「広報津」第436号(音声読み上げ)表紙、施政方針から 一歩踏み出し、大きく伸ばしていく

登録日:2024年4月1日


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表紙

広報津 令和6年4月1日 第436号

飛べ!つなげ!笑顔と共に

津市がホームタウンのヴィアティン三重女子バレーボールチーム。選手の懸命なプレーに観客から歓声が上がっていました。もと日本代表の大山加奈さんのトークコーナーもありました。(1月14日 サオリーナ)

施政方針から 一歩踏み出し、大きく伸ばしていく。こども・子育て政策、都市づくり、未来の安心

2月21日、令和6年第1回津市議会定例会の開催に当たり、前葉泰幸市長が施政方針を述べました。今号では、その主な内容を掲載します。なお、施政方針の全文については、津市ホームページでご覧いただけます。

ホームページは、津市 施政方針、で検索してください。

新たな段階へと市政を伸ばす

今回の能登半島地震では、発生直後に大津波警報が発表され、その瞬間東日本大震災のような津波被害が脳裏をよぎりました。

折しも、本年全長11.2キロメートルの津松阪港海岸堤防の整備が完了します。老朽化対策だけでなく南海トラフ地震発生に備えた耐震化を施す抜本的な改修として、てんば高6メートルへのかさ上げと劣化コンクリートの打ち換えによる堤防強化に加え、地盤が弱く液状化対策が必要だと判断された区間の地盤改良工事も行われました。津ヨットハーバーへの入口となっている堤防開口部には国内最大幅のフラップゲート式りっこうが設けられるなど、伊勢湾岸の堤防は、より強靱で安全安心な堤防に生まれ変わります。

中勢バイパスも昨年全線開通しました。この道路は、交通渋滞解消や地域経済の発展に資するだけでなく、災害対応においても大きな役割を果たすインフラです。浸水エリアを回避した内陸部に位置することで、くしの軸のような形で内陸部から沿岸部への応急復旧活動を支援する機能を有しています。

今回の能登半島地震では、被災した際、道路などの社会基盤が必ずしも有効に機能するわけではないことが浮き彫りになりました。被害状況の把握による現場への適切な迂回ルートの確保や必要な交通規制、全国から駆け付ける人命救助等の実動部隊への迅速な情報伝達など、受援体制を確固たるものにしていくことが極めて重要です。ハードとソフトの両面から津市の災害対応力をさらに高めてまいります。

私たちは「静かなる有事」ともいわれる少子化・人口減少という大きな課題にも直面しています。

人口減少は将来にわたって続くと推計され、今を生きる者の責務として、積極的な行動を起こさなければ、取り返しのつかない状況に追い込まれます。よりこどもを生み育てやすい社会づくりに向けて、真に効果を発揮する施策に取り組んでいく必要があります。

市政も新たな段階を迎えています。

合併後の一体感の醸成や均衡の取れた地域の発展に向けて取り組む一方、自治会問題で内部統制の脆弱さが明らかになりました。反省すべきことを反省し、改めるべきことを改め、統制の効いた強い組織としてリスタートしました。合併後に採用された職員は半数を超え、組織の新陳代謝も進み、例えば機動的救急隊(モア)のアイデアが若手職員の取り組みから生まれるなど、未来に向けてこれまでは手掛けてこなかったような新たな施策に積極的に挑戦していくフェーズへと変わってきています。

長い期間をかけて継続してきたことが繋がり実を結び、次の時代へと伸ばしていく、これまで途切れていたものを繋ぎ、新たな高みへと伸ばしていく、課題を乗り越え新たな段階へと市政を伸ばしていく。

これまで繋いできたものをそのまま未来に繋げるというものではなく「一歩踏み出し、大きく伸ばしていく」を令和6年度のテーマに掲げ、3つの政策について申し述べます。

1、未来に向けたこども・子育て政策

新たなこども・子育て事業

本年9月から子ども医療費助成の所得制限の撤廃と中学生までの窓口無料化を行います。妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援策として、県内で津市だけが行っている妊産婦医療費助成についても、本年9月から所得制限を撤廃し自己負担のない窓口無料にします。また、妊娠中はホルモンバランスの変化などにより歯周病等になりやすくなり、妊婦が歯周病に罹患すると低体重児の出産や早産のリスクが高まると指摘されています。妊婦無料歯科健康診査を開始し、妊婦の不安の軽減を図ります。

