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折り込み紙2
平成30年10月16日発行
農林水産政策課 電話番号229-3238 ファクス229-3168
アライグマは、テレビアニメで人気となった北米原産のアライグマ科の動物で、当時、外国からペットとして輸入されるようになりました。
しかしながら、飼われていたものが捨てられたり、逃げ出したりして野生化し分布が広がり、農作物や生活環境への被害が増加しました。このため、平成17年に特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律により、生態系を乱す・人に害を与える・農林水産業に被害がある外国産の生物として特定外来生物に指定され、ペットとしての飼育なども禁止されました。
一般的に野生鳥獣は、鳥獣保護管理法の対象となり、むやみに捕獲できませんが、多発する被害を防ごうと、津市でも平成26年度に津市アライグマ・ヌートリア防除実施計画を作成し、届け出をすれば鳥獣保護管理法の対象外となって捕獲できるようになりました。
するどい爪や歯を持ち、気性の荒い個体も多くかみ付いたり引っかいたりすることもあります。成獣の大きさは頭胴長が40センチメートルから60センチメートル、尾の長さが20センチメートルから40センチメートル、体重は平均5キログラム、雄では10キログラムを超える大きな個体も生息しているといわれています。
目の周辺を覆う黒い部分としま模様の尾が特徴で、尾のしまは5本から7本、体色はグレーやブラウンなど数タイプが知られています。活動は主に夜間で昼間も活動します。ねぐらは家屋・倉庫・空き家等の屋根裏、他の動物が掘った穴などを利用します。1個体が複数のねぐらを持ち、転々としながら農作物に被害を与えます。木登りや泳ぎが得意で水辺を好み河川や用水路、側溝などの水際を利用して移動する習性があります。
4月ごろが出産のピークで、出産場所は建物内を利用することが多く、平均4頭生まれます。
雑食性で、果樹や農作物、昆虫、カエル、飼育魚など何でも食べますが、甘いものを好むためブドウやトウモロコシ、スイカ等、糖度の高い作物が狙われやすいです。
収穫時期の田畑や果樹園などに入り、スイカ、ブドウ、梨、イチゴ、トウモロコシなどの農作物を食べます。
前脚で袋を破って食べるため、脚の汚れが袋に残ります
直径5センチメートルから6センチメートルの穴を空け、前脚を使い中身だけを食べます
根元から倒し、皮をむいて食べます
繁殖時期に、雌は屋根裏などに侵入し、出産や子育てをすることがあり、柱や壁などを引っかいて傷つけたり、家をふん尿で汚したりするほか、生ごみをあさるなどの生活環境被害も起こります。
屋根裏にすみ付いたことによるふん尿のシミ
柱を登ったことで付く爪痕
アライグマに限らず、野生動物に餌を与えることはやめましょう。人なれが進み被害が増えます。
生ごみや収穫しない作物などを放置しておくと、餌付けと同じことになるので、撤去または撤去できない物は囲うなど防護しましょう。
電気柵と樹脂製の柵を組み合わせた複合柵で、手軽に設置できます。
アライグマは、津市に捕獲の届け出をすると捕獲が可能になり、捕獲おりの貸し出しも同時に行っています。捕獲したアライグマは、津市で適切に処理します。
アライグマは、ほぼ平行に前脚と後脚の足跡が並びます。
津市では、獣害対策の3本柱として、捕獲の推進、防護柵の設置、地域ぐるみでの取り組み、を進め、平成28年度からは獣害対策を効果的に行うため、津市獣害対策相談チームを設置しています。
このチームには、獣の習性を熟知した狩猟免許の有資格者2人を含んだ合計8人が所属し、日々地域に訪問して設置された柵の管理状況の確認や、被害対策・捕獲方法の提案などを行い、地域の皆さんと一緒に取り組んでいます。
また、野生獣による農産物の被害防止や防護柵の資機材の購入に関する補助制度もありますので、農林水産政策課または各総合支所地域振興課へお問い合わせください。
なお、補助制度には一定の要件があります。