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安濃川に架かる安西橋を渡り、芸濃町おのひらの集落を過ぎると「おのひらの滝」の案内板があります。安濃川の支流である滝川に沿って上流へ進み「500メートルさき おのひら滝」と書かれた指示板から延びる道を川へ下り、河原を大きな石伝いに進むと、「おのひらの滝」が現れます。
おのひらの滝は、古くは別名「稲子[いなご]滝」と呼ばれていました。かつておのひらの集落の北には、スサノオノミコトと稲田姫を祭る社があり、その神社で行われる祭礼には、おのひらの滝の水を用いていたといわれています。ある時、きこりの子どもがこの滝つぼで水浴びをしたところ、以前より患っていた眼病が治ったことから、神社に祭られる稲田姫の「稲」と眼病が治癒した子どもの「子」にちなんで、この滝を「いなご滝」と呼ぶようになったといわれています。これらは「いなご滝由来」に記され、現在に伝えられています。
おのひらから通じる滝までの道のりには「たきへ」 と刻まれた道標がいくつかあります。この道標のうち、おのひらの集落近くにあるものには正面に「左 ながのミち 右 たき道」、側面に「寛政五丑年(1793年)六月吉日」と記され、古くから先のいわれに由来する霊験を求める人たちが訪れたと考えられます。
また、「いなご滝由来」には「滝の石面に不動明王の尊像を彫刻し侍りぬ」と記されていますが、現在はこの滝の傍らに石造の不動明王立像が祭られています。
かつては約9メートルの高さがあったと伝えられるおのひらの滝。
現在は長い年月による地形変化などから約6メートルとなつています。
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