「広報津」第364号(音声読み上げ)施政方針から。ウィズコロナの難局を打破し、ポストコロナを見据えて。市民の命と暮らしを守り、将来への持続可能なまちづくり

登録日:2021年4月1日

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施政方針から。ウィズコロナの難局を打破し、ポストコロナを見据えて。市民の命と暮らしを守り、将来への持続可能なまちづくり

2月18日、令和3年第1回津市議会定例会の開催に当たり、前葉泰幸市長が施政方針を述べました。今号では、その主な内容を掲載します。なお、施政方針の全文については、津市ホームページでご覧いただけます。

ホームページは、津市 施政方針で検索してください。

世の中の大きな変わり目において

昨年は、新型コロナウイルス感染症社会を大きく変えた1年でありました。この感染症のような大きな力によって日常が変えられてしまうその時、私たち行政というのは、前例に捉われることなく、何をすべきかをしっかりと考え抜き、そのことを迅速にかたちにしてお届けしていくことが求められているのではないかと思います。

市民の皆さまの不安や制約が多い中で、まずは市民の命を守り、そして、地域経済を支え続けることを根幹に据え、市役所の持つ人材や財源などの経営資源を全て集中投入し、その時々の状況にしっかりとお応えするために、今必要とされること今やるべきことを選択し、迅速かつ的確に実行することを基本としてきています。今後も感染状況に応じて、行政に求められることは日々変化していくことから、その時点の状況を厳しく受け止め、市民に優しいコロナ対策を穏やかに講じてまいります。

市民の命と暮らしを守り、将来への持続可能なまちづくりに向けて

最優先のコロナ対策

令和2年度のコロナ対策については、計11回の補正予算を組んで、逐次必要な施策を重ねてまいりました。令和3年度もこれまで同様、コロナ対策に最優先で取り組むため、まずは、当初予算に総額約17億3,000万円を計上しました。今の市民生活や地域経済の状況に緊急に対応しなければならない対策通年で取り組んでいこうとする対策の両方を盛り込みました。

なお、1月28日に成立した国の第3次補正予算には、追加で新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金が盛り込まれており、令和3年度において活用できることとなりました。同交付金については、交付金を活用した市独自のコロナ対策の事業展開全体の中で、今後必要となる追加対策への活用を考えてまいります。

新型コロナウイルスワクチン接種事業

公共施設や商業施設数カ所を拠点とした集団接種会場の確保や高齢者施設での入所者への接種など、国から届いたワクチンを全ての市民の皆さまに混乱なく迅速かつ着実に接種していただける体制を整えるため、医療機関との委託契約や接種場所の確保のための費用など、約12億2,000万円の経費を計上しました。

市民生活や経済活動全般への支援策

昨年の実績や経験を踏まえ、地域経済への支援や感染防止・衛生対策、ウィズコロナ社会での新たな生活様式に対応した未来に残る対策など、状況の変化を的確に捉えた市独自の支援を実施するため、約5億1,000万円を計上しました。

地域経済への支援
  • 飲食事業者等への事業継続支援金の交付。交付対象は津市内の飲食店とその取引事業者等(中小企業者)。申請要件は令和3年2月または3月を対象月とし、売り上げが対前年同月比50パーセント以上減少した場合。支援金額は1事業者当たり10万円から30万円。
  • がんばる事業者応援プロジェクト事業(新たな事業展開のための場所の提供)
  • 中小企業振興事業補助金の拡充
  • 文化芸術などの市民交流活動への支援
  • 動画によるデジタル空き家見学会の開催
感染防止・衛生対策
  • 指定避難所・公共施設の感染防止対策の充実(消毒液等の感染防止対策物品の追加配備など)
  • 密集を避けるための幼児健康診査の実施回数増
学校・教育関係への対策
  • 臨時休業・出席停止措置等に伴う家計への負担軽減を図るための支援金の交付。申請要件・交付対象は保育所やこども園、幼稚園、小・中・義務教育学校等で感染者が確認されたことに伴う臨時休業・出席停止措置等により登園・登校しなかった児童の保護者。支援金額は児童1人につき2万円。ただし保育所やこども園は登園しなかった日数が5日以下の場合は1万円。
  • 人と人との接触をさらに避けるため三重短期大学附属図書館に返却ポスト・貸出ロッカーの設置
救急医療対策
  • 医療関係機関への医療提供体制整備のための支援金の交付
  • 救急患者搬送時の感染予防対策の徹底(高規格救急自動車の感染防止用物品の充実)
将来に残る感染症対策
  • 公共施設の空調設備(25施設110基)の改修・整備、トイレの洋式化(61施設167基)

