「広報津」第320号(音声読み上げ)歴史散歩 第155回、津市(このまち)で輝く

登録日:2019年4月16日

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歴史散歩 第155回 香良洲公園の碑

津市が名勝に指定している香良洲公園の入口に、公園名を刻んだ大きな石碑があります。平成6年3月に建てられたこの石碑には、うちすぐる人もけぶりになれよとや もしおやきてのさとの松風という和歌が刻まれています。これは方丈記の作者、鴨長明が文治2(1186)年に記したとされる伊勢記の中の一首です。

その ことばがき(和歌の前書き)によると、伊勢への旅の道中、焼出(現在の藤方)から雲出の浜を過ぎた辺りで霧が晴れ、沖の白洲や浜の松原、あちこちの塩釜から立ちのぼる煙などが目の前に現れ、その絵に描いたような眺望を詠んだとされています。

この歌が詠まれた鎌倉時代、藤方から香良洲地域にかけての海岸では塩が盛んに生産されていました。当時の香良洲地域には、はこぎのみそのと呼ばれる神宮領があり、神宮へ塩を納めていたことが分かっています。また、享保4(1719)年の史料には、織田のぶかねの時代に藤方から矢野(現在の香良洲地域)にかけての村々の塩浜に年貢が課されていたことが記されています。しかし、この地の製塩業は次第に衰退し、塩浜も詩情をかきたてる塩釜の煙もいつしか姿を消してしまいました。

また、この石碑には、江戸時代の伊勢参宮のガイドブックである伊勢参宮名所ずえに紹介された香良洲神社の挿絵の一部も刻まれています。香良洲公園の辺り一帯は、かつて香良洲神社の土地でしたが、明治22(1889)年に矢野村の管理となり、大正14(1925)年に香良洲公園となりました。昭和28年に香良洲浦と呼ばれる海岸一帯が伊勢の海県立自然公園に指定され、平成5年には香良洲公園が旧香良洲町の名勝に指定されました。総面積4.48ヘクタールにも及ぶ広大な園内には、幹回りが3メートルを超えるクロマツの巨木があり、今も名所ずえの挿絵をほうふつとさせる松林が残っています。

近年、園内の老松は虫害などによって数を減らしつつありますが、松葉の香り立つ園内を抜けて海岸堤防に出ると、堤防付近にも防風林・防砂林として松が植えられ、白砂青松の景観をつくり出しています。

津市(このまち)で輝く

ボリューム36 全ての出会いへの感謝を心震わす音にのせて
和太鼓奏者 はっとり ひろし 44歳

プロフィール

1974年津市生まれ。津高虎太鼓を経て、1995年、和太鼓一路(のちにジェディオ一路)のメンバーとしてヨーロッパツアーなどに参加。1996年からは特別編成の英哲雲風会のメンバーとして、はやしえいてつコンサートツアーなどに参加。1999年から津市を拠点にソロ活動を開始。平成19年度 津市文化奨励賞、三重県文化奨励賞を受賞。

はっとりさんのコメント
地元ならではのことをしたい!
日常の辛さが吹っ飛んだというお客さまの言葉に感激!

この瞬間は、一生で一度きり その思いで太鼓を打つ

(はっとりさんのコメント)小学生のころ和太鼓をたたく機会があって、褒められたのがすごく嬉しかった。苦手なものが多かった自分。心が躍るものがあった。(コメントおわり)後に和太鼓のプロ集団の一員としてヨーロッパツアーなどでも演奏を行うこととなる、はっとりさんと和太鼓の出会い。和太鼓との関わりから、徐々に人を魅了したい、感動してもらいたいという思いが生まれ、その舞台は世界へと広がった。

現在、津市を拠点に演奏活動をする傍ら、和太鼓の指導も行っている。この日、一志東小学校の体育館からは威勢のいい太鼓演奏が聞こえてきた。はっとりさん指導の下、6年生が1年かけて和太鼓を練習し、卒業式で はっとりさんが作曲した感謝という曲を共演で披露するのだ。(はっとりさんのコメント)小学校の卒業式って、一生に1回しかないんだよ。それに向けて、全力で取り組んでやりきってほしいなって。チャレンジしてほしい、心震わす経験をしてほしいと思うんです(コメントおわり)

はっとりさん自らのチャレンジも続いている。今年6月の開催で12回目を迎えるソロコンサートいちえ。一度の出会いを意味するこの言葉には、出会いから始まった共演する仲間やお客さまへの、おもてなしという思いが込められている。(はっとりさんのコメント)舞台芸術や演出にもこだわった、新しい和太鼓の世界を感じてほしいです(コメントおわり)


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