これらの事業を行うためには安定的な財源が必要となります。ボートレースの収益金を活用した津市独自のこども基金を創設することで財源を確保します。

推進体制の強化

本年4月に施行される改正児童福祉法において、市町村は全ての妊産婦、子育て世帯、こどものための一体的な相談支援を行う機能を有する「こども家庭センター」の設置に努めることとされました。これを受け「津市こども家庭センター」を設置し、児童虐待に関する児童相談所との連携、こどもの居場所づくり、児童の発達支援に係る専門的な相談や津市児童発達支援センターの管理などの体制の充実・強化を図るとともに、保育や子育て支援における量の拡充および質の向上、若者を対象とした出会い応援の充実などの推進を強化します。

こどもたちの居場所づくりの加速化

高茶屋地区において民間事業者が整備を進めている幼保連携型認定こども園については、着実に令和7年4月に開園できるよう丁寧な支援を続けてまいります。放課後児童クラブについては、誠之・白塚の2施設の整備に加え、修成・高茶屋の2施設の実施設計を行い、安全安心で快適なこどもの居場所を広げてまいります。

学校施設については、育生・片田・明合小学校、橋北・白山中学校の5校の長寿命化改修工事に加え、栗真・豊が丘・桃園・千里ヶ丘小学校、東観中学校の5校の実施設計を行います。

また、エアコン整備やトイレ洋式化を進めるとともに、国の補助金の対象とならない消防設備や給水設備の改修等を進めてきておりますが、さらに、校舎の屋上防水や屋内運動場の床改修などを行う学校施設改修特別推進事業を進めます。その財源として、ボートレースの収益金を活用した学校施設整備基金を創設してまいります。

2、未来に向けた都市づくり

道路ネットワーク

大谷踏切は、本年12月に開通する予定です。開通後は、鉄道によって分断されている西側と東側の車の流れが変わります。

そして、そこに長年、夢として語られてきた志登茂川河口架橋(第3江戸橋)と、鉄道との立体交差により市街地を東西に結ぶ下部田垂水線(上浜工区)が現実のものになろうとしています。

志登茂川河口架橋は、三重県において橋梁の予備設計が行われていることに加え、当該架橋を含む工区の整備を少しでも早く進めるため、先に同工区にある津海岸御殿場線から着手することとし詳細設計が行われることとなりました。津市は、志登茂川河口架橋南詰から津駅東口へのアクセスとなる津駅前線の拡幅工事に着手します。

下部田垂水線(上浜工区)の整備は、昨年8月の県政要望により、県において実施されることとなり、40年にわたり日の目を見なかった当該路線は、実現に向けた一歩を踏み出しました。津市も津駅周辺道路空間の再編に向け、津駅西口から西に繋がる広明町河辺町線、内多清水ヶ丘線の整備工事に着手してまいります。

津駅周辺

明治24(1891)年に初代駅舎が竣工し、昭和48(1973)年に現在の駅舎が竣工してから半世紀が経過した今、新たな歴史を刻もうとしています。官民が連携して基盤を整備する調査を始めます。津駅西口は、津駅西口駅前広場エリアマネジメント会議での議論を進めながら、早急に新たな西口広場の姿を示してまいります。東西自由通路については、事業イメージを明らかにしてまいります。

津駅東口は、国のバスタプロジェクトの中で交通拠点における機能強化の必要性等の調査が行われており、今後当該拠点の機能強化に関する具体的な整備方針の検討段階へと進むことが見込まれます。バスタプロジェクトの早期実現に向け、国や県との連携を密にし戦略的に取り組みを進めてまいります。

大門・丸之内

「津市大門・丸之内地区未来ビジョン」に基づき、官民連携のエリアプラットフォーム「大門・丸之内 未来のまちづくり」が主体となって実験的な取り組みや情報発信等を行っています。令和6年度は、回遊促進に向けたシェアサイクルの導入実験や公園空間における民間活力導入可能性調査が行われます。津市も引き続き地権者の土地建物活用等に係る意向把握のための調査を実施しながら、さらに深く地域に入り込み、都市機能の充実、居心地の良い空間形成、エリア価値の向上に繋げてまいります。

豊かで便利な暮らしの実現に向けて

久居体育館、芸濃総合文化センター内アリーナ、安濃体育館および一志体育館に空調設備を整備します。気温が高くなる夏季でも安心してスポーツなどを楽しむことができるよう久居体育館および安濃体育館については工事を、芸濃総合文化センター内アリーナおよび一志体育館については実施設計を行います。市内唯一の陸上競技場である海浜公園内陸上競技場は、陸上競技の大会や記録会が開催可能な第3種公認陸上競技場として、また競技人口が多いサッカーやラグビーなど多目的なスポーツが実施できるフィールドを備えた施設となるよう、整備に向けて測量、地質調査に着手します。

地域公共交通は、新たな仕組みを創設します。令和8年4月の津市コミュニティバスの次期再編に向けて、自由経路ミーティングポイント型と定路線型の運行を組み合わせたハイブリッド方式のデマンド型交通の構築を目指した実証実験を行います。

