MB)をご覧ください。
専修寺を中心とした寺町通りでは、寺院山門、間口の広い屋敷の長屋門や門構え、土塀、板塀と塀越しの緑による閑静なまちなみがみられます。
これと平行する仲之町通りなどには、連子格子が美しい切妻平入りの町屋や蔵も残り、霧返しや厨子二階には虫籠窓なども見られる風情あるまちなみがみられます。
さらに、寺内町と伊勢別街道を結ぶ橋向通りには、鍵状の道路に切妻平入りや妻入りの町屋が雁行した、武者隠しのまちなみがみられます。
一身田寺内町地区のエリアや景観形成基準など詳細については、「一身田寺内町地区 まちなみルール&解説」(PDF/19MB)をご覧ください。