「広報津」第352号(音声読み上げ)表紙、第47回市長対談 家族の絆をつなぐ写真家・浅田政志

登録日:2020年10月1日

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表紙

広報津 令和2年10月1日 第352号

10月2日金曜日いよいよ公開。映画、浅田家

津市出身の写真家・浅田政志さんの半生を描いた映画、浅田家。スクリーンに広がる津市を見に行こう

第47回市長対談 家族の絆をつなぐ写真家・浅田政志

10月2日金曜日に全国東宝系で公開される映画、浅田家。津市は撮影が行われただけでなく、劇中でも実名で登場します。今回の市長対談では、映画の原案となった写真集、浅田家と、アルバムのチカラの著者である津市出身の写真家・浅田政志さんに、作品に込める思いや今後の展望についてお話を伺いました。

対談メンバー

津市長の、まえば やすゆき

市長のコメント。津を愛しながら世界へ羽ばたく写真家になってください。

写真家の、あさだ まさしさん

浅田さんのコメント。1枚の写真で自分を表現する、その答えが家族写真でした。

浅田さんのプロフィール

1979年津市生まれ。橋南中学校、津工業高校、日本写真映像専門学校研究科卒業。2009年に写真集の浅田家で第34回木村伊兵衛写真賞受賞。最新作、浅田撮影局まんねんなど話題作多数。現在、パルコ ミュージアム トウキョウ(渋谷パルコ)にて写真展、浅田撮影局を開催中。

対談内容

市長の発言。写真集、浅田家の表紙を飾る消防士と消防車の写真は、本日の対談場所である津市中消防署で撮影されました。消防士に扮するのは浅田政志さんのお父さんとお母さん、お兄さん、そしてご自身です。なぜ家族を作品のモデルにしようと思われたのですか。

浅田さんの発言。写真の専門学校に通っていたとき、1枚の写真で自分を表現しなさいという課題が出たんです。答えが出ない中、もし一生であと1枚しか写真が撮れないとしたらとか、死ぬ間際に神様にたくさんある写真の中から1枚だけ見ていいよって言われたら自分はどの写真を選ぶのかなと考えたとき、家族写真だなと思ったんです。それまでは家族写真はちょっと恥ずかしいものだと遠ざけていて、見たことがない写真や、かっこいい写真を撮りたいと思っていました。でも初めて撮った家族写真は想像以上に手ごたえがあって、すごく良いものだと思えたんです。これまでの景色が180度変わるような経験でした。そこから20年以上続くとは僕も家族も思っていなかったですけどね。

市長の発言。一生に一枚の家族写真は、どんなシーンだったのでしょうか。

浅田さんの発言。小学生の時に自宅で父がけがをして、外出していた看護師の母を全速力で呼びに行った僕も自転車でこけて顎から血が吹き出たんです。病院に行こうとした矢先、兄も階段から落ちて頭を打って、結局男3人が母が勤務していた病院で治療されたという恥ずかしい思い出があって。その家族の一番の思い出話を再現して撮りました。

市長の発言。病院で3人が包帯を巻いている写真ですね。1枚の写真が家族の特別な思い出を語り出す感じですね。

浅田さんの発言。僕の写真のジャンルは、セットアップ写真や演出写真といわれています。場所や衣装、仕草、光など全てにおいて演出を加えて、映画的な作り方って言われることもあります。ちょっと集合写真に似ていますよね。

市長の発言。フィルムカメラで撮影されるのですか

浅田さんの発言。仕事ではその場で確認できるデジタルも使いますが、ここぞと言うときはフィルムカメラを使うというイメージです。自分の家族を撮る時だけは今でもフィルムです。1枚カシャっときることが体に染み付いていて、そのリズムの方が良い写真が撮れるんですよね。手焼きした写真はデジタルで加工したものとはどこかたたずまいが違ってすごく温かい雰囲気になるんですよ。

市長の発言。映画の原案となったもう一冊の写真集、アルバムのチカラで、まさに現像して焼き付けたフィルム写真のことが紹介されています。東日本大震災の津波で汚れてしまったアルバムや写真を洗浄して蘇らせるボランティアをされた経験から、この写真集ができたわけですね。

浅田さんの発言。震災当時、さまざまな職業の人たちが被災地のためにできることをしようという機運がありました。僕は被災地の何かを撮ることが力になるというよりはむしろ邪魔かもしれないと思い前向きになれなくて、岩手県野田村にボランティアに行ったんです。そこで、寒風吹きすさぶ中、写真を洗って持ち主に返却している青年に出会いました。写真はこういう時に無力で、僕は何もできないと思っていたけれど、日常が変わってしまった野田村では、まちや人々の生き生きとした様子が写った写真が心の支えとなっていました。写真が必要とされていたんです。その出会いをきっかけに写真洗浄を始めて、約2年間かけて宮城県気仙沼市や山元町などの写真洗浄ボランティアの現場9カ所ほどを取材させていただきました。

市長の発言。写真洗浄ボランティアのシーンも出てくる映画、浅田家ですが、映画化の話が届いた時にどう受け止められましたか。

浅田さんの発言。実はお話自体は9年ほど前から頂いていて、それだけで光栄だと思っていました。実際に映画化が決まって、生まれ育った津市でロケをしていただいたばかりか僕が歩んできた人生のシーンまでも多く描いてくださったことは意外でした。全く違うストーリーになると思っていました。

市長の発言。昨年、浅田さんご自身も津市で1つの作品、津カルタの制作に携わられています。私も谷川ことすが役で出演させていただきましたが、撮影はいかがでしたか。

浅田さんの発言。橋南中学校の同級生が企画した、津カルタは市民の皆さんからモデルを募集して、観光名所やおいしいグルメなど、津を47の句で表現したものです。写真のカルタは全国的にも珍しいと思います。難しい面もたくさんありましたが、津市の皆さんとコラボレーションできるのは魅力的でした。

市長の発言。浅田政志さんでなければ撮れないシーンがいっぱい出てくるカルタですね。最後に、これからの目標について、お聞かせください。

浅田さんの発言。4人からスタートした家族写真ですが、兄も僕も結婚して、子どもにも恵まれ、計9人になりました。今は年に1回、家族でいろんな都道府県に行って、その土地らしい1枚を撮っています。あと37都道府県で全国行脚ができるという構想で、完成するころ僕は78歳。そのとき、息子は今の僕より年齢が上になります。彼にも家族ができて家族構成も変わっているかもしれない。今でも家族写真を撮るのが一番楽しくて夢中になれることなので、そんな年月を閉じ込めたような家族の写真を撮り続けたいです。

市長の発言。家族の絆が感じられるすてきな浅田ファミリーですね。これからも故郷・津を愛し、世界へと羽ばたく写真家・浅田政志さんを、津市民の皆さまとともに応援いたします。

日本映画界を代表する超豪華キャストで描かれる浅田家は、新型コロナウイルス対策がしっかり行われながらの全国ロードショーとなります。どうぞご期待ください。

メイヤーズ TV ショウ。市長対談の全編がご覧いただけます

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  • ケーブルテレビ行政情報番組(123チャンネル)

 

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