「広報津」第338号(音声読み上げ)水道局だより

登録日:2020年1月16日

このページは、音声読み上げソフトウェアに対応するため、語句のなかで一部ひらがなを使用しています。


折り込み紙4

水道局だより 私たちの暮らしの中の水道 ボリューム7

令和2年1月16日発行
水道局 電話番号237-5811 ファクス237-5819

身近にある水道について知っていただくために、水道事業の現状・課題・経営状況をシリーズでお伝えしています。今回は老朽施設の更新や、災害対策について今後の計画を見ていきます。

水道事業の歴史と施設の老朽化

(男の子のコメント)津市の水道はいつから始まったのかな。

(先生のコメント)津市は井戸水を利用していたんだけど、その大部分が不衛生なものだったから伝染病が年々広がり続け、安全な飲料水の確保が重要な課題だったんだ。そこで大正14年(1925年)に水道事業を創設し、当時の津市の年間予算約5年分に当たる458万円を投じて約90年前の昭和4年8月に給水を開始したんだよ。

(男の子のコメント)そんなにたくさんのお金を使って一気に造られたってことは、やっぱり安全な水ってとても大切なんだね。
今の浄水場や水道管も90年前から使っているものなかな。

(先生のコメント)一番大きな片田浄水場など、まだまだ当時から使っているものもあるんだ。水道管や浄水場などの施設が老朽化して、これらの更新をたくさんしないといけないんだよ。平成30年度からの10年間で、約230億円かけて更新していくんだ。最近10年間でかかった費用は約120億円だから、その約2倍に当たる費用を投じて行うんだよ。

(女の子のコメント)これまでも古い管を新しくする工事をしてきているのに、どうして古い管は増えていくのかな。

(先生のコメント)今使っている水道管の多くは高度成長期(昭和40年代)の水道事業拡張期に敷設されたもので、一斉に更新時期を迎えてくるから、これまでの更新ペースでは追いつかないんだ。

(女の子のコメント)これからさらにお金がかかるんだね。将来、施設を新しくするために備えた貯金が毎年減っているって聞いたけど、この先どうなるのかな。

(ここからデータ)

水道局の貯金

  • 平成28年度 約60億円
  • 平成29年度 約53億円
  • 平成30年度 約52億円
  • 令和元年度(予測) 約47億円
  • 令和2年度(予測) 約37億円

(データおわり)

(先生のコメント)今後の更新費だけでなく、修繕費も年々高くなっているんだ。だから貯金はますます厳しくなるんだよ。古くなった水道管の割合が高くなると漏水事故が発生しやすくなってしまうんだ。最近、修繕が追いつかないくらい件数も増えてきているから、早く新しい水道管に更新しないといけないんだよ。

(ここからデータ)

修繕費と修繕件数

  • 平成28年度 修繕件数2,649件 修繕費2.6億円
  • 平成29年度 修繕件数2,951件 修繕費2.7億円
  • 平成30年度 修繕件数3,119件 修繕費3.6億円

(データおわり)

今の水道を維持することはもちろん、50年先、100年先の世代まで安定して水道水を届け続けるのは、今を生きる私たちの責任です。

災害に強い水道にするために

(男の子のコメント)津市の水道は歴史があって古いことが分かったけど、ますます地震などの災害が心配だよね。

(先生のコメント)災害に強い水道にするために、次の2点が最も重要だと考えているよ。

  1. 被害(断水)を未然に防ぐため、老朽化した水道管や施設などの耐震化を進める。
  2. 災害発生時に迅速な給水や復旧を可能にするための整備を進める。

まずは各施設の耐震化率を見てみよう。

(ここからデータ)

耐震化率

  • 基幹管路 平成29年度は20.1パーセント(全国平均 約39パーセント)、平成30年度は23.4パーセント
  • 浄水場 平成29年度は28.4パーセント(全国平均 約28パーセント)、平成30年度は28.5パーセント
  • 配水池 平成29年度は28.0パーセント(全国平均 約53パーセント)、平成30年度は29.5パーセント

