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新津市は、旧市町村から983億円もの負債を引き継ぎ、その返済に初年度だけでも125億円が必要という非常に厳しい状況でスタートしました。財政の立て直しが急がれる中、組織の最適化と人件費削減のため、正規職員数を合併前の3119人から平成25年度末には2500人まで減らし、年間約48億円を削減。業務の合理化など行財政改革による地道な経費削減を継続し、引き継いだ負債は、令和7年度末には6億円台にまで減らせる見通しが立っています。
財政基盤を整える一方で、必要な事業の展開に活用したのが、合併した自治体が新しいまちづくりのために実施する事業の財源として国から借り入れが認められる合併特例事業債(以下「特例債」)です。これは合併のメリットの一つで、元利償還金の約7割を国が負担するとても有利な財源です。合併する市町村数などに応じて発行可能額が大きくなるため、津市の発行限度額は、全国有数規模となる約710億円となりました。
当時の津市は健全財政の維持が最優先だったため、発行額を約500億円に抑えることとし、その財源を活用して、上浜元町線など旧市町村を結ぶ道路や、斎場いつくしみの杜、中央学校給食センターなどを整備しました。
当初、合併後10年とされていた特例債の発行期間は、その後の法改正で5年延長されました。津市は借入期間を10年に設定しており、早い時期に借りた分の返済が完了しつつあったため、発行期間が延長されたタイミングで新規の特例債を発行し、事業をさらに上乗せして展開。産業・スポーツセンター「サオリーナ」(現在は日硝ハイウエーアリーナ)や久居アルスプラザの建設、学校へのエアコン設置などを進めました。
そして2度目の法改正で、発行期間はさらに5年延長。負債の着実な返済で市債残高が令和2年度から減少していた津市は、延長期間である令和3年度からの5年間に、残りの発行枠を最大限まで活用することにしました。最後の5年間では、こども園の増設や小中学校校舎の長寿命化改修、消防署の整備や消防車両の更新など、特に子育てや教育分野のサービス拡充、防災力の強化につながる事業を優先しています。
こうして津市は、発行可能上限額710億円の特例債を、20年かけて最大限活用し、多くの事業を展開することができました。
また、特例債の活用により市の負担を抑えてきた結果、財政の健全性を示す実質公債費比率は、合併直後の15.9パーセントから、令和5年度時点で5.2パーセントと大幅に改善し、全国の県庁所在地46都市の中で11位に位置しています。
津市が合併した平成17年度生まれの若者たちが、津市と同じく20歳を迎えました。1月11日に開催の「令和8年津市二十歳のつどい」の実行委員会メンバーに、ふるさと津市の魅力や未来の目標・抱負を聞きました
金額は合併特例事業債(発行限度額710億円)の活用額(令和7年度分の見込み額を含む)
特例債は令和7年度で発行期限を迎えます。津市は、これを見据えて他の財源を確保し、国の補助金等を活用して、大谷踏切の拡幅や津興橋の架け替えといった大規模な整備を進めてきました。
同じく今年度、さらなる財源として地方創生第2世代交付金の採択を受け、総事業費48億円で6つの事業がスタート。そのうち18億円を投じるのが、次世代を担うこどもたちのための公園づくりです。
この公園づくりは、「こどもまんなか社会実現会議」を開催し、子育て当事者の皆さんに関わっていただきながら進めています。市民の声を見える化し、在りたい未来を共に創る。この市民参画を促す新たなスタイルは、他の分野でも取り入れています。
中心市街地である大門・丸之内地区は、多様な関係者で設立したエリアプラットフォームが主体となって官民一体でまちづくりに挑戦しており、公園を利用した社会実験やシェアサイクルの導入実験を重ねながら、新しい人の動きを生み出しています。津駅西口駅前広場の整備では、これまでに4回の意見募集を行い、全部で736件もの前向きな意見をいただきました。そして皆さんの声を反映させ、昨年7月、津駅周辺の基盤整備についての方向性(ビジョン)を策定。これを踏まえ、国・県・市が連携した取り組みが今年からさらに加速していきます。
令和8年は津市にとって、合併20年の区切りを迎え、新しい章が始まる年です。知恵をしぼり、あらゆる財源を活用しながら、次世代を見据えた公共投資を続け、市民の皆さんの期待に応えるまちづくりに努めていきます。
積み重ねた20年の、その先へ。ここから新しく始まる「私たちの津市」のストーリーに、どうぞご期待ください。