新津市誕生10周年を迎えた年に入庁した新規採用職員に、津市の合併後の10年間の取り組みとその成果、そして今後の津市の未来を担う職員として目指すべき姿や期待することについて、講話を行いました。
とき
平成28年4月5日(火曜日)14時~14時30分
ところ
津市役所 本庁舎 8階 大会議室A
参加者
平成28年4月1日付け採用の事務職、技術職、保育士、保健師、看護師、技能員(調理員)、技能員(清掃員等)、消防職および幼稚園教諭(合計90人)
市長講話の内容
テーマ 「合併後10周年を迎えて」
- 新「津市」の誕生
最初のスライドは、10年前の新津市開市式で10人の合併前の市町村長が、本庁舎正面玄関前でテープカットする場面です。合併前の10市町村の首長は、それぞれ思い悩み、さまざまな思いを持ちながらも、住民のために非常に大きな決断をし、新「津市」が誕生しました。
本年1月16日、新津市誕生10周年記念式典を挙行し、10人全員お揃いで檀上にお座りいただきました。
- 一体的なまちづくりの推進(4大プロジェクト)
この10年間で、10の市町村が描いていたまちづくりは進んできたのでしょうか。各地域の最重要課題として引き継がれた20事業、各市町村2つずつの事業を着実に進めました。大型プロジェクトについても、新斎場「いつくしみの杜」、新最終処分場、リサイクルセンターが供用を開始し、産業・スポーツセンターは、来年の秋にオープンします。
これらは、広域的な行政だからできることであり、合併したからこそできたことです。
- 健全な財政基盤の確立
財政面では、住民一人当たりの借金について、旧津市においては、30万円程度であったのに対し、合併前の小さな規模の町村の中には100万円にものぼる町村がありました。しかし、合併により40万2千円程度になり、平成26年度には35万円程度というレベルまで下がってきました。
財政力指数についてですが、これは1に近いほど財政力が強いというものですが、旧津市では、0.94程度であったの対し、0.2程度の町村もありました。これが、合併して0.71になって、平成26年度には0.75程度まで上がりました。財政面でも、やはり合併による規模のメリットが生きているといえます。
- 効率的な組織経営
このように財政状況が良くなった大きな理由の一つとして、合併前に3,119人いた職員の数を2割削減し、目標としていた職員数2,500人のスリムな組織としたことにより、大幅に人件費が削減できたことがあげられます。
- 将来にわたる健全な財政運営の基盤づくり
市債借入金の内容も良くなってきました。市債借入金の総額は、ここ数年微増の状況です。この総額の中の臨時財政対策債は、交付税の原資を地方で借り入れたもので、償還費用は国が全額負担してくれるものであり、また合併特例事業債は合併時に決めたプロジェクトを推進するための借金のことで、返済額の一部が国から交付税という形で戻ってくるため、これらを除く実質的な借金となる一般的な市債については、合併後、減り続けており、今では合併当初の約3分の1になりました。
また、一方で、市の貯金にあたる財政調整基金については、合併前の104億円から200億円へ約2倍にまで増えている状況です。
- 津市の将来を切り拓く新しい力
職員数2,500人体制は、退職者に対する採用者を抑制し、退職者に比べ約半数の採用とすることで達成しました。平成26年度に職員数2,500人の目標を達成したことから、平成27年度、平成28年度は退職者数に見合った人数の採用を行うとともに、職務経験者採用という即戦力の確保なども行い、津市役所に新たな価値を加えました。
合併の時お約束したことをこの10年で概ね達成し、10人の旧市町村長の大きな決断にお応えできました。今後は、次のステージへと、さらに新しい津市を作っていくことになります。その原動力が職員であり、皆さんは津市の将来を切り開く新しい力です。
- 求められる職員集団
そこで、今後の津市の未来を担う皆さんにどのような職員集団になってほしいかと言いますと、まずは「プロフェッショナル」になってほしいと思います。新規採用者であっても、さまざまな試験を受け、その専門家として採用・配属されています。各職場において、しっかりと経験を積み重ねていけば、専門的な能力が向上し、必ずプロフェッショナルになれます。また、経験というのは、専門的能力のレベルアップにとどまらず、多方面に拡がっていくものなので、その部分も意識して自分のものにしてください。
次に、我々が行うことは「公務」であるという意識が大切です。公務とはパブリックサービスです。パブリックとは公という意味ですが、それは最大多数の最大幸福ということで、これをサービスする、お届けするということです。
これから、公務を行っていく中で、ルールや従来からのやり方に従っていくことはもちろん大切なことですが、それだけをすれば良いと線を引くことなく、市民の本当の幸せのために何が必要かということを追求してください。皆さんと一緒に努力して、最大多数の最大幸福となるサービスを提供していきたいと思います。
ではなぜ、そこまでの努力をするのかと言えば、私たちがこの土地が好きで、この土地に暮らす人たちが幸せになってほしいという地域愛があるからだと思います。私たちは、地域を愛していて、そのために、パブリックサービスをプロフェッショナルとしてやっていこうということです。
- 最後に
風格ある県都津市になるためには、高い市役所力が必要です。市役所力とは何でしょうか。それは、職員の力であり、これは、みなさん一人ひとりが、市民が望むことをきちんとやることであり、この職員力を育成するためには、志が大切です。新規採用者の皆さんは、プロフェッショナルとして、元気に、にこやかにパブリックサービスを実行し、常に高い志を持って、もっと市民の役に立つぞという強い気持ちで良い仕事をしてください。それが必ず市民の幸せにつながると思っています。
研修資料
研修資料は、下記リンクをご参照ください。
研修資料「合併後10周年を迎えて」(PDF/1MB)
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