三重とこわか国体・三重とこわか大会

9月25日から三重とこわか国体が、10月23日からは三重とこわか大会が始まります。ウィズコロナ時代に開催される新しいかたちでの国体・大会として、市役所一丸となって取り組んでまいります。大会運営については、当初の想定から思い切った見直しを行いました。

  • 新たな感染症対策として約7,000万円の増額
  • 感染症対策による事業の見直しにより約1億8,000万円の削減
  • 運営方法の見直しにより約5,000万円の削減

以上あわせて約1億6,000万円を削減し、総経費約14億5,000万円を当初予算に計上しました。

開催に当たっては、感染状況によって開催直前まで事前の決定事項が決められたとおりに進められるかどうか分からないという非常に難しい面も持ち合わせていますが、安全で安心な大会運営を最優先に準備を進めてまいります。コロナ禍にあっても、全国各地から参加される選手の皆さまが、本市の会場を舞台として最高のパフォーマンスを発揮され、また、市民の皆さまにとっても心に残る祭典として成功裏に終えられるよう、三重県としっかりと連携して取り組んでまいります。

将来への持続可能なまちづくりに向けた施策

令和3年度は、これまで道路・橋梁や学校施設の長寿命化などに活用してきた、国の防災・減災、国土強靱化のための新たな5か年の対策のスタートの年であり、合併市町村が地域の創意工夫によりまちづくりを進めていくための合併特例事業債の活用が可能となる最後の5年間が始まる年でもあります。新型コロナウイルス感染症の感染拡大が長期化する中、公共事業の推進は地域経済の下支えにもつながることから、これらの財源を最大限活用し、各施策に積極的に取り組んでまいります。

未来を担い築く子どもたちや市民が健やかに暮らせるための施策
  • 学校施設の長寿命化(改修工事 修成小学校・安濃小学校・朝陽中学校、実施設計 上野小学校・西橋内中学校・橋南中学校)
  • 桃園小学校のプレハブ教室解消(校舎の増築)
  • 河芸こども園の整備(令和4年4月開園予定)
  • 放課後児童クラブの整備(改修工事 成美地区・栗葉地区、実施設計 南が丘地区・誠之地区、新規開設 安東地区)
  • ギガスクール構想のさらなる推進(国の実証事業を活用した学習者用デジタル教科書の導入)
  • 民間保育所等の施設整備支援(上浜保育園の移転・新築、高田保育園・風の子藤水保育園の増築)
  • 産婦健康診査を新たに開始
  • ふれあい・いきいきサロン事業などへの支援
安心・安全に暮らすための社会基盤整備
  • 大谷踏切の拡幅(架道橋工事に着手)
  • 高茶屋小森町第24号線、半田久居線、雲出野田線などの道路改良(用地買収)
  • 雨水対策(雨水管理総合計画に位置付けた14の重点地区の管渠整備・ポンプ場建設、河川改修(4カ所)、農業用ため池洪水調整池転用(2カ所)、浚渫(6河川)など)
  • 津興橋の架け替え(令和7年度供用開始に向けた旧橋橋脚撤去・新橋左岸側橋台設置工事)
暮らしの潤い・市民サービスにつながる施策
  • (仮称)津西会館別館整備事業(建設工事に着手)
  • コミュニティバス・自主運行バスが4月から新ルートでの運行開始
  • 近鉄南が丘駅のバリアフリー化事業への支援
  • 津市民テニスコート新設オープン(5月)
  • 5月オープンの津市民テニスコート
  • 津球場公園内野球場リニューアルオープン(7月)
  • パークピーエフアイを活用した中勢グリーンパークの整備
  • 消防指令センター共同運用のための3市による基礎調査
  • 本庁舎の大規模改修工事(9月完了)
暮らしを支える地域経済のための施策
  • ビジネスサポートセンターでの経営支援などの継続や専門家によるオンライン相談の開始
  • 農業振興に向けた多面的機能の維持・発揮を図るための活動への支援
  • 地域と連携した獣害対策(防護柵の設置など)
  • すじ青のりの種苗養殖・放流事業への支援
  • 香良洲漁港堤防のかさ上げ工事(令和3年度完了予定)
  • 森林環境譲与税を活用した未整備森林の解消(森林所有者への意向調査を一志地域、白山地域へ拡大など)
  • 大門・丸之内地区の新たなまちづくりに向けた都市計画の観点からの調査分析に着手