基幹管路とは、総延長約2,500キロメートルのうち、約190キロメートルの重要な管路のことです。

(データおわり)

(男の子のコメント)あまり耐震化は進んでいないね。今後はどうするのかな。

(先生のコメント)まず、水道管は老朽化が進んでいるところから耐震化をするよ。その優先順位は、老朽度だけでなく病院などの重要施設への供給ルートも考慮して計画的に更新していくんだ。

(補足) 平成30年度から令和9年度までの10年間を計画期間とした、第2次津市水道事業基本計画を策定し、事業を進めています。

(ここからデータ)

管路の耐震化

  • 基幹管路は、これまでに完了した距離が43キロメートル、平成30年度に完了した距離が1キロメートル、令和9年度までに行う距離が12キロメートル。
  • 基幹管路以外の管路は、これまでに完了した距離が1,522キロメートル、平成30年度に完了した距離が9キロメートル、令和9年度までに行う距離が89キロメートル。

第2次津市水道事業基本計画の計画期間中(平成30年から令和9年まで)の事業費は、約108億円です。

(データおわり)

(女の子のコメント)水道管だけでも、10年間で100キロメートル以上も新しくしないといけないんだね。

(先生のコメント)水道管のほかに、基幹施設(主な浄水場、配水池)の耐震化も進めていくよ。

(ここからデータ)

基幹施設の耐震化

  • 浄水場は、これまでに完了した施設が片田浄水場ほか14カ所、平成30年度に完了した施設なし、令和9年度までに行う施設が久居別所浄水場ほか1カ所。
  • 配水池は、これまでに完了した施設が半田配水池ほか38カ所、平成30年度に完了した施設なし、令和9年度までに行う施設が河辺配水池ほか7カ所。

第2次津市水道事業基本計画の計画期間中(平成30年から令和9年まで)の事業費は、約23億円です。

(データおわり)

(女の子のコメント)大地震の発生も想定して、断水する所が少なくなるよう耐震化を進めているんだね。

(ここからデータ)

近年の地震や大雨による断水状況

一番困ったのは水だったという被災地の皆さんの声もあります。

  • 平成28年4月の熊本地震では、断水戸数が約44万6,000戸、最大断水日数が約3カ月半
  • 平成29年7月の九州北部豪雨では、断水戸数が約3,000戸、最大断水日数が23日
  • 平成30年7月の豪雨(広島県、愛媛県、岡山県等)では、断水戸数が約26万3,000戸、最大断水日数が38日
  • 平成30年9月の北海道胆振東部地震では、断水戸数が約6万8,000戸、最大断水日数が34日

(データおわり)

(先生のコメント)それでも断水した場合の対策として、配水池へ緊急遮断弁を設置していくよ。水道管が破裂した際に、急激に増えた水の流れを察知して弁が自動的に閉まり水が漏れるのを防ぐんだ。そのほか、指定避難所となる小学校の受水槽に非常用蛇口を設置したんだ。

(ここからデータ)

非常時の水の確保

  • 緊急遮断弁の設置は、これまでに完了した所が河辺配水池ほか28カ所、平成30年度に完了した所が白山垣内配水池ほか2カ所、令和9年度までに行う所が一志川合配水池ほか12カ所

第2次津市水道事業基本計画の計画期間中(平成30年から令和9年まで)の、上記の事業費は約9億円です。そのほか、浄水場や配水池の機械・電気設備の更新などで約90億円です。

(データおわり)

当たり前のように使える水道水。でも自然災害や異常気象でこの先ずっと届け続けることが難しくなってくるかもしれません。これからも、さまざまな状況を想定して水道の整備を進めていきます。皆さんのご協力をお願いします。


前のページへ

次のページへ

第338号の目次へ

このページに対するアンケートにお答えください

このページは見つけやすかったですか?
このページの内容はわかりやすかったですか?
このページの内容は参考になりましたか?

このページに関するお問い合わせ先

政策財務部 広報課
電話番号:059-229-3111
ファクス:059-229-3339