3、未来の安心

防災・減災対策等

大規模災害時に全国から派遣される緊急消防援助隊などの人命救助活動を担う実動部隊が円滑に活動できるよう、道路の被災状況に応じた一方通行などの交通規制や緊急車両を優先通行させる措置をどこでいつ講ずるのかを事前にさらに詳しく決めておく必要があります。関係機関の出席による検討会を開催するなど緻密な事前協議を積み重ね、迂回ルート等による交通機能の確保とともに、把握した被害状況等の情報を迅速に実動部隊へ伝達する体制を確立させてまいります。その上で受援に重点を置いた災害対策図上訓練や総合防災訓練を実施し、外部からの支援を円滑に受け入れ、その支援を最大限活用できる実践力を強化してまいります。

木造建築物等の耐震化のさらなる促進も図ります。耐震化や家具の固定などの普及に向けた啓発を強化してまいります。

上水道施設および管路の耐震化も推し進めます。水道施設や老朽化した管路の耐震化を進め、各配水区間の連絡管整備や配水区域内の管路ループ化に繋げてまいります。

地域防災情報通信システム(同報系)は、災害情報伝達手段への一斉送信機能の導入や有線網の整備による回線の冗長化を行います。

浸水被害の軽減に向けた歩みも進めてまいります。雨水事業を実施している半田川田排水区では、ポンプ場の整備が完了したことから継続して進めている第1雨水幹線の築造に加え、令和6年度は新たに3カ年の継続事業として第2雨水幹線の築造に着手します。藤方第二排水区では、いよいよ大口径の掘削に着工します。さらに「雲出川水系流域治水プロジェクト」の一環となる一志地域の浸水対策として雨水排水施設の基本・詳細設計を進めるとともに、桜橋ポンプ場を改築し施設の老朽化対策も進めてまいります。

消防力も強化します。北消防署に続き、中消防署西分署については解体工事および造成・外構設計に、北消防署跡地に整備する火災・山岳救助等を想定した複合型訓練施設については解体工事および造成・外構工事に着手し、整備を進めてまいります。

令和5年の救急出動件数は1万8,110件で過去最多となりました。本年4月から三重大学医学部附属病院がバックアップに入る新たな二次救急輪番体制に移行します。救急搬送時間短縮に向けて、輪番病院と連携した取り組みを進めます。

地球規模の気候危機に向けた地域脱炭素の取り組みも正念場です。地域脱炭素宣言以降、実効性のある取り組みを実践する事業者等とのパートナーシップの構築、地域脱炭素推進プラットフォームの設置などに取り組んでまいりましたが、もとよりそれらが真に機能するかが肝要です。市民や企業、団体等が連携を図りながら、現に二酸化炭素を減らす行動に繋がるよう実質を伴った取り組みとしてまいります。

土地の未来

私たちの生活を支える土地の未来も切り開いてまいります。

まずは、農地です。地域計画の策定を進めるとともに、担い手等が営農を継続できる環境となるよう津市独自の営農継続支援事業を展開します。次に山林です。令和6年度から森林環境税の課税が始まります。森林環境譲与税の譲与基準の改正により、同譲与税の増額も見込まれます。次なる段階として活用使途等について市民の皆さまの御理解をいただきながら、経営管理権を設定した森林の間伐など森林の持つ多面的機能の回復をさらに進めるとともに、津市産材の木材利用促進事業も推進してまいります。

民間事業者による新たな工業用地の確保については、優良な提案を選定し、準備が整った案件から地区計画の指定等に向けた協議を開始してまいります。

河芸町上野地内における建設発生土処分場の整備は、かつて養鰻池であった土地に、河川浚渫等の土木事業の促進に資するといった新たな使命を付与し、土地活用の新しい未来を切り開く一例となるものです。機能の早期発現に向け、しっかりと進めてまいります。

さらなる高みに向けて力を尽くす

これまで経験したことがない新しい時代が幕を開けています。

人と人との関係、価値観、制度、ひいては常識とされていたものなど、社会構造そのものが大きく変化してきています。

その変化を受け止め、そして市民に寄り添い、市民の声に真摯に耳を傾け、市民のために何をすべきかを考え抜くことを根底に、これまでの常識や概念にとらわれることなく、新たな視点、柔軟な思考を持って、迫りくる課題にも果敢に挑んでまいります。

「一歩踏み出し、大きく伸ばしていく」。

職員と共にこれを胸に、津市のさらなる高みに向けて市役所一丸となって力を尽くしてまいります。

問い合わせ

政策課 電話番号229-3101 ファクス229-3330


 

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