国・県事業の促進への働き掛け

国の事業

  • 津松阪港区域の海岸堤防整備(市内全工区の令和5年度工事完了に向けた整備促進)
  • 一級河川雲出川の河道掘削・堤防整備(雲出古川両岸の堤防整備の早期完了、木造地区の堤防整備の促進など)
  • 中勢バイパスの全線4車線化(長岡宮ノ前交差点付近の早期工事完了、大里窪田出口交差点の早期工事着手)

県の事業

  • 上野・白塚地区の海岸堤防整備(上野地区海岸の整備促進、白塚地区海岸の早期工事着手)
  • 白塚漁港海岸の堤防整備(白塚工区の早期工事完了、河芸工区の早期工事着手)
  • 新相川橋の架け替え工事
  • 河川の治水対策(河川の改修・浚渫)
  • 令和4年3月の工事完了に向けた香良洲橋架け替え
  • 亀山安濃線の高野尾バイパス、国道163号の片田バイパス、津久居線、一志出家線の中川原橋、一志美杉線の室ノ口バイパス・室ノ口から矢頭トンネル、国道368号の下太郎生・奥立川工区などの道路整備

市民の命と暮らしを守る予算

令和3年度の予算は前年度比0.3パーセント増の1,099億4,000万円となりました。

歳出

合併特例事業債を活用して行う大規模事業が終了したことに伴い、普通建設事業費は前年度比29.3パーセント減の68億5,000万円。市民生活に関わる重要なインフラ整備などの事業費は増額。

歳入

新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、市税収入全体で、前年度比4.6パーセント減の395億1,000万円、地方交付税は、普通交付税の合併特例措置の終了を受け、前年度比6.1パーセント減の169億円。市債は、臨時財政対策債が前年度比120.3パーセント増の65億円と大幅に増加したことなどにより、前年度比10.1パーセント増の87億2,000万円。また、公債費の償還に充当する減債基金など特定目的基金を20億1,000万円、財政調整基金を50億円取り崩して編成。

特定の自治会に対する諸問題

早急に解決すべき課題である特定の自治会に対する諸問題については、法律顧問弁護士からの最終報告を受けて、明らかに市職員の職務が公正公平に執行されていなかったものについては、職員の処分も含め、厳正に対処いたします。なお、職員の管理責任は市長である私にございます。

今回のような事態の再発を防止するため、津市の組織風土や事務執行を改革いたします。まず、職員が困難な問題を抱え込み、苦しんできたことへの反省を踏まえ、全ての職員が相談しやすい組織を作ります。市長直轄市役所内部を統制する組織を新たに設置します。その上で、職務権限の範囲や事務執行の方法に問題があったものは、事務執行の仕組みやルールの見直しを行います。不当要求や圧力に対して毅然と対処できるように口頭や面談での要求を記録・報告する仕組みの構築とともに、職員の倫理規程も策定してまいります。

私の責任のもとで、過去を断ち切り、職員一人一人が公正公平な職務に専念できる体制を作り上げてまいります。

市民の皆さまが安心して暮らせるように

最後に、新型コロナウイルス感染症については、依然として先行きが不透明で出口が見えない状況の中、令和3年度のスタートを迎えることになります。思い返しますと、昨年のこの時期にお示しした令和2年度の施政方針には、コロナや感染症という言葉は全くなく、よもや感染症への対応が中心となる1年になるとは思ってもいなかったわけです。

しかし、その後、学校の休業要請や緊急事態宣言に端を発した市民生活や地域経済への影響に対応するため、コロナ対策に取り組んできた1年であり、おそらく令和3年度もそのような年になると思われます。コロナ禍という閉塞した状況の中ではありますが、三重とこわか国体・三重とこわか大会が希望のきらめきを放ち、私たちの一つの明るい見通しとなることを願いながら、市民の皆さまが安心して暮らせるよう、全職員が全力で市民の皆さまを守り抜いてまいります。

問い合わせ

政策課 電話番号229-3101 ファクス229-3330


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